『audio-technica ATH-M70X』レビュー - この音が欲しかったんだ。圧倒的な解像感
密閉型のヘッドフォン・イヤホンで良いものを探しているところですが、この前レビューした「SONY MDR-CD900ST」と「SHURE SE215 Special Edition」は1万円台という価格帯です。
この価格帯では私はもう満足できないのかもしれない考え、もう少し高い密閉型のヘッドフォンを買うことにしました。


開封するとしっかりとした持ち運び用のケースに収納されていました。
「audio-technica ATH-M70X」。オーディオテクニカのとても有名なモニターヘッドフォンです。
アメリカのアマゾンでは、日本ではかなり売れている「SONY MDR-CD900ST」よりも遥かに人気があります。
目次
この音が欲しかったんだ
これで聴いた途端、「ああ、これこれ…。この音が欲しかったんだ…」。
高音も綺麗で透き通っていて、低音も十分。音が分離していて聴きやすい。音の空間・定位もしっかりしていて、音の位置が分かります。
「audio-technica ATH-M70X」の開放型版である「audio-technica ATH-R70X」の音と似ています。(私は開放型のヘッドフォンは「ATH-R70X」を使っています。)
「ATH-M70X」は密閉型ですが、音の透明感・解像感は開放型に近いです。密閉型なのにこれほどの透明感が出せるとは…。
同じ密閉型でモニターヘッドフォンですが「SONY MDR-CD900ST」とは圧倒的な差があります。「audio-technica ATH-M70X」を聴いた後は「SONY MDR-CD900ST」には戻れません。本当に圧倒的に違います。
「ATH-M70X」の2つ下のランクである「ATH-M50x」の方が価格がこなれていて売れているのですが、日本とアメリカでのレビューを読んだところ、少し高い「ATH-M70X」の方がさすがに音が繊細で綺麗に聞こえるとのこと。
ちょっと高いけれど買ってしまえーと買ってしまいました。
ちなみに製品名にある「M」が密閉型、「R」が開放型、それに続く数字は大きい方が上位ランクです。
「SONY MDR-CD900ST」と「SHURE SE215 Special Edition」は音質に満足できなかったとレビューしたのですが、これらは1万円ちょっとという価格帯です。


「audio-technica ATH-M70X」の価格はその2倍。
音はもう文句がありません。これ以上のいい音となるともっと高いヘッドフォンを買わなければならないでしょう。これ以上の音質・解像感を求めるとコスパ的には悪くなっていきます。
この上のランクのヘッドフォンは10万円以上になってくるのでしょうか。ちょっと試してみたいですが、高いです…。この価格になると近くに試聴できるところがありません。
アメリカのAmazonでのレビューは超高評価
アメリカアマゾンでのレビューを読みたい人はこちらからどうぞ →「ATH-M50x」、「ATH-M70x」。
アメリカのアマゾンでは「ATH-M50x」は現在5500くらいの数のレビューがあり、星は4.5。もの凄い高評価です。アメリカではモニターヘッドフォンとしてはこの「ATH-M50x」が一番売れているようです。
日本ではモニターヘッドフォンとして「SONY MDR-CD900ST」が売れていますが、これを買うならほぼ同じ価格帯の「ATH-M50x」をおすすめしたいです。色も選べますし。
イヤーパッドが拭きやすくていい
イヤーパッドは布のものもありますが、私は革とかのつるっとしたものの方が好きです。
これはゴミが付きにくいのと、汗を吸収しにくいのと、アルコールで拭けるからです。
「ATH-M70X」は布ではないのでいいです。
イヤーパッドも厚く、大きく、耳が痛くなりません。
私は耳がスポッと全部入ります。耳の周りにイヤーパッドがある状態になり、耳がかなり楽です。
接続端子は太さを変換できる。コードも3種類
プラグは太さを変えられます。「φ6.3mm 標準 / φ3.5mm ミニ」の変換プラグが最初から付いています。
さすが高いだけあって、コードも着脱可能だし、3本付属しています。
「1.2mカールコード、3mストレートコード、1.2mストレートコード」。
本当に至れり尽くせりです。環境によってはコードが長すぎる、短すぎるという問題がありますから、これはかなり有り難いです。
ヘッドホンの回転部分がちょっと弱そう
「audio-technica ATH-M70X」はアームが回ります。
これによって耳にフィットするようになっています。
ですがこの部分はちょっと弱そうです。レビューではこの部分が壊れたというコメントが多いです。
この部分が脆いという知識を事前に得ているので優しく扱っています。
3万円くらいのヘッドフォンなら「ATH-M70X」がおすすめ
「audio-technica ATH-M70X」は音質が素晴らしいです。3万円くらいの密閉型のヘッドフォンの中ではかなり良いです。
良い音質を探して安いヘッドフォンを色々と買うよりも、少し高めのヘッドフォンを買った方が早いし確実です。同じ価格帯の中でヘッドフォンを変えても音質はそれほどアップしません。上の価格帯のヘッドフォンを買った方が良いです。
私の感覚ですが、ヘッドフォンは価格帯で音質の区切りがあり、~8000円、~15000円、~30000円で音質がレベルアップしていきます。
30000円を超える価格のヘッドフォンは私はあまり試していないので分かりませんが、次のランクは10万円くらいの価格帯なのかもしれません。
「audio-technica ATH-M70X」は同価格帯の中ではかなり良い音質で、解像感が優れています。音が分離する感覚は知っている人でないと分かりませんが、これを3万円で手に入れられるのは嬉しいです。
「ATH-M70X」や開放型の「ATH-R70X」と同じくらいの音質をスピーカーで得ようとすると10万円以上のものを買わないといけない気がします。ヘッドフォンはスピーカーよりもコスパがいいです。
ちなみに、音質は密閉型の「ATH-M70X」よりも開放型の「ATH-R70X」の方がいいです。
密閉型は音が漏れない、周りの音が遮断されるという利点があります。この利点が要らない場合は開放型を買った方がいいでしょう。密閉型は音が籠もります。
私はフラットな音の方が好きでモニター向けのヘッドフォンを買うため、ゼンハイザーとかの普通の音楽鑑賞用のヘッドフォンは買う候補に入れません。
ですがゼンハイザーのヘッドフォンは装着感が素晴らしく、音が暖かい。ゼンハイザーが好きな人は多いでしょう。「ATH-M70X」はゼンハイザーの音とはタイプが違うのですが、そちらが好きな人も一度「ATH-M70X」を試して欲しいです。
音の解像度はモニターヘッドフォンの方が優れています。「ATH-M70X」は側圧も弱めで装着感もいいですよ。ゼンハイザーには適わないですが。
「ATH-M70X」は下位モデルもあります。日本では販売されていない「ATH-M60x」、その下は「ATH-M50x」「ATH-M40x」「ATH-M30x」「ATH-M20x」とあります。
ただ「ATH-M50x」より下のランクの製品になってくると、そんなに音質に感動できないかもしれません。音にそれほどこだわりがない人は「ATH-M50x」が良いところでしょう。白とかグレイとかのカラーも選べますし。