宇多田ヒカルと Shape of My Heart から、元ネタの旅
たまたま YouTube で「Shape of My Heart」という音楽を聴き、ギターの音の美しさに感動した。でもその時「どこかで聞いたことがあるな」と思い記憶を辿ること数秒、宇多田ヒカルまで行き着いた。宇多田ヒカルの曲のイントロを聴いていき、ついにその曲を発見。
宇多田ヒカルの「Never Let Go」という曲で「Shepe of My Heart」と同じメロディーが使われている。
↑ Sting の「Shape of My Heart」のライブ動画。この曲は映画「レオン」で使われている。
↑ 「Never Let Go」は宇多田ヒカルの First Love というアルバムの7トラック目に入っている。
これは有名な話だったりするのだろうか。検索してみたら2ちゃんねる上にこれに関するスレッドがあり、宇多田ヒカルの曲の元ネタと思われる曲が色々と羅列されていた。これは有り難い。
Automatic ⇒ Karyn Whiteの「Secret Randevouz」のパクリ
First Love ⇒ Aerosmithの「I Don't Want to Miss a Thing」とコード進行が同じです
Never Let Go ⇒ スティングの「SHAPE OF MY HEART」にそっくり
Addicted to You ⇒ Brandy and Monicaの「The Boy is Mine」が元ネタ(w
Can You Keep a Secret? ⇒ Janet Jacksonの「Really Doesn't Matter」同じ曲かとオモタYO!!
Traveling ⇒ Madonnaの「Erotica」のまんま!
Letters ⇒ 薬師丸ひろ子の「Woman」
COLORS ⇒ サビがFranlie Valliの「Can't Take My Eyes Off You」のサビに酷似です(藁( http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/musicj/1224254452/ より)
似ているとされている動画を下に貼り付けたので宇多田ヒカルの曲を用意して聴いてみよう。
目次
- 「Automatic」と Karyn White「Secret Randevouz」
- 「First Love」と Aerosmith「I Don't Want to Miss a Thing」
- 「Never Let Go」と Sting「Shape of My Heart」
- 「Addicted to You」と Brandy and Monica「The Boy is Mine」
- 「Can You Keep a Secret?」と Janet Jackson「Really Doesn't Matter」
- 「Traveling」と Madonna「Erotica」
- 「Letters」と 薬師丸ひろ子「Woman」
- 「COLORS」と Franlie Valli「Can't Take My Eyes Off You」
- 「Parody」と Sting「Englishman in New York」
- 終わり
「Automatic」と Karyn White「Secret Randevouz」
確かに似ている。サビ以外は特に。それ以前に、Karyn White は私からすると Michael Jackson の影響を受けているのだろうかと思えるダンスだった。この PV は宇多田ヒカルの PV にも少し影響を与えていそう。
「First Love」と Aerosmith「I Don't Want to Miss a Thing」
First Love とコード進行が同じらしい。私はこの曲を聴いても First Love を思い浮かべられない。ある程度音楽を知っている人はコード進行というものは相対的なものだと分かっているので、そこまで絶対的な存在ではない。
「Never Let Go」と Sting「Shape of My Heart」
こちらは上に載せたとおり。類似性を誰かに指摘されたようで、EMI の宇多田ヒカルの公式サイトでそのことに言及されている。
「Never Let Go」は YouTube には公式動画が存在しない。この事実から邪推はできる。
「Addicted to You」と Brandy and Monica「The Boy is Mine」
似てはいる。でも宇多田ヒカルの方が曲が面白く仕上がっている。
「Can You Keep a Secret?」と Janet Jackson「Really Doesn't Matter」
Janet Jackson の声が柔らかいのですぐには分からなかったけど、「Can you Keep a Secret?」と聞き比べるとよく分かる。ただ、私は「パピヨン」の印象が強くて、そこからなかなか逃れられなかったり。
「Traveling」と Madonna「Erotica」
「Erotica」はちょっとアダルト感が強いので周りに誰もいないか確かめてから動画を再生しよう。
確かに似ている。イントロから同じ。これを良く発見したなぁと感動。1:27 のメロディは Traveling と完全に同じもの。
「Letters」と 薬師丸ひろ子「Woman」
確かにテンポを速くすると似ている。それよりも、私は「Woman」が良い曲で驚いた。声が綺麗に響いているし、曲調も好み。第一声の「もう行かないで」がものすごく綺麗。その次にある、フレーズ反復の「窓のそばで」の「でぇ」が良い。声に惚れた。美しい。
「COLORS」と Franlie Valli「Can't Take My Eyes Off You」
サビの部分は確かに、と納得できる。
「Parody」と Sting「Englishman in New York」
なるほど…。
終わり
一応注意点を書いておくと、私は曲がパクリかどうかは結構どうでもいい。それよりも「どのようにパクったか」の方が興味がある。よって、この記事は宇多田ヒカルが盗作をしたと指摘するものでは無く、そこは各自の判断に任せたい。
人間は過去の作品から完全には脱却は出来ないと思うので、より後になるほど完全に新しいものは少なくなっていく。もし私が他の作品と完全に同じメロディを意図的に使ったりするなら、そのアイデアの元となったものに敬意を表してクレジットに載せるけれども、まぁ色々あるのだろう。お金の問題とかプライドの問題とか。
それか、そもそも盗作とは思っていない場合もある。思いついたフレーズが「新しいもの」だと思ってしまうことは良くある。思いついたものの大抵は過去の作品を思い出しただけだったりするのだけど。私はそういう時に一生懸命に過去の記憶を辿るようにしている。でも記憶の量が多いと、つまり宇多田ヒカルなら音楽を聞いた量が多いはずで、それを判断するのも一苦労だろう。
今回は2ちゃんねるに載っていたものを興味から全部聴いてみたけれど、私としては宇多田ヒカルの曲はやはりミキシングがうまいと思う。パクリだったとしても、メロディーのインパクトは宇多田ヒカルの方があるように思う。
確かに指摘通りにメロディーは似ていたりするけれど、私は宇多田ヒカルの曲の方が音楽に乗れて、かつ聴きやすい。宇多田ヒカルのアルバム「Heart Station」はミックスを外注したとかいう話を聞いたけれど、このアルバムは確かに「都会的なミックス」になっていてものすごく聴きやすい。
今回は薬師丸ひろ子の「Woman」を知れたのが一番の収穫だった。薬師丸ひろ子の他の曲も聴いてみようと思う。