悪魔と科学と狡猾な洗脳。ホラーすぎない、緊張しすぎない丁度良いバランス。敵の心理学者の洗脳が不気味な通奏低音『イーヴィル:超常現象捜査ファイル』レビュー

2022/08/16

久しぶりにのめり込めたドラマで本当に面白かった。「イーヴィル:超常現象捜査ファイル」。

ドラマは刑事ものとかが多い中、サイコホラー・サスペンスのドラマとは珍しい。展開も早くてダレない。

「超常現象捜査ファイル」なんていう変な副題が付いてしまっているのですが、オカルト的な超常現象がメインではありませんし、捜査がメインでもありません。

原題が「Evil」と短いのでタイトルをもう少し長くしたかったのかもしれません。「イーヴィル」「エビル」だけだとちょっと味気ない。

海外ドラマは「~捜査ファイル」とか「超常現象~」という邦題が多く、それに倣ったのでしょう。でもこれだと凡庸なドラマに思えてしまってもったいない。

「フリンジ」「スーパーナチュラル」のような超常現象ドラマではありません。シーズン1を見た限りでは悪魔らしきものとの精神的な戦いがメインです(本当の悪魔は出てきていない)。

馬鹿な行動(イディオット・プロット)があまりなく、素直に観ることができます。馬鹿な行動をしてちょっとイライラさせられるのは主人公の4人の子供ですが、まぁ子供なので仕方が無いかなと思えます。

楽しめた度

ホラーとサスペンスが丁度良いバランス。一話完結型だが不気味な洗脳が通奏低音

このドラマはサイコホラー・サスペンス要素が強いのですが、あまりにもホラー過ぎない・緊張しすぎない丁度良いバランスです。

ドラマとしてはこのくらいが丁度良い。映画なら大体2時間で緊張感から解放されるので良いのですが。ドラマだと毎話ものすごい緊張感があると疲れてしまいます。

科学・IT・宗教のスペシャリスト3人で、教会に寄せられた相談が悪魔の仕業なのかそれとも科学的に説明が付くのかを調べるのが仕事。1つの案件の解決までが1エピソードになっていて、一応1話完結型のドラマです。

でも主人公に敵対する心理学者がいて、エピソードを追う毎に主人公ではなく家族が彼に徐々に洗脳されていきます。

主人公は家族が彼に洗脳されていることに気付けません。ゆっくりと主人公の家庭が蝕まれていきます。

これが不気味な通奏低音となってなんとも言えない緊張感が漂います。

Hulu による紹介動画

悪魔と科学。悪魔払いの前に他の可能性を考える

神や悪魔を信じていない女性の心理学博士(クリステン)が私にとっては嬉しくて、悪魔が引き起こした様に見える現象を科学・医学的に説明できるかをまず考えてくれます。科学優位にストーリーが進むのでこの展開が現代に合っています。

そしてITや化学に詳しい人もいて(ベン)そちらの方面からもチェック。クラッキングの探知やディープフェイクを使えるほどの知識があります。

教会に寄せられた相談に対してなぜこんなことをしているのかというと、今は悪魔払いはしっかりとした証拠がないとできないからです。

黒人の男性がキリスト教の司祭になる修行中で主役の一人(デヴィッド)。彼は本当に悪魔の仕業なのかどうかを周りの意見を聞いてチェックします。何でもかんでも悪魔のせいだ、神のおかげだと言わないので好感が持てます。

キリスト教に馴染みのない日本人にとっては全部が神の思し召しとか言われるとそれで良いのだろうかと思ってしまうのですが、このドラマは意外にも宗教要素は少なく、ホラー・サスペンスがメインになっています。

敵の心理学者が不気味な通奏低音。周りの人を洗脳してクリステンを徐々に追い込むサスペンス

法廷で心理学博士クリステンが後に敵になるタウンゼンド博士(眼鏡の男性)と出会います。

彼は悪魔の化身のように描かれているのですが、でも人間っぽいところもあり、どっちなのか判断が付きません。クリステンに話しかけて「お前のことは全て知っているぞ」と脅したり、周りの人を使ってクリステンを追い込んでいきます。

かなり間接的に攻めてきます。彼はカウンセリングなどを介して周りの人を洗脳し、その洗脳した人を使ってクリステンの家族に徐々に入り込みます。

「彼が原因だと気付いてくれ、クリステン!」とドラマを観ながら思うわけですが、彼女はタウンゼンドの企みだとは気付けません。関連が遠すぎます。

タウンゼンド博士が原因だと気付いてくれれば観ている側も緊迫感の解消ができるのですが…。

このドラマでは家族が洗脳されて何か起きるのではないかという不安感がずっと付きまといます。

ただし、ものすごい緊迫感になることはなく、そこは丁度良いバランスでした。

タウンゼンド博士役の俳優の顔が良くて、人畜無害そうなちょっととぼけたような顔をして小物感があるのですが、クリステンに対して発する言葉はとんでもなく攻撃的です。そのギャップが凄い。

シーズン2まだかなぁ

アメリカでは既にシーズン3まで放送されています。

日本では Hulu の独占配信でシーズン1までしかありません。

アメリカではシーズン1が2019~2020年、シーズン2が2021年、シーズン3が2022年の放送。

日本でもそろそろシーズン2を公開して欲しいです。シーズン1の吹き替えは悪魔の声などのエフェクトもバッチリでレベルが高くて良かったです。

現時点では Hulu でしか観られないドラマですが、Hulu に加入している人はこのドラマを是非チェックしてみて下さい。展開が早くて1話から面白いです。

映画「エクソシスト」へのオマージュもあり、夜に悪魔払いに出向くときに家の前に立って光で照らされる例のシーンに似たシーンがありました。映画のジャケットになっているあのシーンです。

最近観たドラマの中ではかなり楽しめました。

サスペンスが好きな人にはかなりお勧めできます。

Huluで観る

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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