スマホを落としただけなのに」シリーズを2つ見ました。映画のジャケット画像からホラー映画かと思って観ましたが、ホラー映画ではなく、スマホのセキュリティ意識への注意喚起映画でした。

楽しめた度

日本のTVドラマを映画にしたようなダラダラ感

前半の展開がダラダラとしていて、日本のテレビ局が作った感じのドラマのような映画。前半は明るいBGMが流れ、BGMが主役となって雰囲気を作っているのが陳腐さを感じさせます。

前半は本当につまらなくて、何度も観るのをやめようかと思いました。でもこの映画を面白いと言っている人もいるし、北川景子、千葉雄大、原田泰造など有名な人たちばかりが登場するので力は入っているのだと思い見続けました。

それにしても東京の街中の映像は汚い。街中を歩くシーンが僅かありますが、建物や看板などによって背景のごちゃごちゃ感が酷い。

日本でカメラの「ボケ」が発達したのもうなずけます(海外でも「Bokeh」という言葉になっています)。もしかしたら日本では「ボケ」がないと背景がごちゃごちゃしすぎて美しい映像が撮れず、それでボケに注力したのかもしれません。

観る人を増やしたい欲望が強すぎて映画に悪影響

この映画は観る人を増やしたいという欲望を正面から感じます。

  • 千葉雄大のファン層を取り込みたい
  • ちょっと抜けた彼氏感のある田中圭でファン層を取り込みたい
  • 恋愛要素で恋愛好きな層を取り込みたい
  • 芸人を起用して芸人のファン層を取り込みたい
  • 美人な北川景子の寝取られやキスシーンなどで北川景子ファンを取り込みたい

「映画の声優(吹き替え)に俳優(女優)を起用しました」というようながっかり感が強い。

視聴者を増やすための配役をすると起用した役者に花を持たせるシーンが必要となり、演出がねじれます。みんなが観たい超有名な人を起用して映画開始1分で殺され、そのまま後は登場しないというわけにはいきません。

この映画で描きたかったものは、たぶんこう。

  • スマホを落としたときに個人情報を見られてしまうところから始まる、現代なら起こりうる事件
  • 世間のセキュリティ意識の甘さへの注意喚起
  • 犯人を追う刑事の過去(全然描けていない)
  • 犯人の犯行動機と狂気(十分に描けていない)

しかし、うまくいっていません。注意喚起はたぶん成功しています。

犯人は狂気的な行動をするのですが、随一のハッカー(クラッカー)ですから、本当はとても理性的なはずです。

理性的な人間と今作の狂気的な行動がうまく結びつきません。もう少し頭の良い変態っぽさが欲しいところです。殺すにしてももう少し高度な殺しをして欲しい。

千葉雄大扮する刑事の過去が犯人と共感し、犯人を捕まえられたのですが、刑事の過去にほぼ説明がありません。それならこの要素は外すという決断があっても良かったでしょう。制作の時点で続編で描くことが決まっていたと見えます。

ストーリーの進行も変な雑念があります。

  • 主役の男性(彼氏)はアホにして事件解決までを長引かせたい
  • 主役の女性はややアホにしておいて事件解決までを長引かせたい
  • 主役の女性が入れ替わっていたという衝撃を入れたい

主役の女性が本当は入れ替わっていたのは事件と全く関係がありません。この要素は必要だったのでしょうか? 「真の愛」的な恋愛要素に含まれてしまいます。

原作が小説とのことなので、女性の入れ替わりはもしかしたらミステリー要素として読者をミスリードさせるために入れたものなのかもしれません。

TVドラマのような前半のダラダラがもったいなかったですね。

[ネタバレ] 北川景子の顔とセリフにドキッとした

北川景子さんという方は知っていたのですが、実はこの映画で初めて演技をしているのを観ました。

表情が硬く、顔の筋肉と皮膚がうまく連動して動いていないような印象を受けます。映画中ずっと北川景子の演技や表情が硬いなと気になりながら観ていたところ、映画の終盤で「私は整形して彼女に成り代わったの」と告白するシーンがありドキッとしました。これを北川景子に言わせるのかと。

このセリフはストーリー上ではメインの事件とは関係ないのですが、主役の女性(北川景子)が作り上げた嘘(顔)を彼氏に告白するシーンの始まりのセリフです。

この台詞を聞いて、私は「やっぱり整形だったのか…!」と別の納得感が。

でも、もしかすると北川景子は演技がもの凄くうまく、体の硬さや表情の硬さをも演技していた可能性があります。

表情や演技が硬かったのは入れ替わっていることを示すための演技だったのかもしれません。もしそうだとしたら素晴らしい。

[ネタバレ] 成田凌の爪を噛むシーンが唯一良いシーンだった

ストーリーは面白くないので大して言うことがありませんが、初めて見た成田凌という人の演技が良かったです。

真犯人が分かるシーンで、バー(レストラン?)にいる成田凌が爪をボリッボリッと強く噛むのですが、このシーンが一番感動しました。「あ、良い表情するね!」と思いながら観ていました。

この映画は成田凌の演技がないと成り立ちません。このシーンがこの映画の一番良い場面でした。

日本の映画は人気で起用するものが多い

Amazon Prime Video とか AbemaTV でプッシュされる日本映画は、有名な人や人気の人が出ている映画が多いです。

私は俳優(女優)にそれほど興味がありません。「映画にこの人が出ているからその人目的で観たい」と思うことはありません。

演技がうまい人を使って映画を作って欲しいと思っています。その方が役者をしたい人に公平です。

しかし、日本映画は現実的には有名な人を起用し、宣伝に利用するという形のものがほとんどのように思えます。宮崎駿のジブリ映画ですらそうなのですから。YouTuberが登場する映画も徐々に増えていくことでしょう。人気至上主義です。

映画 賭ケグルイ」は酷すぎて観るのをすぐにやめました。マンガを読んだことがあるので観たのですが、可愛い・格好いい人たちを採用したプロモーションビデオですね。まいんちゃん可愛い。

スマホを落としただけなのに」シリーズの監督は中田秀夫という方で、調べると映画「リング」の監督。うーん、随分作風が変わりましたね。

続編で「白石麻衣のおっぱいが見れた」と言ったのは誰だ

続編の「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」も観ました。

Amazonでは1作目よりもレビュー評価が高く、「白石麻衣のおっぱいが見れたので良かった」というコメントがあったので、期待して見たのですが、さほど面白くありません。犯人がすぐに分かりますし。

この作品も成田凌の演技がないと成り立ちません。随分おとなしくなって理性的になり、全く狂気を感じなくなってしまいました。単なるハッカー。「デスノート」に登場する「L」に影響を受けただろう演出・演技をしています。ちょっと格好悪いかもしれません。

Amazonのコメントにあった「白石麻衣のおっぱいが見れた」は、白石麻衣が盗撮されるシーンと襲われて服を脱がされそうになるシーンがあるのですが、そのシーンのことを言っているらしい。

この程度で喜んでいるとは…。雑誌のグラビアの方が露出が多いんじゃ…。どうやら白石麻衣のファン層の取り込みは成功していますね。

「おっぱいが見れた」は完全に脱いだときに言ってほしいものです。アイドルが出演したために本来あっただろう過激なシーンの演出が抑えられてしまうのはもったいない。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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