
Logicool の「G PRO」に似た形状の、エレコムのゲーミングマウス「VM500」を買ってみました。
そろそろワイヤレスマウスにしたいなぁと思い、「ワイヤレス」「軽い」「ホイール手前にボタンがある」「被せ持ちしたい」という条件で探し、「VM500」を見つけました。
「VM500」の上位グレード「VM600PE」もありますが現時点で8500円ほどで、その金額なら Logicool とか Razer とかのワイヤレスマウスも候補にできるため、今回は下位グレードの「VM500」にしました。
目次
ワイヤレスで 75g は軽くて良い
「VM500」は 75g で、「Logicool G403h」は 87g。10g ほど差があり、明確に軽いです。軽いのは良いですね。
「被せ持ち特化」らしいが、被せ持ちはできない
私は手のひらの長さ(指の先端から手首の付け根まで)が 20cm くらいで、被せ持ち派です。
「VM500」は説明で「右利き&かぶせ持ち・つかみ持ちに特化」と書かれていますが、マウスの背(高さ)が低く平べったいので被せ持ちには向きません。
平べったいマウスは掴み持ちか、つまみ持ちでないと使えません。
平べったいマウスに手をべたっと付けて被せ持ちするのは手首に悪いです。
接地面積が少ないソールの形状。ゴリゴリ音がする。付属のソールで面積を調節可能
マウスのソールは上の写真のように白い円の部分です。周りの5箇所と、マウスのセンサーの周りをぐるっと囲んでいます。
Logicool などは接地面積の大きいソールですが、こちらは接地面が少なく滑りやすいです。固めのソールでマウスを動かすとゴリゴリと音がします。
面積の大きなソールが付属していて、それを自分で貼ることで接地面積を増やせます。
接地面積が大きい方がなめらかな動きになり、私はこちらの方が好みです。
クリックが認識されないことがある。クリック音がかなり大きい
レシーバーの問題か、マウスの構造のせいか分かりませんが、マウスを左クリックしても反応しないことがたまにあります。
発生しやすい状況が分からないのですが、クリックしても反応が無いのは結構気になります。
クリックは深めのため、クリックの音がカチッと鳴っていても、内部のスイッチが反応していないのかもしれません。
ちなみにクリックの音は大きいです。カチカチと鳴り、ちょっとうるさいです。
マウス側面がかなり滑ってストレスだが、軽いのでマウスは何とか持ち上げられる
マウスは全体的にシボ加工されており、かなり滑ります。側面が滑るとマウスを持ち上げるのが大変です。
側面は滑る材質ですが「VM500」は 75g と軽いので何とかマウスを持ち上げられます。
しかし、頭の片隅で「手から滑り落ちるかも」と注意してしまい、ちょっと手の力を強めにしてマウスを持ち上げてしまいます。
「マウスを持ち上げるときは気を付けないと」とちょっとだけ脳の意識が奪われるため、これがストレスです。
小さなストレスですが、だんだんと積もり積もってマウスを持ち上げるのが億劫になります。
ちなみに上位グレードの「VM600PE」にはグリップシートが付属しています。ただ私はそもそも側面をラバーにしてくれた方が嬉しいです。
リフト・オフ・ディスタンスが長い
リフト・オフ・ディスタンスが長いです。
このため、マウスを持ち上げたときにもマウスカーソルが動いてしまい、かなり使いにくいです。
マウスカーソルの動きが悪い。MouseTesterで計測してみると…
「VM500」を使った後に「Logicool G403h」を使うと、「G403h」のマウスカーソルの動きの滑らかさに驚きます。
こんなに差があるのだろうかと不思議です。
「VM500」のマウスセンサーは「PixArt PAW 3311DB」です。
あまりにも「VM500」のマウスカーソルの動きが気になるので「Mouse Tester」でデータをとってみました。
「VM500」のファームウェアは 2023/3/23 の時点で最新のものを使用しています。
ワイヤレス接続
まずは「VM500」を 2.4Ghz ワイヤレス接続した時のデータ。
↑「VM500」ワイヤレス接続、800DPI、1000Hz、手首だけで楕円を描いたときのデータ。xyカウント。
↑「VM500」ワイヤレス接続、800DPI、1000Hz、18cmくらいの距離を左右に往復したときのデータ
カウントがうまくできない時が多いのがグラフで分かります。ここまでばらつくことがあるんだなぁ…。
ワイヤレスの距離は受信機(レシーバー)から 100cm 、10cm と変えてみましたが、データはほぼ同じです。
Amazonのレビューを読むと「マウスカーソルがガクガクする」というレビューがいくつかありますが、これはマウスの動きをうまくカウントできていないからでしょう。
マウスパッドのせいもあるかなと疑い、マウスパッドを変えたり無くしたりしてみましたが、それほどデータは変わりませんでした。
もしかしたらワイヤレス接続しているせいかもしれません。USBの有線接続で試してみましょう。
有線接続時
↑ 「VM500」有線接続、800DPI、1000Hz、手首だけで楕円を描いたときのデータ。xyカウント。
↑「VM500」有線接続、800DPI、1000Hz、18cmくらいの距離を左右に往復したときのデータ
2.4GHz無線接続のときよりもグラフが綺麗で安定しています。
先ほどの無線通信時のデータと比べると、「VM500」は無線通信がうまく行えていないと言えます。「VM500」は無線よりも有線で使った方が良さそうです。
それでもラインからはみ出してカウントが少なくなったり多くなったりしていて、「VM500」のセンサーは信頼できません。
有線の方がセンサーのカウントがうまくいくのは分かりましたが、「VM500」を有線で使うなら他に良い有線のマウスがありますので「VM500」をわざわざ使う理由がありません。
比較用の「Logicool G403h」のデータ
「Logicool G403h」のグラフも載せておきます。設定は同じで、800 DPI、レポートレート(ポーリングレート) 1000Hz、同じマウスパッドです。
↑「G403h」有線接続、800DPI、1000Hz、18cmくらいの距離を左右に往復したときのデータ
ラインから大きく外れてカウント数が異なることが少なく、完璧では無いですが綺麗なグラフです。
「VM500」より「G403h」の方がマウスカーソルの動きが圧倒的に滑らかだなと感じていましたが、その裏付けが取れました。
まとめ: 買うなら上位グレードの「VM600PE」。でも他の選択肢がある
エレコムのゲーミングマウスは以前「M-DUX30BK」を使ったのですが、エレコムのマウスには良い印象はありません。

しかし「VM500」はワイヤレスで軽く、価格も安くて魅力的です。「Logicool G PRO」に似た形のため、「G PRO」の価格が高いと思っている人にも代替品として魅力的でしょう。
今回買って使ってみた印象としては、「VM500」は気になるところが多く、おすすめできません。
マウスをインターネットのブラウジング程度にしか使わない人なら満足できるでしょう。つまり「VM500」はゲーミングマウスでは無く、エレコムが販売しているゲーミング用ではない一般向けのマウスみたいなものと認識した方が良いでしょう。
ホイール手前にボタンがあるのは私はとても好きなのですが…。
もし「VM500」を買うなら上位グレードの「VM600PE」の方が良いです。
「VM600PE」の方がセンサーが良いですし(PixArt PAW3395DM + D sensor)、リフト・オフ・ディスタンスがツールから調節できます。
「VM500」は価格が安いのですが、センサーが悪く、リフト・オフ・ディスタンスが長くて調節不可能で、無線での利用はマウスカーソルの動きが悪く、クリックが反応しないときがありレシーバーかスイッチには問題がありそうで、安物買いの銭失いになるかと思います。
「VM500」も「VM600PE」も徐々に価格が安くなってきていますが、現時点では「VM600PE」の価格は 8,500円ほどです。
この価格ですと有名どころのゲーミングマウスも購入の候補にできる金額です。
エレコムのゲーミングマウスを買う人はあまりゲーミングデバイスに詳しくない人が多いでしょうから、エレコムのデバイスを購入するのは踏みとどまって、他社の人気のゲーミングマウスを買った方が良いと思います。
Amazonのゲーミングマウスの売れ筋ランキングを見るなどして、エレコムのマウスを買う前に他のマウスを調べてみて欲しいです。
私は被せ持ち派で、ホイール手前にボタンが欲しいのでマウスの選択肢がかなり少なくなってしまうのですが、この条件が無い人の方が多いでしょう。そういう人は選択肢がたくさんあります。
「Razer Basilisk X HyperSpeed」も軽くて価格が安いですし、「Razer DeathAdder V2 Pro」も良いでしょう。
Logicool なら、いっそのこともう少しお金を出して「G PRO」にして長く使うのも良いですし、ちょっと重めですが「G703h」も人気です。小さめのマウスでつまみ持ちができるなら「G304」は価格が安くて軽いです。
やはり Logicool と Razer が人気です。エレコムのゲーミングデバイスはまだ不安が多く、面倒なトラブルやストレスを避けるためにも、こうした有名どころのマウスを買った方がストレスフリーです。
今回はエレコムの「VM500」を通じて「Logicool G403h」の出来の良さを再確認することになってしまい、Logicool と Razer のマウスは価格が高いものもありますが、なんだかんだで価格分の価値はあることが分かります。
私も良いマウスを探しているのですが、なかなか「Logicool G403h」から離れられません。無線で、軽くて、ホイール手前のボタンがあって、被せ持ちできる、あまり価格の高くないマウスを探しています。