敵から弾が飛んで来ないのが気楽で良い。レベル1からのリプレイでもステージ序盤が不快でない『Vampire Survivors』レビュー
「Vampire Survivors」の全ての実績を取得。面白かったです。
話題のゲームだったので以前から気にはなっていたのですが、買う前はシンプルな見た目ゆえゲーム性が心配でした。
プレイしてみると暇つぶしゲーとしてはかなり優秀。ストーリーはなく、頭もあまり使いません。
私はキーボード+マウスでプレイしていたのですが、キーボードだけでプレイできると分かり、左手のみでプレイしていました。操作も簡単です。
目次
プレイ感覚は見下ろし視点のシューティングゲームに近い
このゲームは四方八方からゆっくり迫ってくる敵を倒して、敵が落とすジェムを拾って経験値を得てレベルアップしていくローグライク(ローグライト)ゲームです。プレイは毎回レベル1から。
レベルアップの時にアイテムが3~4つランダムで表示され、好きなアイテム(攻撃アイテムとサポートアイテム)を選んで取得していきます。
アイテムの取得を繰り返して攻撃力を強化していき、ステージ上で30分生き残るというのが目的になります。
これに似たゲーム性を持つゲームは「Risk of Rain」シリーズ。どのアイテムを取得するか選んで強化していくのはまさに同じです。
このゲームの特徴は攻撃が自動なこと。
攻撃アイテムにナイフを取得すればキャラクターが向いている方向に一定間隔でナイフを投げます。鞭なら横方向のみに一定間隔で攻撃。魔法の杖は敵の方へ向かって飛んでくれる弾を放てます。
自動攻撃なのでアクションゲームとは違ったプレイ感覚です。自分の好きなタイミングで攻撃ができません。私としては見下ろし視点のシューティングゲームに近いと感じます。
「シューティングゲーム」といっても FPS、TPS とかではなく、「R-Type」や「ダライアス」などの「Shoot 'em Up」の方です。
攻撃アイテムとサポートアイテムはそれぞれ6種類持つことができます。その組み合わせが重要となり、攻撃力の強いものはどれだろうとプレイ中に探っていくことになります。
自動攻撃の間隔は、同じ攻撃アイテムを取得してレベルアップさせるか、サポートアイテムの取得によって短くなっていきます。
このゲームでプレイヤーがするのは移動とアイテムの選択だけです。
アンロック要素がリプレイ性を増している
このゲームはリプレイ性に優れています。1プレイが30分までと決まっていて、30分経つと死神が来てサクッと殺されます。
死ぬとゲーム中に達成したアンロック条件と集めたコインで、新しいアイテムがアンロックされ、新しいキャラクターが増え、キャラクターの強化ができます。
↑ゲーム中に達成する目標のリスト。これを確認しながらアイテムをアンロックしていく。
↑キャラクターの強化。自分の好きなものから取得可能。強化したものはそれぞれのキャラクターで共通。
こうして徐々にアイテムをアンロックしていき、キャラクターを強化していくのが面白かったです。私はキャラクターを強化していくゲームが好きなので合っていました。
このゲームは初めてプレイする時が一番難しい。何もアンロックされていないからです。
その後、徐々にアイテムがアンロックされていき、プレイが徐々に楽になってきます。
アンロックの条件は難しくなく(5分生き残れ、このアイテムを最大まで強化せよ、など)、次はこれを達成しようと目的を持ってリプレイできました。リプレイに目的を持てるゲームは面白いです。
プレイしていて「Risk of Rain」を思い出しました。あちらもアンロックしていくのが面白いゲームです。
![『Risk of Rain 2』レビュー - チャレンジを達成してアイテムをアンロックしていくのが面白い。ただしゲームバランスは悪い [更新: アーティファクトアップデート]](https://nomeu.net/wp-content/uploads/2020/04/riskofrain2-11-200x200.jpg)
敵から弾が飛んで来ないのが気楽で良い。弾幕ゲーでなくてストレスが少ない
上でシューティングゲームのプレイ感覚に近いと書いたのですが、このゲームの良いところは敵が弾を撃ってこないことです。
敵は周りからただ近づいてくるだけ。プレイキャラクターの攻撃力が足りず、敵を倒すのが間に合わなくなると敵に接触してダメージを食らってゲームオーバーになります。
敵から弾が飛んで来ないのは暇つぶしゲーとしてはかなり気が楽で、細かな移動が必要ありません。これがストレスが少なくて良い。
近年は「The Biding of Isaac」「Enter the Gungeon」など弾避けがシビアなシューティングゲームが人気になりましたが、あれはプレイヤースキルと集中力が必要で、暇つぶしには向きません。
シビアなシューティングゲームではプレイヤースキルの向上が必要なので、それなりに時間を掛けないとゲームをクリアできません。
「Vampire Survivors」は本当に気楽にプレイできます。アンロックがかなり進んでくるとステージ終盤はただ歩いているだけで敵が死んでいくようになります。
弾を撃ってくる敵も2~3種類いるのですが、こちらの攻撃を敵の弾に当てると弾を消せます。
何度もリプレイすることになるが、ステージ序盤が不快でない
ローグライクゲームは、同じステージを何度もレベル1からプレイすることになります。
多くのゲームではステージの序盤と終盤でプレイの快適の度合いが違ってしまい、最初からプレイするのが億劫になることがあります。
例えば同じローグライクのジャンルのゲームで「Risk of Rain」や「Dead Cells」は最初は攻撃力が弱いし、足も遅いしで、ステージ終盤と比較すると最初はストレスがたまります。
私は特に足が遅いというのにかなりストレスを感じます。
「Vampire Survivors」はバランスがうまく、最初は敵が弱いし、数体倒してジェムを拾うとすぐにレベルアップできます。足も最初からそんなに遅くない。ストレスが少ないです。
このゲームのステージ序盤のストレスとしては範囲攻撃ができないことです。ただこれはそんなに長続きしないストレスで、「Risk of Rain」などに比べ、レベルアップで比較的早めに解消されます。
ステージ序盤のゲームバランスの調整がうまいです。
あと、選べるキャラクターが多く、それぞれ初期の武器が違います。これによってリプレイに少しの新鮮味を持たせてくれています。
アンロックが進んで無双状態になるとつまらなくなる
このゲームはアイテムをアンロックしていくのが面白いのですが、ほとんどアンロックされた状態になるとアンロックアイテムが強すぎてやることが無くなります。
アンロックアイテムを取得した時は大量の敵をなぎ倒していけるようになって爽快感がありますが、何度もリプレイするうちにその爽快感には慣れてしまいます。
良いアイテムを取得できると本当に何も考えず歩いているだけで敵が死んでいくようになってしまい、ずっと移動キーを押し続けているだけ。
ステージの広さはたぶん無限になっているので、ずっと一方向への移動でも問題ありません。
上のスクリーンショットの場面ではずっと右へ移動しているだけです。1ステージ30分ですから、「あと15分間移動し続けないとゲームが終わらないのか…」と感じてしまいました。
無双状態を楽しめるのは最初だけです。ドラゴンボールの悟空の気持ちが分かります。オラ、もっと強えやつと戦いてぇ。
まとめ: 価格300円としてはかなり満足できる内容。価格を無視してマイナスポイント言うと
20時間ほどで全てをアンロックし、Steamでの実績も全て取得しました(バージョン 0.5.0)。今後アップデートでアンロック要素が増えていくと思いますが。
価格300円のゲームとしてはかなり満足できました。たぶんアンロック要素を楽しめる人は私のように20時間ほどは楽しめるかと思います。
アンロックできるものが無くなると飽きてしまうのは「Risk of Rain」などと同じです。アンロックしたいものがまだあるから目標があって楽しめるゲームです。
価格を無視してマイナスポイントを言うとすると、強いアイテムが分かってしまうとそこから飽きが早いこと。
つまりゲームシステムが単純で、ゲームをクリアするとき(最後まで生き残るとき)に選べるアイテムの選択肢がそれほど無い。
その強いアイテムを見つけるまでの過程は楽しめるかと思います。
このゲームのシステムは、究極的には取得するアイテムに何を選ぶのかだけでクリアできるかどうか決まってしまいます。その意味では知識ゲーですね。
動作も軽いし、気楽にプレイできるゲームで、「暇つぶしゲー」としてはかなり満足です。
欲を言えばもう少しプレイヤースキルを生かせる要素が欲しいです。自動攻撃で歩くだけというのがプレイヤースキルの発揮を奪っています。
でも300円だから、数時間楽しめれば十分元が取れたと感じられると思います。
私はもう価格分十分に楽しめました。今後のアップデートを楽しみにしています。