良いところが見つからないゲーミングマウス。お勧めするのは罪深い。エレコム『M-DUX30BK』レビュー
「Logicool G403h」のホイールが壊れ、保証期間中なのでサポートに連絡をしたのですが、なかなか返信が無いので代わりのマウスを買うことにしました。
被せ持ち派としては良さげなゲーミングマウスを見つけるのが大変で、「G403h」を交換してもらうまでの繋ぎだから価格の安いのでいいやとエレコムのゲーミングマウス『M-DUX30BK』にしてみました。
Amazonでは高評価です。1600円くらいなので、これに満足できるならコスパは最強です。
目次
思ったよりも小さい。つまみ持ち派のマウス
私が今使っている「Logicool G403h」と並べてみました。予想よりも小さい。
感覚的には「G403h」の 2/3 くらい。被せ持ちしようとしてもマウスの背の高さが足りません。掴み持ちのように持つと、人差し指の付け根しかマウスにペタッと付けられません。
被せ持ち派としてはマウスに手の重さをかけられず、疲れるマウスです。掴み持ちしようにも背の高さが足りず、マウスの長さも足りない。
このマウスはつまみ持ち用のマウスです。
どこもかしこも、とにかく滑る
マウス全体がシボ加工されていて、マウス表面がかなり滑ります。上の写真を見ると質感が分かりやすいと思います。小さなでこぼこがシボ加工です。
シボ加工は汚れが付きにくいかもしれませんが、これはやめて欲しい。マウスのサイドはラバー(ゴム)のものが持ちやすいです。
シボ加工だと滑るからマウスを持ち上げるのも億劫になります。
サイドボタンにまでシボ加工が。シボ加工がないのはホイール手前のボタンと、左クリックの横にあるボタン、小指が接する面だけです。
何を考えて作ったんだろう…。これでゲーミングマウスを名乗るとは。
北斗の拳のOP曲「TOUGH BOY」で、「♪どこもかしこもシボだらけー」というのがふと頭に浮かびました。
マウスセンサーが中央にない。マウス底面の中国語にゲンナリ
マウスの裏側を見てみると、マウスセンサーの位置が中央ではありません。写真では中央から右にずれています。
中央ではなく親指側にマウスセンサーの位置がずれているため、「G403h」などのセンサーが中央にあるマウスになれているとかなり使いにくい。
真横に動かそうとするのですが、30度くらい斜めにマウスカーソルが動きます。
そして裏側のプリントに中国語があります。
「産品名稱: MMO遊戯滑鼠」。たぶん商品名で、「MMOゲーミングマウス」でしょう。
最近はほとんどのモノが Made in China ですが、中国語が多いと日本向けに作った製品ではないのだなと感じられてゲンナリです。
日本語は「困ったらこちら」だけです。
なお、ソールはツルツルでマウスが止まりません。
ホイール手前のボタンが押しにくすぎる
ホイールの手前にボタンが付いています。
私はホイール手前のボタンが付いているマウスが好きです。私はここにホイールクリックを割り当てて使います。
ほとんどのマウスでホイールはクリックしにくいのですが、ブラウザーなどで「ホイールクリック」という機能は使いたい。そこでホイール手前のボタンに割り当てて使っています。
「G403h」はホイール手前のボタンがとても押しやすいです。クリックも浅くて良い。
「M-DUX30BK」のホイール手前のボタンは、出っ張りがある構造です。
問題なのはこの出っ張りを手前に引くようにしてボタンを押さねばならないこと。
何を考えているのか分からないのですが、出っ張りの奥(ホイール側)はボタンの押し込みができません。出っ張りを引っ張らないといけないので、マウスの持ち方を変えないと指が届きません。
なんだこれ。
ホイールは Logicool のオフィス向け製品にそっくり
ホイールは Logicool のオフィス向け製品に似ています。「M705」とか。
見た目も似ています。たぶん真似たのでしょう。
ノッチの角度が浅く、カタカタカタと素速いスクロールが可能です。
オフィス向けのホイールで、ゲーム用ではありません。
ホイールクリックのための押し込みは、ホイールがふにゃっとするので少し難しい。これも「M705」に似ています。
左右クリックがやや深い。左クリックの横のボタンは深すぎる
左右クリックはやや深め。ゲーミングマウスに慣れていると使いにくいです。
あと、左クリックの横に付いているボタン(G1ボタン)ですが、これはクリックが深すぎます。
間違って押してしまうのを防ぐためかとも思ったのですが、かなり押し込まないと動作しません。これでは使い難すぎます。
あれ、商品画像と違うぞ…。間違い探し
商品画像を見ていて気付いたのですが、違う箇所があります。ちょっと見比べてみて下さい。
エレコムの商品画像では左クリックの横のボタン(G1ボタン)もシボ加工されているのですが、届いた製品はツルッとした安っぽい平らなプラスチックです。
あ、G7ボタンも違いますね。G7ボタンはサイドボタン群の一番手前にある丸いボタンです。
シボ加工されていない方が滑らなくて良いのですが、写真と違うのはまずいでしょう。
エレコムの写真と比べると実物は安っぽい。コンセプト画像でしょうか。この写真を見たからサイズが大きめのマウスだと思っていたのですが、実際は小さかったです。
マウスの設定ソフトは漂う中華MMORPG感
「M-DUX30BK」のマウスの設定ソフトウェア(ユーティリティ、ツール)はごちゃっとしています。
なんか一昔前の中国や韓国のMMORPGでよくあるような、あの感じ。
ただまぁ出来は悪くないです。リフトオフディスタンスを検知して設定できるのも面白いし、直線補正もON/OFFできる。でもゲーマーには直線補正は要りません。
ボタンの機能の割り当てがちょっと見辛い。
うーん、MMORPG感が漂うデザインです。
まとめ。買って失敗
良い点
- うーん。ある?
悪い点
- 作りが安っぽい。材質が安っぽい
- 左クリックの横のG1ボタンとサイドボタンのG7ボタンが商品説明の写真と違ってシボ加工されていない
- マウスの表面が滑る。持ち上げにくい、サイドボタンも滑って押しにくい
- ゲーミングマウスを名乗りながら、マウスセンサーが中央にない。マウスカーソルを真横に動かすのが難しすぎる
- クリックがやや深い
- ホイールのノッチの角度が浅く、ゲーム向けではない
- ホイール手前のボタンが押しにくすぎ
- 左クリックの横のボタンはクリックが深すぎる
- ソールがツルツルでマウスがとまらない
- コードが太め、短め
買って後悔しました。「G403h」の交換までの繋ぎにしようと思っていたのですが、使い難すぎる。
特に、マウスセンサーが中央にないため、「G403h」と同じ感覚で動かすとマウスカーソルが斜めに動いてしまうのが辛い。
Amazonで高評価だったので買うのを決めたのですが、高評価している人たちは何を考えているんだろう? よく見るとレビュワーの質が低いことに気付くべきでした。
「M-DUX30BK」が安いとは言っても、もう数百円出すだけで「Logicool G300Sr」が買えますので、こちらの方が遥かに良いです。
ただ「Logicool G300Sr」もマウスセンサーが中央にないので注意して下さい。ゲーミングマウスは安いもの以外はマウスセンサーが中央にあるのが普通です。
センサーの位置が変わると修正に時間が掛かるので、ゲーマーは今後のことも考えて始めからセンサーが中央にあるマウスを選んだ方が良いです。
「MSI Clutch GM08」は1000円台の安いマウスですがセンサーが中央にあります。ただMSIというのが不安要素ですね。もう少しお金を出して良いマウスを買った方が良さそうです。
「M-DUX30BK」は10ボタンマウスですが、ボタンの数を14ボタンに増やした「M-DUX50BK」も販売されています。
サイドボタンが増えていますが、普通の人はこの密集具合だとうまく押せません。しかもシボ加工で滑りますので、瞬時に押すのに向かず、ゲーム用としては不向きです。
「M-DUX30BK」は全くお勧めできません。今は Logicool や Razer などの有名どころでも安くて高性能なゲーミングマウスが増えてきたので、「M-DUX30BK」を買うお金をそちらにあてることをお勧めします。
「M-DUX30BK」をお勧めしている人は本当に罪深い。
というか、「M-DUX30BK」がゲーミングマウスと名乗っているのがそもそも罪深い。多ボタンということだけに喜ぶ人向けのオフィス用マウスです。