「ARTURIA MiniLab Mk II」と「NOVATION Launchkey Mini MKIII」を比較レビュー。設定ツールの出来が良くてArturiaを好きになった。ウェーブテーブルシンセ「PIGMENTS」を半額で買えば「MiniLab Mk II」本体が無料で付いてくる

2022/09/12

最近音楽にほとんど触れていなくて、音楽に触れる時間をちょっと増やそうと思いました。そこで小さいMIDIキーボードを買ってみたい。

大型のMIDIキーボードは場所を取ってかなり邪魔です。大型といってもそれが普通のサイズなのですが、机の上に載せると他に何も置けないくらい机を占有してしまいます。

MIDIキーボードは多くの人は49鍵か61鍵あたりを購入するかと思います。49鍵でも意外と大きいです。

机の上に置いおいてもそんなに邪魔にならないサイズが良い。今回は小さいMIDIキーボードを狙ってみます。

ミニ鍵盤は色々と種類があるのですが、質の悪い製品が多くて選ぶのが大変です。

今回買ってみたのは有名どころの「ARTURIA MiniLab Mk II」と「NOVATION Launchkey Mini MKIII」。

比較しながらレビューを書いてみます。

MiniLab Mk II」の鍵盤はこの価格にしては好印象

ARTURIA MiniLab Mk II」は色々なカラーが出ています。私は白いのを買ってみました。

触ってみて第一印象は鍵盤が意外と良いこと。以前「KORG microKEY」を買ったことがあるのですが、あれは鍵盤が本当におもちゃっぽくてげんなりしました。ミニ鍵盤なんてこんなもんだよなぁと。

今は「microKEY 2」にバージョンアップしているので鍵盤も改善されているかもしれません。

MiniLab Mk II」は押してみると安い鍵盤にありがちなおもちゃ感があまりありません。反発はやや強め。

ちなみに「MiniLab Mk II」は「ミニ鍵盤」でなく「スマート鍵盤」と説明されています。よくあるミニ鍵盤よりもやや大きいサイズです。「ミニ鍵盤」ほど小さくないので押しやすい。

価格が1万円ほどの鍵盤としてはこのくらいの品質なら十分な気がします。

最初は鍵盤を弱く押して弱い音を出すのが難しかったのですが、設定で Velocity Curve を「Linear」から「Exponential」にしたら良い感じになりました。

Launchkey Mini MKIII」の鍵盤は反発がきつすぎる

Launchkey Mini MKIII」の鍵盤はかなり反発が強い。

Velocity の Value 127 を出そうと思うとかなり強く叩き付けなければなりません。指が疲れて弾くのがとても億劫です。

しかも「Launchkey Mini MKIII」は設定がほとんど出来ず、Velocity Curve を変えられません。設定でパッドの光る色は変えられるのですが…。

あと鍵盤の並びにばらつきがあり、安物感が漂います。

上の写真にあるように鍵盤の下は空洞になっているタイプです。

MiniLab Mk II」のパッドはアフタータッチ対応

驚いたのですが、「MiniLab Mk II」のパッドはアフタータッチ対応です。すごい。

鍵盤はアフタータッチ対応ではないのですが、パッドは対応しています。

まぁアフタータッチは使いどころがあまりないのですが。

MiniLab Mk II」はパッドは硬いです。設定で Velocity Curve は設定で変えられるのですが、そもそも硬いので調節は難しい。

Launchkey Mini MKIII」の方が柔らかめで反応が良いです。

モジュレーションのタッチセンサー部分は「MiniLab Mk II」の方が使いやすい

「ピッチベンド」と「モジュレーション」のタッチセンサー(タッチ・ストリップ)ですが、これは「MiniLab Mk II」の方が使いやすいです。

違いはほとんどないのですが、段差が「MiniLab Mk II」の方が少しだけ深いのです。

Launchkey Mini MKIII」は段差が浅く、指がこのタッチセンサー部分から外れてしまうことがあります。

そもそもタッチセンサーでモジュレーションを操作するのは難しいのですが、段差が浅いよりは深い方が操作しやすいです。

MiniLab Mk II」は設定が細かく出来る

Launchkey Mini MKIII」の設定ツールでは光る色やCC番号の変更しか出来ないのですが、「MiniLab Mk II」の設定ソフトウェアは細かく設定できてとても良いです。

ノブの設定で「Absolute(絶対値)」と「Relative(相対値)」を選べるのは良いですね。

また、ノブの1番と9番は押し込んでアクションを起こせます。上の設定ツールのスクリーンショットで「Knob 1 Switch」とあるのがその設定です。

ちなみにこのツールでは「MIDI Console」というのがあり、キーボードからどんなMIDIデータ(MIDIメッセージ)が送られているかチェックできます。

例えば鍵盤を押すと「MiniLab Mk II」が「ノート・オン」「ノート・オフ」をしっかり送っているのが確認できます。

Arturia の設定ツールはとても良く出来ていてすごく好印象です。この設定ツールを見て私は Arturia が好きになりました。

Launchkey Mini MKIII」の設定ツールと雲泥の差があります。

Launchkey Mini MKIII」は軽い

Launchkey Mini MKIII」はかなり軽いです。453g と書かれています。外への持ち運びや机の上でキーボードを頻繁に移動する場合には便利でしょう。

一方「MiniLab Mk II」は重い。1.5kg。移動させるのは大変です。でも重いのでキーボードやパッドを強く叩いても本体が動かないのは良いです。

MiniLab Mk II」は付属ソフトが豪華。「PIGMENTS」を半額で買えば無料で「MiniLab Mk II」本体がもらえる

現時点で「MiniLab Mk II」を買うと付いてくるソフトウェアは豪華で凄い。

  • Ableton Live Lite
  • UVI Grand Piano Model D
  • Arturia Analog Lab Lite & Intro
  • Arturia Mini V
  • Arturia Stage 73 V
  • Arturia Rev PLATE-140
  • Arturia PIGMENTS

Arturia なのでシンセサイザーが色々ともらえますが、中でも「Arturia PIGMENTS」が嬉しいです。ウェーブテーブル・シンセサイザーです。通常価格は $200。日本では代理店で 22,500円で販売されています。

MiniLab Mk II」は1万円ほど。

ということは、「Arturia PIGMENTS」を半額で買って無料で「MiniLab Mk II」が付いてくると考えるとすごく安いです。

「PIGMENTS」が付属するキャンペーンがいつまで続くのか分からないので欲しい人はお早めに。

「Ableton Live Lite」は今や何を買っても付いてくるようなソフトウェアで、私は5個以上持っていて有り難みがありません。

「UVI Grand Piano Model D」もそこそこ人気のあるピアノ音源です。通常価格 $49。

一方「Launchkey Mini MKIII」に付属するものはこちら。

  • Ableton Live Lite
  • XLN Audio Addictive Keys(ピアノ音源を1つ選択)
  • AAS Session Bundle
  • Klevgrand R0Verb  & DAW Cassete - エフェクトプラグイン
  • Softube Time and Tone bundle - エフェクトプラグイン

XLN Audio Addictive Keys」が一番良いですかね。通常価格は $89.95。

ちなみに3つのピアノ音源がセットになった「TRIO Bundle」などもあるのでもっと安く買えます。

Arturia は日本では KORG が代理店

MiniLab Mk II」の箱を開けてまず「株式会社コルグ」と書かれた紙が出てきて「あれっ、買う製品を間違えた?」と驚いたのですが、日本では KORG が代理店になっているようです。

まとめ:どっちを買うべきか。お勧めは「MiniLab Mk II

今回同じ価格帯の「ARTURIA MiniLab Mk II」と「NOVATION Launchkey Mini MKIII」を比べてみましたが、私は「MiniLab Mk II」が気に入りました。お勧めです。

Launchkey Mini MKIII」の利点は小さいこと、軽いこと、パッドが多いこと。鍵盤の反発力がかなり強いのは大きなマイナス。ノブが相対値に出来ないのはややマイナス。

MiniLab Mk II」の利点は鍵盤が「スリム鍵盤」でミニ鍵盤よりも少しサイズが大きく品質がそこそこなこと、設定が細かく出来ること、付属のソフトウェアが豪華なこと。

私はパッドをほとんど使わないので「MiniLab Mk II」一択です。設定ソフトウェアの出来がとても良いのも凄く良い。

「Arturia PIGMENTS」を弄って遊んでいます。

最近は世界的に Novation のMIDIキーボードが人気のようです。フル鍵盤の37鍵なら「Novation Launchkey37 MK3」が売れるのは確かに分かります。他に競合がいません。

ただミニ鍵盤の中で比べると「ARTURIA MiniLab Mk II」は質の良い方だと思います。付属のソフトウェアも豪華なのでかなり満足感があります。

ミニ鍵盤でサイズが小さい方がいい人はこれで良いのかもしれないのですが、私は鍵盤の数がもう少し多いものが出ると嬉しいです。37鍵が欲しい。

この候補としては「ARTURIA KeyStep 37」が良いのですが、ちょっと価格が高めです。2万円ちょっととなるとフル鍵盤49鍵が買えてしまう金額です。

ただ「ARTURIA KeyStep 37」はスリム鍵盤でアフタータッチ対応というのが凄い。これで価格がもう少し安ければすぐに買うのですが…。シーケンサー機能などを無くして価格を安くして欲しいです。

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About

Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。