「Final Fantasy VIII - REMASTERED」をクリア。実績100%。

以前 PlayStation のオリジナル版を以前最後までプレイしたような、していないような…。エンディングを忘れてしまっていました。

今回リマスター版をプレイしてエンディングまで見て、以前もクリアしたような気がします。たぶん。

リマスター版でも戦闘時の FPS(Frames per second)が 15 というのは驚愕です。

3倍速にすると FPS が 60 になります。なのでほぼ常に3倍速にしてしまいますが、3倍速だと私のコマンド入力が間に合わないことも。

そういえば FF8 は1999年当時に PlayStation だけでなく Windows版も発売された珍しいゲームです。「デスクトップ アクセサリーズ」とかいうのも発売されて、これで FF8 のカードゲームがスタンドアローンでプレイできました。

「ジャンクション」システムが複雑で面倒。これが原因でリメイクされないか

今プレイしてみても、VIIIの「ジャンクション」システムがかなり複雑で面倒なことが分かります。

  1. 召喚獣(GF / ガーディアン・フォース)を味方にする
  2. キャラクターに召喚獣を「ジャンクション」(「割り当てる」というような機能)
  3. 敵などから魔法を「ドロー」して入手する(それぞれの魔法はアイテムのように管理する。「ケアル」が5個など)
  4. キャラクターのステータス(力、体力、魔法、精神など)ごとに入手した魔法を「ジャンクション」
  5. 「ジャンクション」可能なステータスを増やすために召喚獣が覚えるアビリティを選んで成長させる

JPRGで広く使われている、魔法を覚えて MP を使用して使うという従来のシステムではありません。

FF7 でマテリアを装備品に付けて魔法を使うというシステムを作ったので、FF8 ではそれを進化させたかったのかと思います。

しかし、FF8では魔法の「ドロー」がかなり面倒です。戦闘中に敵を倒す前に魔法を吸い取りまくるのです。

リマスター版ではゲームスピードを3倍速にできるので良かったのですが、これを通常の速度でやっていると魔法の「ドロー」で魔法を集めるだけで10分ぐらい使いそうです。

「ドロー」する魔法は上限の100個集めたいです。というのは、ステータスにジャンクションするときに100個あると、ステータスの上昇効果が最大になるからです。

ただここが FF8 のシステムを複雑にしています。例えばステータスの「HP」に魔法「ケアル」をジャンクションしている時、戦闘中に「ケアル」を使って数を減らしてしまうと(100 → 99個など)、ジャンクションの効果が減って最大HPが減ってしまいます。

戦闘中に魔法を使いにくいのです。戦闘でステータスを変化させたくないなら、ジャンクションしていない魔法だけを使う必要があります。

FF8 は戦闘中に考える余計なことが多すぎるのです。

敵が持っている魔法を「ドロー」して数を100個にする、「ジャンクション」していない魔法を使う、使ってしまったら「ステータス」が減る、使いたい魔法と同じ効果のアイテムがあればそれを使う。

敵との戦闘自体を考えるのではなく、戦闘では「ジャンクション」の事が頭の大半を占めます。

戦闘が始まったら攻撃よりも先に、まずは敵が持っている魔法をチェックしなくてはなりません。中ボスが召喚獣を持っていることがあり、FF8 では召喚獣を「ドロー」する前にボスを倒してしまうとその召喚獣はもう手に入りません。

FF8 のリメイク版が今後発売されるか分かりませんが、リメイクするとなると「ジャンクション」システムを根本から変えた方が良いでしょう。となるとかなり大がかりなので、これが原因でリメイクされないのかもしれません。

ストーリーは短く、世界が狭い。スコールの性格は現代人は共感できるはず

FF8 のストーリーはかなり短いです。

私はゲーム内のカードゲームが好きで結構プレイしていたのとサイドストーリーを行ったのでクリアまで27時間ほどでしたが、ストーリーを追っていくだけのプレイをすると10数時間でエンディングを迎えることでしょう。

ゲーム終盤で宇宙船(飛空艇)でワールドマップを駆け巡ることができるようになりますが、街の数が本当に少ない事に気付きます。世界が小さいのです。

ストーリー最終盤でのマップ。黄色いところが街や施設

ファイナルファンタジーにありがちな、軍事国家との戦いが描かれますが、しっかり説明されないのでよく分かりません。FF8 は舞台設定があまり説明されないゲームです。

主人公のスコールが所属する傭兵(SeeD)を育てる「ガーデン」を中心にしたストーリーで、世界のことはあまり描かれません。

ガーデンを飛び出して、いざ世界を移動できるようになると街が本当に少ない。活気の無い世界です。

FF8 は愛をテーマにしたストーリーで、そこは成功しているように思います。ジュブナイルのストーリーで、自分の世界に引きこもりがちな主人公スコールが奔放な「リノア」と出会うことで、人に心を開いていく。

厨二病的な主人公と言われることもありますが、違います。スコールはかなり素直な性格で、自分の考えを人に伝えるのが苦手というだけです。

スコールはそもそも孤児で、子供の頃に孤児院にいたお姉ちゃん役の人(エルオーネ)がいなくなってしまい、ひとりぼっちだから何でも一人でできないといけないと強迫観念にとらわれてしまったのです。

現代人もそうだと思いますが、人を頼るのはハードルが高い。なので人と親交を深めるよりも、自分だけで生きていこうという性格になってしまったのです。

後半スコールは世界のこと(魔女とか世界が終わるとか)はそんなに興味が無く、とにかくリノアを助けたいと行動していく。リノアを救うと世界が救われるので、「セカイ系」のストーリーと言えるでしょう。

エヴァンゲリオンのアニメが 1995年。FF8 は 1999年。このあたりの時代は「自分の殻」という言葉がよく使われていました。人との繋がりが希薄になっていった時代で、FF8 のストーリーも当時の日本を反映しているように感じます。

なお、この後日本では「"キャラ" を演じる」「"キャラ" の枠に当てはめる」時代に入っていきます。自分の殻に閉じこもるより、パターン化された「キャラ」を演じて、合理的に表面的に人と(親とも)付き合うようになっていきます。よって本当の友達がいない時代に突入します。

リノアがスコールに言う「人とあまり関わらず、人に触れてこなかったのは、人生の楽しいことを逃してきたんだね」という言葉は刺さりますね。

人に触れると安心する、人と一緒にいると安心するというのは人間の本能的な部分です。こういうことを教えてくれる存在は大切です。

FF8 は近年映画で描かれるストーリーに似て「ダメな男が自由奔放な女性と出会うことによって良い方向へ導かれていく」というストーリーです。

アンデシュ・ハンセン著「スマホ脳」などで説明されるように、現代人はスマートフォン(のアプリ)に脳が支配されています。

スマホさえあれば一人で生きていけるというのも分かりますが、それって違うのでは無いだろうかと気付いた人は、リノアの言う人間の本来的なことに共感できるはずです。

2020-11-18 / 新潮社
アンデシュ・ハンセン (著), 久山葉子 (翻訳)
レビュー件数:6,945
(投稿時点)

もっと綺麗な映像で見たい。リメイクを期待したいが…

FF8 は当時はかなり綺麗な3Dでとても話題でした。海を見たことがない3Dデザイナーを海まで連れて行ったなどの逸話もありました。

しかし今見てみると、のっぺりしていますね。仕方が無いのですが。

プレイステーション1の時代の映像は解像度が低く、何が起きているのか分からないことが多々あります。

エンディングで雲が消えていき光が差し込むシーンは、最新の3Dで見るととても綺麗なんだろうなと想像していました。すごくもったいない。

FF8 は FF7 よりも、FF9 よりも人気がないようでリメイクは期待できないかもしれません。

FF8 の人気が無いのはゲームシステムが悪いのと、ストーリーが「ファンタジー」というよりは主人公の成長や愛に焦点があるのが原因かもしれません。

それまでのファイナルファンタジーとは毛色が違います。ファンタジー色が薄いのは FF15 もそうで、これもちょっと人気が無い感じがあります。

私は FF8 は音楽が綺麗で好きです。植松伸夫さんの集大成というか。この後、植松伸夫さんはあまり曲を作らなくなっていきます。

FF8 は FF7 のリメイクのようにアクションゲームとしてならリメイクが期待できるのかも。FF8 にはガンブレードなどもありアクションゲームの方が世界観が合っているように思います。

Nomeu / のめう
PCゲーマー

ゲームに没頭している時間は幸せ。

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