演技が気になってストーリーに入り込めない。コメントを見ながら楽しむ『24 JAPAN(前半)』レビュー
みんな「24 JAPAN」見てる?
現在24話中の10話まで放送されました。
人気だったドラマ「24 -TWENTY FOUR-」を日本でリメイクしたドラマ「24 JAPAN」。オリジナルの「24」は私はちらっとしか見ていないので、リメイクして綺麗な映像で見られるなら有り難いなと思って見始めました。
私は Abema TV で見ています。夜遅くから放送が始まるので時間が合わず見辛いのですが、よく数話一気に再放送をしてくれるので助かります。

目次
演技が気になって仕方ない…でもAbemaなら
私は日本のドラマとか映画とかをほとんど観ないのですが(日本のホラー映画は好きです)、それは演技と普通ではあり得ない言葉を使った会話が気になるからです。だからそれが気にならない海外ドラマを観てしまうわけです。
「24 JAPAN」は日本では有名な役者の方々が演じているのですが、それでも私は演技が気になってしまいます。
特に主人公「獅堂現馬」役の唐沢寿明さんの演技がとても気になります。唐突に相手に襲いかかったと周りに思わせて小声でやりとりしたり、こっそりとカードキーを渡したりする場面があるのですが、本当に変に大げさ。普通なら周りが変だぞと気付いてしまいます。
唐沢寿明さんが走るシーンなんて脚が上がっていなくて、体の硬さがよく分かります。階段を駆け下りるのも辛そうでした。「大丈夫かな、足を踏み外したら怪我しちゃうよ」と心配しながら見ています。
体力が無さそうに見えるので、たぶん走った後や階段を駆け下りた後に一旦撮影の休憩が入っていますね、これは。そうしないとぜーはーぜーはーとなって演技どころではなくなってしまいます。運動不足の自分を見ているようです。
彼の年のせいでしょうか。体が硬いから演技が大げさに見えるのかもしれません。
有名だからと言って演技がうまいわけではないのだと再確認してしまいました。
主人公が有能な捜査官に見えないのが致命的です。あ、そもそもの設定が有能な捜査官ではないのかも? 今のところ犯人に振り回されているだけで、主人公に「おおっ」となる見せ場がないし。
台詞も舌が回っていないところがあります。「あさくら・うらら」と言わなければならないのですが「あさく・らうら」と聞こえたり。この台詞のシーンがCMで使われているので何回も耳にします。何で録音し直さなかったんだろう。
周りの人も演技が気になります。
「あ、この人はうまいかも」「うーん、演技が…」
このドラマはストーリーそっちのけで役者の演技がうまいかどうかを見てしまいます。
Abema でコメントを表示しながら観ているとやっぱりみんなも演技が気になっているようで、ストーリーよりも演技のコメントが多い。「唐沢寿明に走らせるな」「この人うまい」「すぐキレるな」とか。
私は一人でこのドラマを観ていたとしたらすぐに観るのをやめていたと思いますが、Abema でコメントを見ながら観ていると意外と観れます。
飽きやすい人には Abema で観るのをお勧めしたいです。
「24 JAPAN」は
Abemaプレミアムに入ると好きなときに観ることができます。
ちなみに私が演技や話し方が気にならない人は、CTUにいるヒゲの男性「南条巧」役の池内博之さん。大げさな演技をしないので安心できます。顔も世界観にマッチしていて浮いていません。
あと #9 で主人公がCTU本部の人たちから逃げるときに、車にムリヤリ乗せてもらった運転手の女性もうまい。「磯部」という役名。
主人公はこの女性を銃で脅しているのに、座って一息ついたら主人公が居眠りしてしまうというギャグシーンで有名な場面の女性です。このドラマの中では演技がうまく、メインキャストたちを食っています。
この女性の情報が公式サイトにも全然載っていません。ちょい役だとこんな扱い。
彼女と比べ、#10 あたりから登場するようになる女性の新班長、小畑緑子(霧島れいか)がものすごい棒読みで凄すぎです。
いや本当に感動するぐらいの棒読みです。#12 で棒読みが炸裂します。
えっ、どうなっているの? わざと? おそらく「冷徹な女」を表現したいのだと想像しますが…。演出の担当者もこの表現でOKだと判断したという驚きが。もしかして演技を変えて欲しいと言えないのかな?
日本のドラマはこぢんまりとしている
あまりお金が掛けられないからか分かりませんが、日本のドラマ・映画はたいてい撮影のスケールが小さい。
「24 JAPAN」もどこかの部屋とか山奥で撮影した映像ばかりです。人がたくさんいる街中のシーンはありません。どうしてもリアリティに欠けてチープに見えます。映像を合成する手もあると思うのですが、そこまで手を掛けられないみたいです。
主人公がCTU本部に連行されそうになる場面は本当に笑えます。普通なら行かない工場の敷地をわざわざ通るのです。パイプとバルブがある場所を通って連行され、その道中で主人公がバルブを開けて白いガスをCTUの人に浴びせて逃げ出します。
有り得なさ過ぎて視聴者からのツッコミ待ちです。もっと普通に連行すれば良いのに…。意味が分からない場面です。もっと良い撮影場所があると思いますが、何かハードルがあって難しいのでしょうか。
実を言うと私はCTUの部屋でさえちょっとチープに見えています。全体を映さないようにしていると思いますが、かなり狭いです。
小物も「撮影の為に置いています感」があります。不要なものはほとんど置いてありません。整然としすぎていて作られた空間ということが分かってしまいます。
チープな中で頑張っているなぁとは思います。でも視聴者に撮影の裏側を感じさせないようにして欲しい。ドラマに入り込めません。
本編終了後のエピソードは日本のオリジナルで見所
「24 JAPAN」は「24」の内容をあまり変えさせてくれなかったようで、基本的にはオリジナルを忠実に日本で再現しています。
でも毎回本編終了後にある補足エピソードは日本のオリジナル。地上波では放送されていないようで、Abema などのネット上の配信だと見ることができます。
この本編終了後のエピソードはたぶんスタッフの気合いが入っていることでしょう。既存のものを再現する必要が無く、ある程度自由に作れて楽しいはず。日本版を作っているスタッフとしてはこちらが本編という扱いかもしれません。
オリジナルの再現でも時代に合わせてアップデートが必要
スマートフォンの通話の逆探知に数十分かかるとか、テクノロジーが時代と合っていないところが気になります。あらゆるアクセスにカードキーを使っているのも古くさい。
「24 -TWENTY FOUR-」のSeason1は2001年のドラマ。その頃から比べると情報技術も捜査の技術も進歩しているはずです。海外ドラマの「NCIS」を見ていると証拠は科学捜査とハッキングですぐに見つけられています。
これはさすがに簡単に解析できすぎているという指摘もあるでしょうけど、「24」は科学捜査ができる人がいないのがもどかしい。いるのは暗号解析班だけなので、ハッキングスキルを駆使して街の監視カメラにアクセスして人質を見つけるとかができません。
地道な捜査が重要だというなら「BOSCH / ボッシュ」の方が丁寧で面白いです。「24」は24時間で問題を解決しなければいけないので地道な捜査などないのですが。科学の力無しには捜査の時間を短縮することができません。

Abemaでダラダラみるドラマかな
「24 JAPAN」は登場人物達の演技が気になるし、行動が突拍子もないし、何かあるとすぐに怒るし、ストーリーを真面目に見るドラマではなくて、コメントでわいわいツッコミながら見るのが丁度良い。
車を走らせる前に必ずシートベルトをするところはツッコミどころです。急いでいるのにアホすぎます。
コメント(チャット)ありきで考えると、「24 JAPAN」はツッコミどころを提供してくれるので良いドラマなのかもしれません。
Abemaで放送されているアニメの「美味しんぼ」もコメントがあるとより楽しいです。歌子さんの棒読みの台詞の時は「ナゼナノー」というコメントが溢れたり、京極さんの台詞に反応して「アモーテ・A・カオリヤ」というコメントには笑ってしまいました。
一人で黙々とテレビ(映像)を見るという時代ではないのかもしれません。Amazon の Prime Video もウォッチパーティーを始めましたし。
ちなみにオリジナルの「24 -TWENTY FOUR-」は Amazonのプライム会員なら Prime Video で無料で観られます。

「24 JAPAN」は
Abemaプレミアムに入ると好きなときに観ることができます。