何だかんだで楽しめた『24 JAPAN』。面白かったシーンを振り返る。最大の謎、車を降りて「ちょっと見てくる」『24 JAPAN(後半)』レビュー
「24 JAPAN」がついに完結。何だかんだで楽しかったです。
前半は演技や脚本などにツッコみどころが多くて楽しかったですし、後半はその演技や脚本に慣れてきて期待値が下がり、「まぁ 24 JAPAN なら仕方ない」と諦めと親近感を持って楽しめました。
私は前半の方が演技がぎこちなくて好きです。前半の感想はこちらに書いてあります。

「24 JAPAN」は
Abemaプレミアムに入ると好きなときに観ることができます。
目次
細かな事は辻褄が合わなくてもストーリーは終わる
「24」は24時間での話なので、展開が強引で整合性がとれなくなっても、ストーリーが終わる方が早いという構成上の逃げ道があります。
例えば、誰かを殺してそのまま放置しても、実際にその死体が見つかるまでは時間があるわけです。24時間のストーリーが終わるまでにその死体が問題にならなければOKなのです。死体が明日に問題になるなら「24」の劇中では描かなくていい。
なので登場人物は結構色々と問題行動を起こします。主人公は自身が所属するCTU(テロ対策ユニット)の建物から出られないように閉鎖された時に監視員を殴って外に出たり、上司に麻酔銃を撃って眠らせたり。
上司に麻酔銃を撃ち込むのは酷いです。主人公は頭がどうかしていると思いますが、突拍子もない行動で笑わせてくれました。その上司は後で「麻酔銃の件は気にしてない」と言っていたので優しいです。
麻酔銃の麻酔って数時間ですっきり体から消えるのでしょうか。ゲームの「メタルギアソリッド」では5分ぐらいで元通りに動けるようになっていますが。
他にも、飛行機を爆破させた女性のテロリストは犯人グループに何か仕事を頼まれたのですがすぐに登場しなくなりますし、主人公の娘の友達は殺されたのですがそのまま一切ストーリーで触れられなくなります。
主人公の上司の本部長さんも序盤で撃たれて死にますが、死んでそのままストーリーとの関わりは終わりです。
ヤクザの組長を殺したビクター林は組員からの報復があるはずですが、報復については描かれませんでした。組員の目の前で組長が殺されたのですが…。
「24」は良いシステムを作りましたね。整合性が取れず、投げっぱなしでもストーリーは終われます。
「24 JAPAN」最大の謎、車を降りて「ちょっと見てくる」
展開が雑な「24 JAPAN」ですが私が一番謎だったシーンは、#17 で主人公の妻と娘が神林との戦闘の末に助けられた後、匿われている一軒家に犯人が乗り込んできて、妻が娘と一緒に車で逃げるシーン。
この時、妻は山道(と言ってもしっかり舗装されている道路)で車を止めて、何故か「ちょっと見てくる」と言って車を降ります。
意味が分かりません。台風の時の田んぼじゃないんだから。何を見てくるのでしょう?(下で答えを書きます)
車には娘が乗っているのですが、妻はサイドブレーキを掛け忘れたので車が動き出して山の斜面を滑り落ちてしまいます。何故かそのまま車は爆発。なんで突然爆発したのか分かりません。木にぶつかっても爆発するほどの速度は出ていないです。
そして妻はその爆発を見て叫び、気絶して記憶喪失に。
この一連のシーンは意味不明で笑ってしまいました。
これ、実のところ「24 JAPAN」最大の謎ではないでしょうか。序盤に起きるカードキーのあれこれやCTU内部の不自然なアクセス履歴とかは劇中では原因が解明されずそのまま放っておかれますが、これらは「内通者がいたから」とムリヤリでも説明ができます。
しかしこのシーンは「内通者がいたから」では説明ができません。
- 妻は後ろから車で犯人が追いかけて来ているのに何故か車を止めた
- 娘は何故か「(追いかけてきている敵を)うまく巻けたみたい」と言う。確かにすぐ後ろにはいないが…
- もし犯人が来たら車に乗っていた方が安全なのに、妻は何故か車から降りた
- 「ちょっと見てくる」と言って歩いて何かを見に行くが、車に乗ったまま見に行っても良かった
- 車が坂で山の斜面を滑り落ちるのは良いが、何故か車が突然爆発した(これは内通者がいたから、犯人が事前に車に何かしたから、とムリヤリな説明は可能)
- 突然の記憶喪失。娘を助けに行かなければならない緊急事態なのに、気絶して記憶喪失になるのだろうか。爆発で瞬時に娘が死んだと判断した?
本当に謎が多いシーンです。ムリヤリな説明すらできません。
脚本的には「どうにかして母と娘を引き離したかった」のでしょう。引き離すためにまた襲われるのもなぁと考えたのかもしれません。
特に娘は襲われるシーンが24時間の間に何度もありますので、視聴者が「またかよ」と気付いてしまいます。
そこで「アクシデントを起こして、記憶喪失にしてしまえば良いんだ」とひらめいたのでしょう。さすがです。私には思い付きません。
「24」は妻と娘がある程度バカな行動をしてくれないとうまく話が進みません。海外のドラマは「バカ」がストーリーの起因になっているものが多いです。
何を「ちょっと見てくる」のかの答え
再放送を何度か見て、妻の「ちょっと見てくる」は何を見に行ったのか分かりました。
車を降りる前の映像に数秒だけ、不自然に置いてある「この先 500m 通行止め」「工事中」の看板が奥に映るのです。言葉ではなく映像で説明してあるタイプですね。
おそらくですが、妻はこの看板を見て行き止まりだと思って車を止めたのでしょう。(行き止まりになっている山道に入り込んでしまったという危機感はありません。)
そして娘の「うまく巻けたみたい」という言葉を受け、少しなら降りてその通行止めの状況を見ても大丈夫かなと思った。人がほとんど来ない場所のようで、既に終わった工事の看板が出ている可能性もあり、本当に通行止めか確かめたくなった。一応これで妻の行動の理由が説明可能です。
…しかし公式サイトを見るとこの解釈は間違っているようです。
「追っ手の様子をうかがおうと車外に出た」と書かれています。通行止めは関係なくて、本当に何も考えず素直に映像を見たままが正解でした。
となると本当に意味不明行動でした、ということになります。
車を止めて降りた理由が通行止めだと考えるとすっきりするのですが、車を止めて追っ手の様子を伺おうとしたなんて理解ができません。車に乗ったままとにかく犯人から離れたいというのが普通の心理ではないでしょうか。
サイドブレーキを引かなかったのは、妻は実は車の免許を取得していない説でムリヤリに説明がつきます。サイドブレーキの知識が無いのではないでしょうか。
妻は第1話から娘がいた場所へも車の助手席に乗せてもらっていて、自分では運転をしていません。
もし妻が車の免許を取得していないなら、その事実を映像で描いた方が良かったですね。犯人から逃げる時のシーンで、車に乗って発進するときに一回エンストしてしまうとか。
オートマ車ならキーを回してアクセルを踏めば動きますので、動かすこと自体は免許がなくても何とかなります。
いやでも日本の事情として、車の発進時に必ずシートベルトをする件もありますし、ドラマの上だとしても道路交通法に従っているため、無免許で運転ができない。そう考えると無免許説は有り得ませんね。
となると、サイドブレーキは焦っていて忘れた、というのが素直な解釈でたぶん正解です。
Abemaで面白かったコメント
以前も書きましたが私はこのドラマを Abema(Abema TV)で観ました。このドラマはツッコみどころが多くてネタを提供してくれるので、コメントを表示しながら観るのは楽しかったです。
特に面白かったコメントを紹介します。
「24 JAPAN」は
Abemaプレミアムに入ると好きなときに観ることができます。
唐沢寿明の力弱いパンチ
#11 で主人公がテッド福井の運転手を装って彼に近づき尋問するシーン。「何故妻と娘を襲った」と問い詰めるのですが、その時に唐沢寿明はテッド福井の顔を右手で一度パンチします。
そのパンチは力弱く、腕を伸ばしてから体を近づけていくようなパンチです。
この時のコメントは
ねこぱーんち!
うまい表現。柔らかそう。猫パンチの方が素速いですが。
嫌われるゆうた
#14 で総理候補の朝倉麗(あさくら・うらら)の息子の夕太(ゆうた)が、自分のカウンセラーが死んでしまったのを知り、母親に向かって「事実を公表するために警察に行きたい、ママは何もしてくれなかった」と涙と鼻水を流しながら訴えるシーンがあります。「24 JAPAN」の中では一番と言って良いほど熱の入ったシーン。
私は「おっ、頑張ってるね」と思って見ていたのですが、コメントでは
ゆうた演技派かよ
これには笑ってしまいました。全体的に棒読み感のある「24 JAPAN」では熱の入った演技をしてしまうと浮いてしまうようです。
コメントを見ていると、ゆうた君を嫌いな人が多い様子。まぁ確かに演技がちょっと暑苦しく、目を見開いているように見え、薬物をやっているか、ストーカー気質っぽく映っています。
ゆうた君には逃げ場がありません。下手な演技を見せるとツッコまれますし、逆に熱が入ってもツッコまれる。彼は一体どうしたら良いんだ…。
ホイールから外れたはずのタイヤが…
主人公が犯人グループのアジトに行き、妻と娘を助け出します。そしてケンも一緒に車で逃げるのですが、犯人グループの神林達に追われます。
神林は主人公達が乗る車のタイヤを銃で撃ち、タイヤをパンクさせます。ホイールからタイヤが外れます。主人公は車の制御が難しくなり車を止めます。
ここでコメントで指摘が入ります。
タイヤ戻ってるやん
再放送で見返すと、タイヤが撃たれてホイールから外れた映像が映り、次のカットでは何事もなかったように普通のタイヤに戻っています。よく気付きましたね。
このシーンは私は主人公の獅童現馬(コメントでは現場/指導と言われています)が、車を止めた後に車から降りる方向がまずいと思って見ていました。
獅童は運転席側からドアを開けてそのまま車を降りるのですが、その方向は犯人グループが銃を撃って来ている方向です。
無防備になる時間が長すぎます。運転席側から降りて車の助手席側に回り込んで隠れるのは動きとして無理があります。弾が1発ぐらい体に当たるなら許容できるのですが。
車の爆発に合わせてみんなでズッコケ
上の続きの場面ですが、妻と娘とケンと一緒に犯人グループから車で逃げてきて、敵に囲まれてしまった主人公は乗ってきた車を爆破させます。
車のタンクにナイフを差し込み、ガソリンを流す。次のカットで犯人グループのリーダーの神林が、何故か撃ち方やめのポーズをします。
嬉しいことに何故か敵が撃つのをやめたので、車に隠れていた主人公とケンは堂々と車から身を出して移動します。神林から見えているはずです。神林達には大チャンスなのに何で撃たないんだろう?
脚本上はこの移動は神林達から見えていないようです。視聴者は、獅童とケンの移動は実際なら犯人から見えているけど、ドラマ上は見えていないんだな、と解釈してドラマを見る必要があります。笑えます。
そして車から離れた主人公は流したガソリンを撃って車を爆発させます。このシーンはコメントが盛り上がります。
犯人グループたちは爆発する車にそれほど近くないので、次のシーンために銃を撃たずにじりじりと車に近寄り、爆発に合わせてズッコケるのです。
ズコー
ドリフかよww
新喜劇か
テロ対策のプロ達が次々とやられていく
主人公の妻と娘が助かった後、どこぞの一軒家でCTUに匿われます。そこにも犯人グループが乗り込んでくるのですが、犯人グループ側はたった2人です。CTUは少なくとも5人ぐらいはいるでしょう。
その犯人2人に家の外の警備員たち、監視カメラのチェック役、妻と娘に事情聴取しているCTU職員が次々と殺されていきます。
犯人の襲撃に気付き、妻と娘を部屋に匿ったCTUの職員は犯人の一人に向かって「手を上げろ」「こっち向け」と叫んでいる間にもう一人の犯人に刺されます。テロ対策ユニット(CTU)って何だっけと考えてしまいます。
犯人によって次々と鮮やかにテロ対策のプロ達がやられていく様子に
CTUザッコwwwwww
とコメントが。これは仕方がない。「ザッコ」という言い方が軽妙で良いですね。
脚本に好意的に解釈するならCTUに内通者がいたから配置がバレていてさくっとやられてしまった、ですね。
好きなシーン・印象的なシーン
好きなシーンや印象的で記憶に残っているシーンを書きます。
唐沢寿明の呂律とアクション
主人公の唐沢寿明が党首の名前「あさくら・うらら」をしっかり言えないシーン。いつも発音しにくそうに名前を言っています。他にも呂律が回っていない場面が多く、癖になります。
舌が回らないのはドラマ後半は同情的に見るようになりました。撮影したときに寒かったのかなと。寒いと私もうまく口が動きません。
唐沢寿明さんは外にいるシーンでは鼻や耳まで赤くなっている時があります。犯人たちのリーダーの神林も耳が赤くなっている場面があり、寒いようです。
呂律は佐野史郎さんも怪しかったです。一回「ぞーーーん」と言って欲しかった。
呂律が回っていないシーンは録音をし直せば良いと思うのですが、難しいのでしょうか。
唐沢寿明が危なっかしく階段を駆け下りるシーンも良かった。頑張って早く降りようとしているのですが、そんなに速くないです。
「足を踏み外すと危ないから気をつけて」と応援しながら見ていました。走るときに脚が上がっていないシーンも親近感が湧きます。
総理候補の党首にとっての100万円は…
党首の朝倉麗が駐車場で荒くれ者に「100万円をくれ」と言われたとき、「100万円を稼ぐのがどれだけ大変か分かってるの?」と言い返すシーン。
日本の首相となる前の菅義偉は官房機密費(内閣官房報償費)を毎年約10億円、何かに使っていました。1日に300万円ちょっとという計算です。
官房機密費1日307万円使い続けた菅氏 後年公表の仕組みを | | 小池晃 | 毎日新聞「政治プレミア」
内閣官房報償費(官房機密費)の「政策推進費」は、領収書を必要とせず、官房長官の判断で支出できるブラックボックスのお金だ。赤旗が情報公開で手に入れた文書によると、菅義偉首相が官房長官在任中の2822日間に支出した総額は86億8000万円に上る。
これは1日当たり平均307万円を使い続けていたという途方もない額だ。政府には一定程度、機密性が高いお金は必要だと思うが、全くチェックされずにこの金額が支出されているというのは許されない。国家財政が厳しいなどと言っているさなかに、いつまで高額な使途不明金の支出を放置しておくのか。
8時間毎に100万円を使っていますから、寝ている時間で100万円使っています。「100万円を稼ぐのがどれだけ大変か分かってるの?」は日本の権力者の実情と違いすぎます。一回寝るだけで100万円稼げます。
要求を「1億円くれ」にした方が良かったですね。総理になるのですから1億円でも簡単に払えると思いますが。それか「たった100万円だけでいいの?」と返すのが政権が腐敗した日本の実情に合っています。
小畑緑子(霧島れいか)も登場しなくなると寂しい
獅童現馬の代わりに班長代理として来た女性、小畑緑子の棒読みは癖になります。前半のレビューでも書いたのですが、棒読みはたぶん冷徹な女を表現したかったのでしょう。
「冷徹である」を「感情がない」演技表現にしてしまいました。でも演出家もこれでOKしたわけですし、このドラマではこれで問題ないのでしょう。
「チョウカイショブンにして、クビネ!」
この新班長も早々にいなくなってしまいますが、いなくなるとあの棒読みが恋しくなります。
「スナイパーライフルだ。精度が高い」
テロの実行グループのリーダー神林と銃撃戦になったときの主人公の台詞「スナイパーライフルだ」も面白いです。
獅童は妻と娘と一緒に岩陰に隠れます。獅童は岩から木の枝を敵にチラ見せすると、その木の枝が敵に撃たれ「スナイパーライフルだ。精度が高い」と言います。
まぁここまでは問題ないです。精度が高かったからスナイパーライフルだと判断してもおかしくありません。
しかし神林を見つけてみると、使っているのはアサルトライフルです。スコープも付いていません。脇を締めて単発で撃っているだけ。
しかも神林の弾が当たったのはチラ見せした木の枝だけ。スナイパーライフルだと思わせるほど精度の高い射撃を行えるはずなのに、その後の銃撃戦では獅童の体のどこにも当たりません。
上の写真のライフルに似ているものを調べてみると、おそらく「AK-74M (Wikipedia)」か「AK-101 (Wikipedia)」あたりです。神林の銃の構え方はカッコいいです。
神林との銃撃戦で、獅童が割れ落ちていた鏡を拾い、神林の顔に光を反射させて「うぉっ、まぶし」のシーンも意味不明で好きです。
神林は戦闘訓練を受けたことがないのでしょう。光でまぶしいなら一度身を隠せば良いのに、獅童が反射させている光に当たり続け、獅童に撃たれます。
かつて「うぉっ、まぶし」で有名だったアニメのシーンと同様に、何だこれ、というシーン。
女性の選対スタッフがアレクシスにもらったプレゼントを見せるが…
女性の選対スタッフが、自分がホテルで会っていた男が犯人グループの一人だと分かって、CTUに説明しに行くシーン。
彼女はアレクシスから100万円ぐらいするプレゼントを貰ったと言って、獅童と上司の佐野史郎に左手首を見せるのですが、見せた左手首には腕時計とブレスレットの2つのアクセサリーがあります。
視聴者はどちらが価格の高いプレゼントなのか分かりません。撮り方、見せ方が悪いシーンです。本編終了後の日本オリジナルエピソードでブレスレットをプレゼントに貰ったときのシーンが描かれ、そこでやっと高いのがブレスレットだったと分かります。
説明不足で煩わしいので、台詞を変えて「このブレスレットを貰ったの」と言って獅童たちに左手首を見せるか、ブレスレットを映像のメインになるように強調させて映すと分かりやすかったです。
映像の映し方が悪いというシーンは他にもあります。テロリストがビクター林を助ける際にトップ二人がどちらの命令に従うのかと内部でいざこざを起こしたシーンで、部下たちは争いを始めた二人へ銃を向けるのですが、銃を二人の内どちらに向けたのか映像からは分かりません。
妻が車を降りて「ちょっと見てくる」
上で書いた、主人公の妻と娘が一緒に犯人から車で逃げ、山道で止まり、車を降りて「ちょっと見てくる」シーンも好きです。
母「ちょっと見てくる」→娘「えっ?」→ 娘が乗った車が爆発。
このシーンは「24 JAPAN」の中で一番意外性があって面白いシーンです。
どきどきキャンプ岸の登場シーンでほのぼの
ジャックバウアーのモノマネで有名な、どきどきキャンプの岸さんが登場するシーンはほのぼのしていて良かったです。
「本当にすまないと思っている」のモノマネをするのはそっちか、という意外性のあるシーン。
電話で優しいですね、と言われて足取り軽やかに歩いて行くシーンも良かったです。
ビクター林は監視カメラがお好き
公には秘密の施設に収監されている、実は生きていたビクター林が監視カメラをずっと見て主人公に顔見せをしてくれるシーンも面白かったです。監視カメラを見続ける意味が分かりません。
ラストは少し変えたらしい
「24 JAPAN」のラストはオリジナルと少し変えたようです。
テレ朝POST » 『24 JAPAN』ついに最終回!唐沢寿明、オリジナル版と少し異なるラストに自信
... 唐沢も放送スタート前から力説してきたが、「家族の絆」こそが『24 JAPAN』最大のテーマ。劇中でも家族のことを思う心情が丁寧かつ繊細に描かれている。
「今回、『家族の絆』がより強く浮き彫りになっていると思います。娘を助けたい、奥さんを助けたいーーそういった感情が“にじみ出てくる”感じがあるんです。オリジナル版はもっとクールで堂々とした感じがあったので。電話で家族と話すだけのシーンでも、違いがあると思います」と、家族を軸とした芝居への思い入れを明す唐沢。
そんな家族の物語の終着地点ともなる『24 JAPAN』最終回のラストシーンでは、日本版ならではの「驚きの結末」が用意されている。
この結末を受け、唐沢も「オリジナル版のラストを見たとき、『何なんだ、この終わり方は!』と衝撃を受けたんですよ。ああいった『観客を驚かせる演出』は、ドラマにおいて必要なこと。『24 JAPAN』のラストはオリジナル版とはまた少し違うけれど、これもまた『驚かせる』という点ではアリだと思いました」と、期待を煽る。
私のように「24」オリジナルを見る気はしないけど気にはなる人は、シーズン1を3分にまとめたダイジェスト版が Prime Video で無料公開されています。これを見るとほとんど同じだったと分かります。
男性の黒人大統領が日本版では女性総理大臣になっているのが一番大きな違いかもしれませんが、それはストーリーの変更ではないです。
Prime Videoでオリジナルのラストだけをちらっと見てみましたが、かなり似ています。大きな変更がありません。
ラストだけを見てもオリジナルは緊迫感があります。「24 JAPAN」は緊張感、焦燥感がないのがよく分かります。
銃を撃つべきところで撃たないのが不思議だったのですが、これは「24 JAPAN」で変えられていたのですね。
最後、水石チーフを獅童が止めに来るところで、なんでお互いに運転席から銃を撃たないのかと思っていました。オリジナルは思いっきり撃っています。逃げる側は捕まりたくないのでこれが普通だと思います。
日本版は水石チーフが逃げるのをすぐに諦めています。獅童の車が横から入り込んできた時にもう諦めていて違和感がありました。
演技の問題はあるかと思いますが、たぶん予算の都合が大きいかと思います。車のガラスを割るのはお金がかかります。
そういう場合は CG にしてしまうのが良さそうに思いますが、「24 JAPAN」は CG をあまり使いたがらないんですよね。その予算もないか、CG を使わない方が映像として優れていると考えているかのどちらかでしょう。
テッド福井が車の後部座席から運転席にいる獅童を撃ったシーンで、その間にある防弾ガラスに弾痕が刻まれますが、こんな感じのものを車のフロントウィンドウに作れれば何とかなりそうです。
シーズン2はあるのだろうか?
「24 JAPAN」は脚本や演出は雑というかツッコみどころが多くて、一人で真面目に観るとがっかりするドラマだと思いますが、Abema でコメントを表示しながらみんなで見ると楽しいドラマでした。
何だかんだで私は各話3回は観ています。ながら見ですが。癖になります。
有名な俳優たちがおかしな脚本・演出を真面目に演じてくれるのが楽しい。おかしな演技もツッコむ方は面白いです。ドラマ後半は全体的に演技が安定してきてしまいました。
シーズン2も是非やって欲しい。シーズン2もやって欲しいので脚本が変だとか、演技が棒だとかはあまり言わない方が良いのでしょうか。
でも「24 JAPAN」はツッコミを入れながら見るドラマとして地位を確立した方が良いような気もします。
ただシーズン2となると、唐沢寿明さんの体が心配です。シーズン2から主役が変わるとさすがに気になりますし…。日本版の「24」はちょっとどんくさい主人公が頑張るドラマにしてしまうのも面白そう。オリジナルの方から怒られますかね?
ラストを少し変えたのをマイナス方向に捉えると、シーズン2をやらないからオリジナルから変えた、とも考えられます。
しかし、オリジナルのラストを見てみたところそれほど大きな変更ではなく、オリジナルの方との契約もありますし、これはシーズン2とは関係ないでしょう。
まだ終わったばかりですし、シーズン2はどうしようかと協議している段階だと思います。人気があればシーズン2も作るかと思いますが、視聴率とかSNSでの話題性は経営陣の満足がいくものだったのでしょうか。
BGM も良かったです。単純なメロディの繰り返しが多いですが耳に残り、口ずさみやすく、主張しすぎずうるさくない。カッコイイ気もする。BGM としては成功です。
シーズン2を楽しみにしています。
「24 JAPAN」は Abemaプレミアムに入ると好きなときに観ることができます。
オリジナルの「24 -TWENTY FOUR-」は Amazonのプライム会員なら Prime Video で無料で観られます。プライム会員は30日間の無料体験があります。