映画でこんなにイライラしたのは初めて。主人公は人に偉そうに教えている事とやっていることが真逆のクズ『ザ・コール 緊急通報指令室』

2021/07/25

緊急通報に対応する「THE GUILTY/ギルティ」という映画を観て凄く面白かったので、Amazonのレビューコメントでこの映画に似ているとあった「ザ・コール 緊急通報指令室」という映画を観てみました。

この映画、主人公がクズ過ぎる。

これみんな良く耐えられましたね。レビューコメントで「終盤が残念」というものが多いのですが、私は序盤でイライラ、中盤でさらにイライラで見続けるのを辞めました。最後まで見続けた人はそれだけで凄い。

911の緊急通報を受けるオペレーターの仕事をしている黒人女性が主役。いわゆる「仕事も恋も順調♡」的な演出をしておき、少女からの緊急通報で大失敗をしてしまいます。

少女が911に電話をして家に侵入してきた殺人犯から必死に隠れているときに電話が切れる。そこですぐにこの主人公が少女に電話を掛け、着信音で少女が隠れていることが犯人にバレて少女が殺されます。

私はこのシーンでイライラしました。主役の人が電話を掛けた瞬間に「えっ、何で掛けた?」と思いました。

この緊迫した中で少女が911からの電話に出ないという判断は難しい。着信音を消すためにすぐに出るか、人がいないのを装うために出ないかの2択。出ない場合は電話を自分から離す必要がある。でも助けが欲しいから出てしまうでしょう。

主人公の軽率な行動のせいで少女は見つかってボコボコに殴られ、殺されて埋められました。

楽しめた度

主人公が新人に偉そうに教えていることとやっていることが真逆

その後、主人公は911で働いているものの、電話を受けるのは辞め、教官をします。

新しく会社に入ってきた新人たちへの研修で、自分の失敗を隠しながら「感情を切り離して対応するの」「絶対に約束しちゃダメ」と偉そうに教えます。

新人の「何で自分で電話を受けないんですか?」という質問に対して「私は教官だから」と高飛車に答える。

新人たちに説明している時、911のコールを受けます。少女が誘拐されてトランクの中から電話をしてきた。その通報に対応したのが新人で、緊迫した状況にどう応じれば良いか分からず、主人公が過去の大失敗を思い出しながらも仕方なしに電話対応を交替します。

主人公は誘拐された少女に指示しながら、自分が泣きそうになっています。ついさっき偉そうに教えていたのに。この時私はこの主役が過去の失敗を乗り越え、救出指示に成功してハッピーエンドで終わるんだろうなと感じ取りました。

主人公は誘拐された少女に「助かるって約束して」と何度か言われ、一番最初以外は毎回「約束するわ」としっかり言い切ります。

何これ? お前が新人に教えた「約束しちゃダメ」はどうなった?

主人公の指示がまた失敗し、立ち上がって頭を抱える姿にイライラ。指示が失敗して状況が悪くなっていきます。「感情を切り離す」はどうなった?

何で教官をやっていられるんだろう? 自分に甘すぎない?

主人公の指示通り動いても助からないことから誘拐された少女が弱気になり、「この会話録音される?最後に家族にメッセージを残したい」と言うシーンで、なんと主人公は「ダメ。助かるから」と言い放ちます。

はぁ?バカなの? 自分の感情を押しつけすぎ。

自分で「約束しちゃダメ」と教えているのだから、その方針で行動するなら助かるかは確約できないため、メッセージを残させておくのが普通ではないか。

主人公の考えに一貫性がなさ過ぎる。

トランクの中は電話で会話する時間的余裕があるみたいだし、主人公の指示では助かりそうもなく、誘拐された少女の気持ちになれば死ぬかもしれないからメッセージを残したくなる気持ちが主人公には分からない。

私はこのシーンでイライラがマックスとなり、再生をやめ、終了です。ちょうど映画の時間の半分あたり。

主人公がクズ過ぎる。コロコロ主張を変える人は信頼できない。人に共感して優しい声を掛けることもない。何でこれが主人公なんだろう…。

言っていることとやっている事が真逆なのに、それを仕方ないと観ている人に納得させるシーンもない。むしろ後押ししているように思える。このままヒーローに仕立て上げられそう。

ヒーローになってしまう前に再生をやめておかないと。

差別を無くそうとして黒人女性を変にプッシュしている映画に思えてしまいます。

毎回の失敗に対して「私は悪くない」のような反応をするのもイライラさせます。人が死んでしまう大失敗をしているのに自信たっぷりな表情。

失敗で落ち込んではいるものの、全然反省していない。日本でよく見かける光景です。「私には今回の件で責任がある。嘘だったら辞めると言ったが、責任があるから辞めない」

正直なところ、主人公にはもっと痛い目にあって欲しいと願ってしまいました。この人が犠牲になって誘拐された少女が助かる、ぐらいでないとイライラが収まりません。

主役の黒人女性の自信ありげな表情はドラマ「THE FLASH/フラッシュ」のヒロインの顔を思い起こさせます。

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あと、トランクにいる少女は主人公の指示通り、バックライトを壊して手元にあったペンキを垂れ流して道路に跡を残したところ、警察はヘリで上空から見ているのに「ペンキの跡が見つかりません」っていう報告が意味不明。車は見つからなくてもペンキの跡は見つかるだろう。

最近は面白くなかったものをあまり書かないようにしているのですが、イライラしすぎて書いてしまいました。

つまらない映画とは違い、イライラする映画でした。「つまらない」はそのまま放っておけるのですが、「イライラ」は難しい。

高速ばぁば」を見ても「ほーん、こういう映画か」で終われたのに。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。