Amazon Prime Video で新しく配信が始まった映画で、「そういえば『ピーターラビット』は名前は知っているけど内容は知らないな」と思って観てみました。

私はこの類いの映画はあまり興味が無いのですが、この映画はAmazonのレビュースコアが 4.5/5 とかなりの高評価で期待していました。

確かに序盤は面白い。コメディ映画だとすぐに分からせてくれます。

私が一番面白かったのは、最序盤のシーン。後に主役だと分かる男性トーマスが百貨店の副支配人になりたくて仕事を頑張っているのですが、働かない社長の甥に副支配人の座をさらっと奪われてしまいます。

「あそこまで能力に欠ける愚か者を重要なポストに登用するとは身内びいきも甚だしい!」とトーマスが支配人(女性)に言うと、「ここはイギリスだもの。そもそもえこひいきで成り立っている国よ」と返される。

この後のこの男性は「うわああああーー!」と言いながら、店内の展示用に積み上げたトランプタワーなどの展示品を手やキックで全部めちゃくちゃにします。そして大きなくまのぬいぐるみに走って行って、渾身のぱーんち。馬乗りになってボコボコにします。

このシーンは笑ってしまいました。その気持ちは分かる。トランプタワーを崩すのは気持ち良さそう。やってみたい。

楽しめた度

人殺しを何とも思わないピーターラビットを許容できない

コメディ映画でツッコみどころを用意してあってつまらなくはないのですが、ピーターラビットが性格が悪すぎる。

イタズラだったら笑えたのですが、ピーターラビットは人を殺しても何も思わないという設定のようです。人間と対等な存在らしい。

絵本「ピーターラビット」の話の中で、ピーターラビットのお父さんが野菜を盗んでいる畑の所有者であるマグレガーおじさんに捕まって殺されてミートパイにされてしまいました。

その恨みということなのか、この映画で登場するピーターラビットはマグレガーの畑から野菜を盗み、イタズラをし、マグレガーと格闘するのですが、その中でマグレガーが突然倒れてしまってもピーターラビットは何もしません。見殺しにします。

私はピーターラビットがさすがに隣人の主役の女性(ビア)を呼んでくるんだろうな、と予想していたのですが何もしませんでした。

結局マグレガーは救急車で運ばれていくのですが、倒れている彼を誰が発見したのでしょうか。映画中にはそのシーンがありませんでした。近くに人がいない田舎なので発見されずに倒れたまま死んでしまいそうなものです。まぁ病院で死んでしまうのですが。

ピーターラビットはマグレガーおじさんがいなくなった畑と家を我が物として、家族のウサギや周りの動物たちと荒らし放題。「お父さん、やったよ」と写真を見ながら。

動物みんなで畑の野菜を食べるのですが、その畑を管理してくれる人が死んでしまい、今後は野菜を盗めなくなるのに何を考えているのか分かりません。

「マグレガーおじさんの家が建つ前に動物たちがこの土地に住んでいたから、この土地は動物たちのものだ」という考え方は理解することはできますが、野菜を作ってくれたことに感謝をしないとは思いませんでした。

主役の男性はトーマス・マグレガー。マグレガーおじさんの血筋で、大叔父がそのマグレガーおじさん。彼の家を相続します。ここでピーターラビットと出会うわけです。

ピーターラビットはこのマグレガーお兄さん(トーマス・マグレガー)にもイタズラをして殺そうとします。

仕組みが分からないのですが、柵に流している電流の回路を変えて、家に電気を流して感電させようとします。まぁこれはイタズラのレベルとも言えます。

しかしその後、ウサギたちはトーマスにはブラックベリーにアレルギーがあることを知り、トーマスに向かってブラックベリーを投げつけ、口に入れてアナフィラキシーショックを起こさせます。

トーマスは準備よく持っていた抗アナフィラキシー薬の注射(アドレナリン自己注射 / エピペン)で何とか凌ぎます。

ここは酷すぎて笑えません。イタズラではなくて殺しに来ている。

その後はトーマスが怒って爆発力が弱いダイナマイトをウサギたちに投げます。ピーターラビットはダイナマイトの起爆スイッチを押してトーマスが持っているダイナマイトを全部爆発させます。

主役の女性は爆発はトーマスがやったと勘違いをしてトーマスを責めます。

ピーターラビットの印象が変わりました。イタズラのレベルを超えています。邪魔な人間を殺したいウサギだったとは。

実はピーターラビットが存在するのか不明

ピーターラビットたちが主役の男性トーマスの車にこっそり乗って町に行くのですが、町の人はピーターラビットたちが目の前にいるのに、ウサギたちの方を誰も見ません。

どうやってもウサギたちが見えているはずなのですが、ウサギたちがいないかのように行動しています。

ピーターラビットたちは存在しないということでしょうか?

ピーターラビットをしっかり見ている人は、マグレガーおじさん、主役の男性・女性だけ。終盤に出てくるタクシーの運転手の女性はウサギに言及しません。

一度トーマスが百貨店勤務に戻ったとき、ピーターラビットたちが店内を荒らしているはずなのに、トーマスが精神的におかしくなったと判断されます。店内にカメラもあるはずなのに…。誰もウサギの事を言いません。

ピーターラビットが人語を話せることを知っているのはトーマスのみ。

結局、ピーターラビットが映画の世界に存在するかどうかがよく分かりませんでした。マグレガー家と主役の女性ビアにだけが見えているウサギ?

[ネタバレ] ハッピーエンドっぽい終わり方だけど、主役の男性がかわいそう

主役の男性トーマスのことを信じて応援してくれる人はいません。

主役の女性ビアは当然トーマスの言うことを信じてくれません。この女性はよくあるお決まりの勘違いをする人物で、何があってもウサギの味方です。

ウサギが畑を荒らしても問題ないと判断している理由を知りたいです。「ウサギと共存すべきだ」なら分かりますが、「畑を荒らしてもOK」は意味が分かりません。

でもビアは大切な絵をウサギに絵筆で塗られてイタズラされたと勘違いし、ピーターラビットを家から追い出したはずなのですが、あのシーンはどうなったのでしょう? その後すぐにウサギの味方になっています。

このほか、上でも書きましたが、一度トーマスが百貨店勤務に戻ったときにウサギたちが店内を荒らし回っているのですが、トーマスがおかしくなったと判断されます。

精神病院ものみたいなストーリーです。ウサギがイタズラをしているって誰も信じてくれない、でも本当なんだ、というような。

これがこの映画のイライラポイントです。

最後にピーターラビットが主役の女性ビアに起爆スイッチを見せて、やっとピーターラビットが元凶だと信じてくれます。ピーターラビットが無言なので「人語をしゃべれよ!」と言いたくなるシーンです。

ピーターラビットは終盤トーマスにさらっと謝りますが、実はこれは大好きなビアが出て行ってしまうのを防ぐためです。トーマスはどうでもいい。心から謝っていません。

ピーターラビットはもの凄く利己的で性格が悪い。ビアにだけ額を合わせてしっかり謝ります。

これもイライラポイントです。

殺されかけたトーマスがかわいそうで、後半はあまり笑えなくなってしまいました。イギリスで生まれた作品なので、イギリスがこういう国ということでしょうか?

Amazonでは評価が 4.5/5 でかなりの高評価なのが不思議です。IMDb は 6.6/10。

ピーターラビットの性格がもう少し良ければなぁ…。

吹き替え版は歌やラップも日本語

ピーターラビットの吹き替えは俳優の千葉雄大だと後で知りましたが、全然違和感がありませんでした。声優でない人が吹き替えをやると大抵浮いてしまいますが、浮いておらず見事です。

あと劇中の歌やラップも歌詞が日本語になっていました。たぶん映画中で韻や冗談を言うシーンの日本語訳は苦労したことでしょう。

吹き替えに力が入っている映画です。

Amazon Prime Video

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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