「Xbox Cloud Gaming」を試して好印象。ゲームのダウンロードが必要なく、CPU/GPUの負荷もなく、電気代も掛からず。キーボード+マウスが使えると勘違いしていた
Xbox Game Pass Ultimate の「Xbox Cloud Gaming (Beta)」を試してみたのですが、なかなか好印象です。
もう少しするとクラウドゲーミングサービスが流行ってくるかと思いますが、今のところ日本でPCから利用できるサービスとして一番良いのは Xbox Cloud Gaming でしょうか。
GeForce Now もクラウドゲーミングサービスなのですが、プレイするゲーム自体は自分で個別に買う必要があります。描画処理だけを任せるサービスです。ちょっと価格が高いです。
一方 Xbox Cloud Gaming はクラウドゲーミングでプレイできるゲームも月額料金に含まれています。インディーゲームが多めですが、現時点で数百個のゲームが提供されています。
実は私が一番期待しているのは PlayStation Plus のクラウドゲーミングなのですが、現時点ではPCからは利用できません。早く試してみたいです。
目次
「プレイ」を押すだけ。特に何もする必要が無い
現在 Xbox Game Pass の Ultimate プランに加入しているので、せっかくだから「Xbox Cloud Gaming」を試してみました。
すごく簡単です。提供されているゲームからプレイしたいタイトルを選んで「プレイ」を押すだけ。
するとこんな画面が表示されます。
ゲーム開始前の待ち時間です。私が試したときは大体10秒ぐらいで待ち時間が終わりました。
ラグは少しあるがゲームによって違う
ラグをチェックするにはFPSが良いかなと思い、「Back 4 Blood」を試してみました。
思ったよりもラグを感じません。自分のPCで動作させている時と比べてわずかにラグを感じますが 30~50ms の遅延という感じ。
このくらいなら十分にプレイ可能なラグです。
ただ、結構なラグを感じたゲームもあり、それは「ドラゴンクエスト XI」。
FPSゲームよりもラグを感じるのはおかしな気もしますが、こちらは 100ms くらいの遅延がある感覚です。
カメラの視点を回そうとしてスティックを倒すとワンテンポ遅れてカメラが動き出します。かなり気になるラグです。
動作もちょっとカクつきます。動作フレームレートが 30fps なのかなぁと感じます。
それに映像が汚いのが結構分かります。
ゲーム画面全体のスクリーンショットを見るとそこそこ綺麗に見えるかもしれませんが、特に顔が気になるので画面上のほぼ等倍で切り抜いてみました。
ストリーミング動画の解像度は書かれていませんが、たぶん 720p あたりです。これを全画面表示していますので拡大表示になります(720p → 2560x1440)。
「Back 4 Blood」は画質が気になりませんでしたが、「ドラゴンクエスト XI」は気になります。
そもそもの話として、「ドラゴンクエスト XI」の方がゲームの描画処理が重いのかもしれません。
Xbox Cloud Gaming ではたぶんXbox版の「ドラゴンクエスト XI」をクラウド上で動かしているかと思いますので、Xbox版の「ドラゴンクエスト XI」はこれが本来の画質・動作の重さなのかもしれません。
「Back 4 Blood」よりも「ドラゴンクエスト XI」の方がラグが気になるというのは意外でしたが、他のゲームも試してみたところでは大体 30ms~50ms のラグという体感です。
このくらいのラグならそれほど気にならないゲームが多いかと思います。
キーボード+マウスが使えると勘違いしていた。ゲームはXbox版が動作する
私が勘違いしていたのはクラウドゲーミングでもキーボード+マウスが使えると思っていた事です。
上でも書きましたが、Xbox Cloud Gaming ではXbox版のゲームが動いているようです。PC版では無く。
「そういえばゲームのグラフィックスのオプションってどうなっているのかな」と気になって、「Back 4 Blood」でオプションを開いてみて確認できました。
グラフィックスの描画設定はなく、なるほどXbox版なのかと。
確かにユーザーにグラフィックスの設定を変えられるとサーバーリソースの確保や設定に困るし、Xboxと同等なら動作環境が一律になってシステム的に楽ですね。
調べてみるとXboxのゲームでもキーボード+マウスに対応しているものもあり、「GEARS 5」がそうらしい。
「GEARS 5」は Xbox Cloud Gaming で提供されているので実際に試してみたところ、ゲーム内ではキーボード+マウスが接続されていませんでした。
Xbox Cloud Gaming では全てのゲームにおいてコントローラーのみが接続されている状態のようです。
PCでのクラウドゲーミングだと、やはりFPSやTPSゲームはキーボード+マウスを使いたくなるところではあります。今後に期待ですね。
ゲームのダウンロードが必要ない。CPU/GPUの負荷も無い。電気代も掛からず
いくつか試してみてクラウドゲーミングの利点だと思ったのは、ゲームデータのダウンロードが必要ないこと。
自分のPCで動作させるには数十GBのデータのダウンロードが必要なゲームでも、クラウドゲーミングならすぐにゲームをプレイできます。
私は Xbox Game Pass をゲーム購入前の吟味(デモ・お試し)として使うこともあるので、ゲームのダウンロードをしなくてもサクッとプレイしてどんな感じのゲームか体験できるのは嬉しいです。
ちょっとプレイしてみて良さそうなゲームとか、Steam Workshop でMODがあるゲームだとSteam版を買います。
また、ゲームを実際にPC上で動かしているわけではないので CPU/GPU への負荷がありません。
細かく言うと完全に負荷が無いわけではなく、ストリーミング動画を見ている状態なので動画のデコードの負荷はありますが、それはPCで動画を見る時とほぼ同じような小さな負荷です。自分のPCでゲームを動かしているのと比べると本当に軽い。
動作の重いゲームはグラフィックカードが使う電力が意外と大きいので、ゲームの動作処理をクラウドサーバーに任せられるのは電気代の面での利点もあります。
あと、今回「ドラゴンクエスト XI」をプレイして驚いたのですが、ゲーム起動時にセーブデータが同期・共有されます。
私は Xbox Game Pass でPC版の「ドラゴンクエスト XI」をダウンロードしてプレイしていたのですが、そのセーブデータがクラウドゲーミングでのプレイでも使えました。
どこでも同じセーブデータでプレイできるのは良いですね。
クラウドゲーミングは流行りそうです。私はすごく期待をしています。
インターネットの通信速度は 15Mbps が必要
データ通信量をチェックしてみたところ、映像は最大 15Mbps の VBR(可変ビットレート)に設定しているのかなという印象です。
Xbox Cloud Gaming の説明ではサービスの利用に最低 10Mbps が必要で、映像に制限が掛からないようにするには 20Mbps が必要だと書かれています。
GeForce Now の説明でも 720p/60fps の場合はインターネット速度 15Mbps が必要と書かれています。1080p/60fps だと 25Mbps らしい。
Xbox Cloud Gaming は画質・解像度の設定は無いのですがたぶん 720p でしょう。現在 Beta らしいので解像度は今後改善されるのを期待します。
たぶんどのクラウドゲーミングサービスもそのくらいの通信速度を基準にしているかと思います。
今後良いコーデックが発明されたりするともっと通信が楽になりそうです。
PlayStation Plus のクラウドゲーミングが楽しみ。GeForce Now も良いかも
今回「Xbox Cloud Gaming (Beta)」で今のクラウドゲーミングの状況を試してみたところ、とても好印象です。
ゲーミングPCを買わなくて良い時代が意外と早めに到来しそうです。流行ると良いなぁ。
「PlayStation Plus」のクラウドゲーミングは現在PCでは利用できないのですが早く試してみたいです。PCでPlayStationのゲームができるのは嬉しい。
ゲーミングPC(または PlayStation 5)の購入代、電気代、ゲームの購入価格などを含めて考えると、PlayStation Plus プレミアムの年間 10,250円は払っても良いと思えます。
一方「GeForce Now」は既に持っているゲームの描画処理を任せるタイプのクラウドゲーミングで、これも面白いサービスです。インターネット経由の外部GPUのようなものです。
Xbox Game Pass では提供されているゲームのクラウドゲーミングしかできませんが、GeForce Now ならどのゲームでも描画処理を任せられるのでその需要はありそうです。
ただ今のところどのゲームでも対応しているという訳では無く、対応ゲームを増やしているところです。対応ゲームのリストはこちら。
ラグの問題は簡単には解決しないでしょうから、ラグにシビアなゲームはクラウドゲーミングでプレイするのでは無く、個別に購入して実機でプレイする形になりそうです。
ラグの問題が解決するブレイクスルーを期待しています。そうなるともうゲーミングPCや家庭用ゲーム機が要らなくなりますね。