婚前交渉の抜け穴を実戦するベッドシーンはバカらしくて笑った

Prime Videoで見つけた「ジュリー・デューティ ~17日間の陪審員体験~」が凄く面白かったです。面白すぎて一気観してしまいました。

2023
ジェイク・シマンスキ
レビュー件数:17
(投稿時点)

アメリカの裁判(陪審制)がどのような流れで何をやっているか、陪審員に選ばれた人たちを主体にしてドキュメンタリーを作るという企画の番組。

…ですが、陪審員は裁判の事件について外部に話せないので企画が成立しません。

そこで、陪審員の一人を除き、周り全員を俳優で構成してしまえというドッキリ企画になっています。裁判も偽物、原告も被告も弁護士も判事も全て偽物。

ものすごくお金と労力が掛かっています。凄すぎる。

日本のドッキリ番組みたいに、ドッキリを掛けられた人が気分を害したり、汚れたり落とされたり、損をするような意地悪なものではありません。安心して観ていられます。

裁判所は実際にある、ロサンゼルスのハンティントン・パーク上級​裁判所。これは本物です。その一角を借りているみたいです。貸してくれるんですね。それも驚きなのですが。

私は海外のドラマで法廷ものや裁判がたくさん出てくるものをたまに観るので勉強になれば良いなと観始めたのですが、真面目な内容なのかと思ったら予想外にシチュエーション・コメディで笑いました。

普通のシチュエーション・コメディのドラマ・映画よりも面白い。

楽しめた度

ジェームズ・マースデン「『X-MEN』のことは言うな。誰も俺を覚えていない」

今回の企画の陪審員候補に選ばれた1人に有名な俳優がいて、James Marsden(ジェームズ・マースデン)が陪審員候補に選ばれています。

彼はとにかく陪審員に選ばれたくないという人で(演技ですが)、判事が陪審員候補を確認する予備尋問で「僕は有名人だから陪審員に選ばれるとみんなが集中できない」と判事に言って陪審員に選ばれないようにします。

でも判事に「君を知らない」と言い放たれます。周りの人は笑わないでいられるのが凄い。私なら笑ってしまいます。

判事がドッキリを仕掛けられる主役のロナルドに、ジェームズ・マースデンが出演した映画を尋ねます。

ロナルドは隣でジェームズが船場吉兆事件のように囁くのを聞きながら、「X-MEN」「ヘアスプレー」「ソニック・ザ・ムービー」「幸せになる27のドレス」「ウェストワールド」とかを挙げます。

判事「彼がいたら集中できない?」

ロナルドはジェームズが陪審員に選ばれたくないのを知っているので答えにくいのですが、判事の前ですので「僕は平気です」と答え、見事ジェームズは陪審員候補に残ることに。

その後のシーンで、ジェームズ・マースデンがロナルドに向かって「『X-MEN』のことは言うな。誰も俺を覚えていない」と少し怒る場面は笑ってしまいました

怒るのはそこなの? 「『彼がいたら集中できない』って答えろよ」と怒るかと思ったのですが。自虐ネタですね。

ジェームズ・マースデンは法廷もののドラマとして有名な「アリー・my・ラブ(Ally McBeal)」のシーズン5に登場した「グレン」らしい。ジェームズ自ら紹介します。

私はこのドラマが好きなのですが、観たのは随分前だから記憶が…。カエル好きのジョン・ケイジは覚えているのですが…。

誠実そうな青年「婚前交渉ができないから、筆入れをして、誰かにベッドでジャンプして欲しい」

もう一人陪審員に選ばれたくない人がいて、眼鏡を掛けた誠実そうな青年なのですが、彼女と二人きりで旅行に行く予定がある。

「親の監視がないから我慢していたことができる」。この青年はセックスしたいという性欲をほのめかします。これが後のシーンで効いてきます。

ロナルドに「陪審員に選ばれない方法って無いかな?」と訊いて、「アニメで観たのは知ってるよ。人種差別主義者だと言うんだ」。「うん、スマートだ」と納得します。

その後、青年は予備尋問で判事に向かって「I'm a racist」と言って陪審員に選ばれないようにトライするシーンがあって、判事に「本当に?」と言われて、「すみません。違います」とすぐに謝ります。

みんなよく笑わないなと感心してしまいました。全然笑わないのが凄い。

この眼鏡の青年と、この青年を可愛いと言って狙っている女性のベッドシーンには笑ってしまいました。ベッドシーンでこんなに笑ったのは初めてかも。

青年は「その女性に誘われているけど、婚前交渉(penetrative premarital sex)ができないから、『筆入れ(日本語字幕のまま。英語字幕は soaking)』が良いんじゃないか」と、ジェームズとロナルドに相談してきます。

青年「筆入れしているときに、誰かがベッドでジャンプすれば揺れる。自分たちは動いていないけど、ベッドが単に上下にしているだけ。自分たちでは揺れは制御できない」。

なるほど、自分の意志でやっているわけではないから、これが抜け穴で婚前交渉に含まれないらしい。…何を言っているんだろう。

ジェームズが「君たちは単に車をガレージに停めるだけ。それで誰かがやってきてベッドでジャンプする訳か。オーケー」と言って協力します。

ベッドシーンの映像も流れます。ジェームズがベッドでジャンプしているところに、青年が「ペースを落として!小ジャンプ」。

女性は「大ジャンプ!」。青年が「小ジャンプで頼むよ」。「良いジャンプだ」。

あまりにもバカらしくて面白かったです。

ドッキリに引っかかるロナルドがとにかく性格が良い

この番組はロナルドがとにかく性格が良くて成り立っています。こんなに性格が良い人をよく見つけましたね。マイルドな性格をしています。

最後にネタばらしがありますが、準備とリハーサルがかなり大変そうでした。2週間ちょっとはかなり長い撮影期間ですので、イレギュラーなことが起きたときの対策も事前に考えなければならず、ちらっと映る台本がかなりしっかりしていました。

嫌な気分にならないドッキリというのは良いですね。ただ、みんな仲良くなっていくので、仲良くなったのも演技だったのかというのが唯一残念なところ。

ロナルドが「みんなを知って好きになった」と言ったら、ドッキリを仕掛けた側の俳優の女性が「全てが演技じゃなくて、90% は素のままだよ」と伝えたのはこの番組を観ていた側も救われます。

撮影後も関係が続いているようで良かったです。

最後までとても楽しめたのですが、正直なところアメリカの裁判の流れはそんなに勉強になりませんでした。

アメリカの裁判についてはスーパー!ドラマTVの「LAW & ORDER」の解説ページが分かりやすいのでリンクを載せておきます。

普通のシチュエーション・コメディよりも面白いというのは凄い。「ジュリー・デューティ ~17日間の陪審員体験~」はシーズン1と表記されていて、シーズン2があるのか分かりませんが期待しています。

2023
ジェイク・シマンスキ
レビュー件数:17
(投稿時点)

Prime Video: ジュリー・デューティ ~17日間の陪審員体験~

Nomeu / のめう
PCゲーマー

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