The Big Bang Theory(ビッグバン★セオリー)」というシチュエーション・コメディでよく言及されている「Flash」。私はこれで「Flash」を知り、たまたまそのドラマを見つけたので見てみました。

The Flash/フラッシュ」はスーパーヒーローもののドラマです。DC Comics で1940年に初登場。「Arrow」のスピンオフ作品とのことです(「Arrow」のTVドラマ版もあります)。「The Flash/フラッシュ」ではそのスーパーヒーロー「アロー」やその仲間も登場し、協力して敵を倒すこともあります。

「Arrow」と同じ世界観にいて、この世界観は「アローバース (Wikipedia)」と呼ばれているようです。私は DC Comics をほとんど見ていないので世界観がよく分かりません。「アロー」がドラマで突然出てきて驚きました。話が繋がっていないのでエピソードを飛ばしてしまったかと思いましたが、そうではなく彼を知っていることを前提にしているようです。

「The Flash/フラッシュ」は科学的にはあまり突き詰められていないドラマで、ツッコみどころが多い。あまりそういうツッコみどころを意識して見ない方が良いです。…もう少し何とかならなかったのかなという気はしますが。

楽しめた度

簡単なあらすじ

主人公が幼い頃に素速く動く光が母親を殺す。主人公は成長し、引き取られた義父(養父)の刑事の元で科学捜査官として働く。

「スターラボ」が作った粒子加速器の発表会でその粒子加速器が爆発し、主人公は雷にうたれる。昏睡すること9ヶ月、「スターラボ」の治療室で目覚め、不思議な力が宿ったことに気付く。閃光のように素速く走れるようになった。「これなら人助けができる」。

人助けをする中、母を殺したとして無実の罪で捕まってしまった実の父親を解放するため、それと同時に母親を殺した犯人を突き止めるため、何度もその場面を思い出しながら可能性を考える。ある人物が怪しい。だが、その人は悪人では無さそうだ…。

主人公を引き取った義父の娘とは一緒に育ち、主人公は密かに彼女(ヒロイン)に好意を抱く。だが、ヒロインは他の人と付き合ってしまう。主人公の恋の行方は?

博士の暗躍っぷりが楽しめる。博士は一体何者なのか?

人助けを行った各エピソードの最後に、短いですが気になるシーンが映ります。主人公を事故から助けてくれた「スターラボ」の所長ウェルズ博士が何やら怪しい行動をしているシーンが。

博士が密かに行動している様子が描かれ、普段は優しく頭が良くて頼りになる博士が、これを見ると一体どういう人なのか、良い人なのか悪い人なのか判断が付かなくなります。これが功を奏していて、ついつい次のエピソードを見てしまいます。

このドラマはヒーローものとして人助けをするところが爽快で面白いのではなく、博士は一体何者なのかを探るミステリー的な楽しさがメインです。

博士の個性がこのドラマを引き立てています。今回は音声の吹き替え版を見たのですが、博士の声が合っていて良いです。

博士はかなり冷酷な決断を行います。主人公を助けてくれた優しい人ですが、主人公以外を切り捨てるような事を平然と言います。そして邪魔だからということで密かに人殺しも。普段は車椅子に乗っているのに、一人になると立って歩くシーンが…。

粒子加速器の事故が起きたのは実は計画的だったのかも? となると、目的は…?

SFを扱った作品だが、ツッコみどころが多い

ストーリーの最序盤では、速く走ると服が燃えたり、靴が燃えたり、走っているときに人体はどうなっているのかということにちょっと触れられて科学的な説明があるのですが、そういった科学的な説明は徐々に意味をなさなくなっていきます。ちなみに服が燃えることについては特殊なスーツを着ることで解決しています。

ですが少し後になると、そのスーツを着なくても素速く走っていますし、ついには人を抱えて走ります。

ストーリー序盤ではマッハ1(約1200km/h = 約340m/s)ぐらいの速度で走っているとのことですが、抱えられている人の体には空気抵抗、加速度もかなり掛かっているが大丈夫なのか。その人の服が燃えないのはどうしてなのか。呼吸はできているのか。自分たちが衝撃波に当たらないのか。

(抱えられている人の服が燃えればサービスシーンとして面白かったのに…。)

主人公はそのマッハ1~マッハ3を超えるスピードを生かして素速く動けます。主人公からは世界がものすごくゆっくり動いているように見えているようです。ですが、何故か敵の普通の速度のパンチで殴られてしまったり、コールドガン(火炎放射器の冷凍版)を撃たれて当たってしまいます。

すごく不思議ですが、ツッコんではいけないのでしょう。

コールドガンを持っているその普通の人間の犯罪者は何故か捕まえられず、しかも負けてしまいます。彼とは何度も戦いますが、主人公はどうやっても勝てません。あんなに速く動けるのに、不思議すぎます。

素速く走っている最中に、仲間から音声通信で向かう先を説明される場面があるのですが、フラッシュ自身はその声をかなりゆっくりとした速度で聞くことになるはずです。ですが、素速く走っている最中もしっかり声が聞こえて指示に従って行動しています。不思議です。

また、壁が崩壊した瞬間など、壁の破片やガラスの破片がたくさんある中でも体がその破片に当たりながら素速く移動しているのですが、これって本当は体がズタズタになりそうなものです。

…まぁフラッシュにはそんなの関係ありません。細けぇことはいいんだよ、の精神が大事ですね。

でも人から隠れていたいのに、火を噴射して空を飛んでいる能力者(メタヒューマン)がいるのには思わずついツッコんでしまいました。「目立ちすぎだろ」と。

SF的には色々と目に付いてしまいますが、そういうのを気にせずに見た方が良さそうです。

主人公の行動はアホだが、逃げるのは正解

主人公は科学者で警察の捜査にも協力するほど頭が良いという設定です。

ですが、行動はすごく頭が悪いです。毎回作戦も無しに正面から敵に突っ込んで行き、毎回やられます。何をしているんだろう…。

でも、フラッシュの良いところは、やられたらすぐに逃げるところです。一旦研究所に戻って仲間と作戦を立てます。この姿勢はとても評価できます。

日本では、倒れても何度でも立ち上がり、敵に立ち向かっていくというマンガが多かったのですが、一旦逃げるのは大事です。

フラッシュは素速く動けるのだから、とにかく逃げ回って観察すれば良いのです。無理に正面から戦う必要はありません。

ヒロインにイライラしすぎる

主人公の役者は爽やかな顔立ちをしていて好感が持てます。ドラマ上での性格も良い。

ですが、ヒロイン(アイリス)はとてもわがままで自分勝手な性格。鈍感で、とにかく自分が大事で、いつも自分が正しく、隠し事をされると怒り狂い、納得できないと周りを責め、関係を崩壊させていきます。そして、常に「私って一番可愛いでしょ。愛されて当然だ」という自信満々の顔をします。

主人公はヒロインを好きなのですが、昔のマンガのようにヒロインは主人公の好意に気付いていません。主人公が「好きだ」と言っても、「家族としてよね、私もよ」と鈍感さを発揮します。それでヒロインは警察署のイケメンと付き合い出します。主人公は複雑そうにヒロインのそばにいて応援します。

主人公が正体を隠してフラッシュとしてこっそりと人助けをする中、ヒロインは何とブログを始め、フラッシュのことを世間に知らしめようとします。主人公がヒロインに「危ないから止めるんだ」と言っても聞きません。「どうしてそんなことを言うようになってしまったの」と主人公に詰め寄ります。自分が絶対に正しいんだという姿勢を崩しません。主人公がすぐに「僕が悪かった」と謝り関係を修復します。

主人公は素顔の自分では説得できないと悟り、フラッシュとしてヒロインに接触し、「危ないから止めるんだ」と警告します。ですが、ヒロインは「何で? あなたのことをもっと世間に知ってもらいたいの。好きな色は?」と自己中心さを遺憾なく発揮して答えます。

主人公は有名になるために人助けをしているワケではありません。ヒロインはそれを理解できないのです。

その後、フラッシュを狙う人たちからブログを読んだとしてヒロインは何度か危険な目に遭いますが、ブログはやめません。

ヒロインはいつもフラッシュに助けられて喜んでいます。「フラッシュは私を助けてくれる。困ったときには来てくれる」「私はフラッシュに接触できる。ブログで呼べば来てくれる」。フラッシュを利用しています。そしてブログだけではなく、働いているニュース会社でもフラッシュのことを書いていきます。

主人公は当然フラッシュの正体を知っているのですが、それを隠してヒロインと接します。するとすぐに「何か隠し事してない?態度が変よ」と訊かれます。嘘をつくと「あなたとは幼なじみでずっと一緒に暮らしてきた。だからあなたのことは全部知っているわ。嘘が下手ね。何を隠しているの?」。

ヒロインの彼氏の警官がフラッシュの正体を知り、ヒロインにそのことを隠していると、「何で私の彼氏なのに私に隠し事をするの?」「何でも話せる仲って良いわよね」と責め立てます。

主人公は彼氏の味方をして「警官なんだから話せないこともある」と丁寧にヒロインを諭して一旦納得。と思ったら、その後すぐに、彼氏に向かって「何で隠し事するの?言わないと別れるわよ」と言い放つ。

私は思わず「はぁ?」と声に出してしまいました。主人公がちゃんと説明したのに。

うわー、イライライライラ…。

「何で私に隠し事をするの?」「私を守りたかった?隠し事を知っていた方が安全だと思わなかった?」

どうやらヒロインは隠し事や嘘が絶対に悪で、自分のことは自分で守れると考えているようです。ドラマを見ている限り、ヒロインも嘘をつくし、自分で身を守れるとは全く思えません。

このすぐに後に「フラッシュ、何とかして。パパを助けて」と怒って命令します。「おまえが何とかしろ」と言いたくなります。口だけで何もしない(できない)のに作戦室である研究所にいて偉そうにしています。シナリオライターが高橋留美子のマンガ「犬夜叉」などを参考にしたのか疑いたくなります。

さらにイライラさせられるのは、ドラマの中ではそのヒロインが正しかったという流れのストーリーになります。…何で?

このドラマはヒロインが身勝手すぎて本当にイライラします。このヒロインさえいなければもっと楽しく見ていられるのに…。

申し訳ないのですが、ヒロインが主人公を責め立てる度に私は「うるさいなー」、危険な目に合う度に「そのまま死んでくれー」と思ってしまっています。

でもこのヒロインのおかげで、登場する他の女性たちがとても優しく見えます。主人公には他の女性とくっついて欲しいのですが…。

父親との関係は癒やし

主人公を引き取って育ててくれた義父と主人公は仲が良く、見ていて安心できます。何でも話せる父親として登場しています。恋愛のことも話していて、親子の関係としてはかなり珍しい気がします。

本当の父親は無実の罪で刑務所にいますが、その父親とも仲が良い。

ヒロインにはイライラとさせられますが、父親たちは優しい。このドラマの癒やし要素です。

Season 2 はさらに面白くなる

Season 2 は Season 1 よりも面白かったです。

Season 1 の最後でタイムトラベルの話が出ますが、Season 2 ではそれに関連した話で始まります。

ネタバレというか、まぁ見始めてすぐに分かることなので書いて良いと思いますが、パラレルワールドと繋がってしまうのです。

ヒーローもののアクションドラマというより、かなりSF寄りの科学ドラマになります。繋がってしまったパラレルワールドへの対処をどうするのかという話になり、ヒーローものとして人助けに重きを置いていた Season 1 よりも面白かったです。

パラレルワールドにもフラッシュがいるのです。多世界解釈論がどうのこうのという話で、SF好きは大好きな話でしょう。当然タイムパラドックスにも触れられていきます。

タイムトラベルもののストーリーになっていきます。

Season 2 もツッコみどころ満載

上であまり設定にツッコまない方が良いと書いたのは分かっているのですが、Season 2 に思いっきりツッコみたいです。

Season 2 の最初で研究所の仲間が「スターラボのセキュリティを向上させたの。これで前より安全になったわ」と言っていたのですが、侵入者がバンバン入ってきます。まるで扉が開いている家です。普通の警官まで勝手に入ってきて仲間が撃たれます。どうなっているんだろう?

「スターラボの扉を無くしたの。これで誰でも入ってこれるわ」の間違いでしょうか。

あと、周りにメタヒューマン(能力者)が増え、毎日のように事件が起きて緊急ニュースとしても報道されているのに、みんな普段通りに生活しています。歩いていると殺されるのに。この街に引っ越して来る人もいます。意味が分かりません。何で逃げないんでしょう?

主人公達が敵を殺さないようにしているのもかなり違和感があります。殺さないから問題が起きる場面をたくさん経験してきているのに、殺しません。どんなに憎んでいても殺さない姿勢は人間の感情として無理があるように感じます。

ヒロインが嫌いになりすぎて Season 3 の最初でギブアップ

あまりネタバレを書いてもいけませんが、Season 2 では主人公に新しい恋人ができます。これは凄く嬉しかったです。新しい恋人は性格の良さそうにみえる美人です。

これによって、Season 2 ではヒロインのアイリスが最初の数話以降あまり登場しなくなっていきます。最高!

Season 1 ではヒロインに本当にイライラさせられてしまいました。それ以降、顔を見る度にイライラしてしまいます。何も話していなくても顔だけでイラッとするようになってしまいました。

新恋人ができたのは良いのですが、このドラマは一貫して「嘘は悪」という価値観が続いています。新恋人が嘘をついてフラッシュの正体を確かめるシーンは最悪。人に嘘をつくのは良くないと言いながら、自分は嘘をついて良いのです。

このドラマは一貫して「(自分ではなく)人が嘘をつくのは許さない」のです。もの凄くアホらしい価値観です。

Season 2 の最後でヒロインは主人公の恋人になろうとしてきます。ストーリー上、ヒロインと主人公がくっつくのは確定しています。のび太君としずかちゃんのように。ヒロインが殺されたりしていなくなることはないでしょう。

ヒロインの顔がほんのちょっと映っただけでもイラッ☆とするようになってしまい、Season 3 の序盤で続きを見るのを断念しました。

Season 3 のストーリーは面白くなりそうだったのですが、ストーリーへの興味よりもヒロインを見たくない気持ちが勝りました。

ヒロインを嫌いになるというのはなかなかない体験ですが、もう本当に無理です。

ヒロインだからなのか、主人公達の基地である研究所に、いる意味がないのにいます。これによって必ずちらっと顔が映ってしゃべるようになっているのです。そういう契約?

ヒロインのできることは声で主人公を励ましたり、責めたりすることだけ。Season 3 の最初までは顔を見ないようにしたりして耐えましたが、主人公とのキスシーンが連続するようになってきてギブアップ。

恋愛要素がもっと薄ければ良かったのに。それかもっと性格の良いヒロインだったらなぁ…。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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