感覚的にはやっとクリア。早くクリアしたかった…、クリアしてしまいたかった。クリアまでプレイすると初プレイ時には分からなかった気になる部分が見えてくる。初プレイでのレビューでは随分褒めてしまった気がするけれど、こちらでは良くないところが多めになった。

敵の索敵方法がダメ、スニーク要素がつまらない

銃にサプレッサーを付けて撃っても敵にはこちらの位置が確実に分かってしまう。どんなに隠れようとも一直線にプレイヤーに向かってくる。そこで、遠くからスナイパーライフルで撃ち、敵が索敵をし出したら撃った場所から離れるという実験もした。その結果、敵は撃った場所では無く、プレイヤーの現在地へほぼ一直線に向かってくる。索敵能力が高すぎる。Far Cry 2 よりは良いものの、期待したほど進化していなかった。

この為、敵からほぼ見えないだろう良い位置からサプレッサー付きの銃で敵を撃つなどというスニークプレイをしてもあまり意味が無い。どんなに良い場所に隠れていても敵に位置はばれるし、敵に近づかれると茂みに隠れていても見つかってしまう。スニークプレイがメインだと思われるこのゲームで、敵に自分の位置がすぐにばれてしまうのはつまらない。Dishonored などのように、最後にプレイヤーが敵に見られた位置に敵が確認に向かうようなシステムなら敵の裏をかけて面白かったのに。

それに石を投げて敵の注意を引くシステムがうまく機能していない。石を投げると敵はほんの少しだけそちらに気を取られるけれど、すぐに元に戻ってしまう。石の効果が薄すぎて石を使ったプレイが難しい。加えて敵のもの凄い索敵能力があるので、敵が索敵しだしたらほとんどどうしようも無い。敵の索敵から逃げるには頑張って敵から遠ざかるしか無い。

ただ良かったところもある。それは敵を倒す順番を考えられること。サプレッサー付きのスナイパーライフルなどで遠くから敵を狙って殺す時、殺した敵の死体が他の敵の味方に見つからないようにするとプレイヤーの存在が敵に気付かれない。敵が味方の死体に気付いた時、アラームを鳴らすか、近くの味方に伝えに行くか、プレイヤーを探すか、のどれかの行動を取る。そこで、敵の死体が他の敵の味方に見つからないような順番で敵を倒していけば良く、これを考えるのが面白かった。

しかしスニーク要素の強いゲームとしては、敵の死体を隠すシステムがこのゲームには無いのは宜しくない。敵を背後からナイフで殺した時のみ敵を引きずって死体を動かすことが出来るけれど、移動速度がもの凄く遅い。敵の死体を隠すのは基本だけど、これが Far Cry 3 には無い。

プレイヤーの位置が保存されないセーブシステム

セーブがミッション中には制限されているのはまあいいとして、セーブ可能な状況でセーブしても、プレイヤーがいる位置がセーブされないのは煩わしい。つまり、「これから敵の拠点を攻めるけれど、発見されずにすべての敵を倒したい。見つかってしまった時にロードをしたいのでセーブをしておこう」とセーブをした時、ロードすると最悪の場合、プレイヤーの位置が近くの町まで戻される。

また、ロードがすぐに出来ないのも問題だと思う。失敗してロードしようと思った時、一度メインメニューに戻らなければならない。そこでまたストーリーモードを選択し、ロードを選ぶ。一度メインメニューに戻るのでロードに時間が掛かり、面倒でロードが手軽に出来ない。さらに言うと、メインメニューに戻った時 UBI と通信するのでそのやりとりの時間を待たなければならない。

他にもロードするとメインミッションの会話が繰り返されるのが煩わしい。これはバグに属するような気もする。何かに失敗してロードをしたら、毎回同じ会話を電話で繰り返している。

Loot が面倒 & 売るだけのアイテムは必要だったか?

Loot とは敵の死体からアイテムを探すこと。"E" キーの長押しで Loot をする。しかし、Loot したい時に敵が落とした武器が近くにあると、Eキーの長押しで敵の武器と自分の武器を交換してしまうことがある。画面上には武器を交換するか Loot をするかがしっかり表示されるけれど、Loot アクションを取れるプレイヤーの敵からの位置が狭く限られており、敵の死体の周りを細かく動いて Loot アクションを引き起こさなければならない。

またEキーの長押しが意外と面倒。プレイし始めた時はあまり感じなかったけれど、Loot をたくさんすると長押しの時間が長くて煩わしい。それに敵の死体をポンポンするアクションを何度も見ることになるので、その時間も短くして欲しくなる。

Loot をして得られるのはお金と弾薬と売るためだけに存在するアイテム。弾薬は重要なので Loot の必要性がこれで高まっているけれど、売るためだけに存在するアイテムが果たしてこのゲームに必要だったのか疑問が生じる。Loot したアイテムを持って帰って売るのだけど、始めからそのアイテムをお金にしてくれると売る手間が省けた。このゲームでは持てるアイテム数に制限があるのでこのシステムを思いついたのかもしれないけれど、後半は持てるアイテムが増えてこの制限がほぼ感じられなくなる。

プレイ時間が長くなればなるほど Loot をするのも、拾ったアイテムを売るのも面倒になる。

車の位置が保存される

このゲームではリアルさを追求したからか、車の位置が保存される。これは普通に考えると良い面のようにも感じるかもしれない。しかし、Fast Travel して、その拠点から車で他の場所に行ったとしよう。その場所で目的が達成されたら Fast Travel で同じ拠点に戻る。さて、次は他のところに出かけようかとした時に、自分で車を乗り捨ててきたので拠点には車が存在しない。これが困る。拠点にある車は乗り捨てても元に戻して欲しかった。

武器が少ない & 照準が見難い

プレイし始めた時は、「わー、お金を貯めて徐々に武器を強くしていけるんだ」とワクワクしたものだけど、今ではその武器の少なさに落胆。それにそれぞれの武器の性能にあまり差が無かったりする。武器が少ないので中盤あたりまででほとんどの武器が手に入ってしまい、武器の性能もそこまで変わらないため、武器を変えていく楽しさが無い。

初めてゲーム内の店に行った時、買える武器が少なかったのでこれから品揃えが増えていくのかと思っていたら、その品揃えからあまり発展しなかった。残念。

武器の照準が見難いのもこのゲームの特徴か。敵を狙う一番重要な中心が光で見えない。お金を掛けてスコープを付けると反って画面が見難くなってしまう。

ストーリーがつまらない

ストーリーは夜のクラブでけんかをするような主人公による単なる復讐の話であって、面白いところは無かった。それに、復讐したい敵に逆にやられる場面がいくつもあり、もっとうまくやれよとイライラしてしまった。ただ敵陣へ突っ込んでいくのはどうかと…。

主人公はストーリーが展開される島の原住民の人達と関わり、タトゥーのパワーを貰う。これはゲームシステムの「スキル」に説明を付けるためのものでもある。これは良いけれど、原住民達の信仰とストーリーが変に交錯し、訳の分からないエンディングを作り出してしまっている。

重い選択肢のあるエンディングは最近の流行りだと思うけれど、Far Cry 3 は無理矢理それを取って付けた感がある。エンディングのシーンに説明を付けると、「(一応ネタバレなので伏せる) 力に支配されてしまうかどうか」と言えると思うけれど、そのテーマは別にストーリーの主眼に置かれていなかった。突然このテーマが出てきたので面食らったプレイヤーが多いと思う。

このゲームはマップが広大でプレイ時間が長くなりがち。そんな時につまらないストーリーが展開されていくと、プレイヤーは同じ事の繰り返しに気付いてしまう。「ストーリーに沿ってマップを移動しているけれど、ストーリー無しに考えると結局同じ事の繰り返しじゃん」と。

あと私には理解不能な行動があった。最後のあたりで味方を救出して脱出する時、ヘリに乗ったのでひたすら逃げれば良いのに、何故か旋回して敵を倒しに行く。訳が分からない…。敵の車を爆破させて「Whooo! Boom!」じゃないよ。「若い = 馬鹿」だと描いている。アメリカはこんな感じなのか。

Fast Travel は良かった

開発者の気配りが見て取れたのは Fast Travel だった。Far Cry 3 はマップが広大で、メインストーリーを追っていくと今までに行ったことのない遠くの場所まで行かなければならないことが良くある。

画面右の "Willis" という「!」のマークのポイントまで行かなくてはならない。「>>」マークが Fast Travel 出来る位置。

遠くの場所まで行かなければならない時、必ず近くに Fast Travel 出来るポイントを置いてくれる。これは有り難かった。地図が分かっていなくても Fast Travel をすればとりあえずメインストーリーは進められるようにしてある。

敵の拠点を制圧するとその場所に Fast Travel できるようになるというシステムも面白いと思う。拠点を攻める意義は大きい。

総評

プレイし始めはプレイヤーが徐々に強くなっていくシステムに魅了されて楽しめた。しかしプレイが6時間あたりを越えた時に、マップが広大なのでこのままサブクエストをしていくとプレイ時間がもの凄くかかると気付いた。そして同じ事の繰り返しが見えてきてしまい、武器が少ない事にも気付き、飽きてしまう前にクリアしようとメインストーリーの進行を急いだ。

その結果、メインストーリーを急いだのは正解だったと思う。Far Cry 3 はだらだら続けているとクリアする前に飽きてしまう、そんなゲームだった。ストーリーの進行に合わせてスキルが徐々に強くなっていったり、武器が徐々に強くなっていったりするともっと面白いゲームになったと思うけれど、Far Cry 3 はそこまで作り込まれていなくて、プレイヤーの強さが発展していかない。彼らが重視する「リアル」を考えると、確かにそうではあるけれど。

こういうのを考えると日本のゲームはそのあたりがうまい。「徐々に強くなっていく感じ」を体験できるのは日本のゲームだと思う。他の話に入ってしまいそうなのでここで終わりにしておくけれど、この点で Far Cry 3 に一番落胆したのは武器の少なさだった。

上に挙げた良くなかったところの他にも気になるところは色々とあった。武器のチェンジが遅かったり、カバーのシステムが邪魔だったり、バグが多かったり。いちいち書かないけれど。

このゲームをプレイする前は Far Cry 3 の特徴である動物の狩りは、私はクラフトに使うのでは無くてプレイヤーの食料に使うのだと思っていた。「リアル」なサバイバルなゲームプレイを目指して、食料は自分で調達せよ、というゲームシステムかと勘違いしていた。

クラフトに動物の素材を使うのも良いけれど、私としてはプレイヤーに食料を調達させるシステムを加えても面白かったように思う。そうするとシステム的にプレイヤーは必ず動物を追わなければならなくなる。動物を狩った後、モンスターハンターのように肉を焼いても面白いかもしれない。こうすれば肉のクラフトシステムが出来たと思う。Don't Starve のように、食料の料理システムを「システム的に必ずしなければならない」かつ「うまくするとプレイヤーに利益がある」ようにすると個人的には面白いと思う。

プレイし始めは Far Cry 3 は Borderlands 2 よりも面白いと思っていたのだけど、全体的には Borderlands 2 に及ばない。Borderlands 2 の方が武器に魅力がある。戦闘自体は Borderlands 2 より Far Cry 3 の方が面白いと思うけれど、スニーク要素に致命的な部分があって初代 Crysis には敵わない。初代 Crysis はそこまでスニーク要素の強いゲームでは無いと思うのだけど、Far Cry 3 をプレイした今考えるとなかなか面白いスニークゲームだったと思う。ただ Far Cry 3 は前作よりも楽しくなっているのは評価したい。

Far Cry 3 はメインストーリーだけを追ってゲームをプレイした方が、ゲームの色々な要素が凝縮されて感じられて結果的により満足感を得られるように思う。楽しいからといってサブクエストをやってプレイ時間を増やしてしまうと、同じ事の繰り返しに気付いてしまい、飽きてしまう。そこでメインストーリーだけを追うようにすると、プレイ時間が少なくなるので武器の少なさも気にならないだろうし、スキルもある程度多いので取得するのが楽しいだろうし、ストーリーもどんどん次を追っていける。これが Far Cry 3 の良い楽しみ方だろう。

ユービーアイ・ザ・ベスト ファークライ3 【CEROレーティング「Z」】

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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