魅力はあるがゲームの底が浅いので繰り返しに気付くとすぐに飽きる。西部劇の見下ろし型シューター『Weird West』レビュー

2022/04/05

「Weird West」2022/3/31 リリース。見た目は良さそうだったのですが、非常に惜しいゲームです。

「『Dishonored』と『Prey』の共同制作陣による新たな没入型シミュレーションゲーム」という謳い文句なのですが、没入感が足りません。

「Weird West」はゲーム映像を見ると Real Time Strategy(RTS)ゲームに見えますが、実際はアクションゲーム。見下ろし視点でのシューティングゲームです。

謳い文句の「没入型シミュレーションゲーム」というのはジャンルが間違っています。西部劇っぽい世界観の舞台で、主人公をプレイヤーがロールプレイするのでそれをシミュレーションゲームと呼んでいるのでしょうか。

異質な英雄たちの運命が複雑に絡み合う『Weird West』の世界を生き残りながら謎を解き明かそう。『Dishonored』と『Prey』の共同制作陣が、この新たな没入型シミュレーションゲームを手がけている。

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没入型シミュレーション:あなたの決断がキャラクターや派閥、土地にさえも影響を与える『Weird West』の世界で、さまざまなプレイスタイルを楽しもう。

たぶん「ロールプレイ ⊂ シミュレーション」という考えなのだと思います。日本だと「シミュレーションゲーム」がディスガイアのようにマス目で動かすゲームを指すこともあり、「シミュレーション」の意味の広さは海のようです。

基本的にはステルス(スニーク)タイプのプレイスタイルがメインとなり、画面右上のミニマップに表示される敵の行動を読み、背後を取って一発で気絶させます。気絶させた敵は草むらに隠したりできます。

こそこそ行動するのでは無く、正面から撃って攻撃することもできるのですが、銃・弓などの弾が手に入りにくい&価格が高いです。敵に気付かれていない状態で攻撃するとダメージが高いので、この点からもステルスタイプのゲームと言えます。

楽しめた度

最初はとても楽しいが、クエスト受注型なので同じことの繰り返しに気付いて飽きる

このゲームはクエスト(ミッション)を受注し、それを達成してストーリーが進んでいくタイプのゲームです。

プレイし初め2時間ほどはクエスト受注型のゲームだと分からないのでとても楽しい。見下ろし視点のシューティングゲームなので悪くないプレイ感です。

でも次第に、「戦闘が単調だな」「あれ、同じことばかりしているな」と気付いて飽きてしまいます。

メインクエストのストーリーは一応あります。最初の主人公の場合、息子が殺され夫が連れ去られたというところから始まります。

しかしこのゲームでは主人公=プレイヤーであり、会話では主人公が発言せず感情を示さないので、ストーリーがとても淡々としています。

クエストを達成するためにマップで移動先を選択し、オートの移動中に敵に出会えば小さなマップで戦闘。目的地に到達したら大きなマップで戦闘。

お金を稼ぐために賞金首を逮捕か殺すクエストを行い、大きめのマップで戦闘。

このゲームは「移動→戦闘」の繰り返しです。同じマップの使い回しも多い。

ストーリーには没入できないためこのゲームのメインが戦闘となりますが、戦闘が多いためステルス(スニーク)タイプのプレイスタイルで敵を背後から一人ずつ絞めていくのに疲れてしまい、銃でバンバン撃った方が早いことに気付いてしまいます。

戦闘は単なる見下ろし視点でのシューティングゲームなので難しくありません。最初は面白いのですがシステムは簡単で、底が浅く、単調です。戦闘への飽きが早い。

このゲームの開発者が携わった「Dishonored」のようなステルス(スニーク)要素も、見下ろし視点で周りを俯瞰できるのに加え、ミニマップがあるのでかなり簡単です。

私は性格上サブクエスト(サイドクエスト)をできるだけ達成しておきたいと思ってしまいます。このゲームはサブクエストを達成するとまたサブクエストが発生し、「まだあるの?」となかなかメインクエストに戻れません。

メインクエストを進めずにサブクエストをたくさんやってしまったので、このゲームの繰り返しに気付くのが早まってしまいました。

クエスト受注型のゲームは繰り返しに気付くと途端に飽きてしまいます。

このゲームをプレイする人はサブクエストをやるのをそこそこに抑え、メインクエストを進めた方が楽しめるかと思います。

成長要素があるのは嬉しいが浅い…

私は成長要素のあるゲームが好きです。「Weird West」も少し成長要素があります。

「アビリティ」「パーク」「武器などの装備の強化」で主人公を強くできます。

アビリティは主人公のアクティブスキルです。

一方、「パーク」は他の主人公でプレイするときでも効果が有効で、共通のパッシブ効果を得られます。

ただ成長のワクワク感が足りません。

戦闘の経験値が無いのが残念。ステータスは装備依存。「アビリティ」と「パーク」はアイテムを拾えば取得できます。

「アビリティ」はスキルツリーではないので欲しいものをすぐに取得できますし、そもそも「アビリティ」はそんなに必要ありません。無くても大きな問題になりません。

「アビリティ」を使うには対応するキーを押してから攻撃しないとならないため、一手間あって忙しい場面では使いにくい。

私はキーボード+マウスでプレイしたのですが、WASDキーで敵の攻撃を避けながら移動しているときに1~4の数字キーを押して「アビリティ」をアクティブにしてから、敵を攻撃するというのはやや難しいです。落ち着いているときなら良いのですけどね。

WASDで移動しながら「アビリティ」のキーを押せるように Q や E キーに機能を割り当てしておいた方が良いかもしれません。コントローラーでプレイするとまた違うのかも。

このゲームはRTSっぽい見た目ですが一時停止をしてアビリティを使うなどができないので、結局アビリティを使わずに敵を倒してしまいます。

「アビリティ」よりは「パーク」の方が良い効果のものが多くてワクワク感は強いです。

このゲームは主人公が何人かいてアンロックされていきます。新しい主人公ともパークの取得状態が共通というのは良いです。

武器・防具の強化はアイテムを集める必要があり、やや難しい。拾った装備の方が強かったりします。

装備の種類は少ないです。

総評:魅力はあるがコンテンツ不足で飽きが早い

ストーリーには没入できず、戦闘は単調で、主人公の強化も底が浅い。装備も少ないし、マップも少ないため、使い回しが多い。

持てるアイテムの個数制限も厳しく、アイテム管理が面倒。動物の肉などを料理して食べるシステムもありますが、アイテム管理が面倒なので料理も面倒です。

このゲームが楽しかったのは最初の数時間だけです。

もう少し成長要素が楽しめたり、戦闘に多様性や爽快感があれば良いゲームになりそうなゲームで、とても惜しいです。

このゲームはストーリークリアまで10数時間ほどかと思います。クリアまで比較的短いゲームで、主人公を変えてまた最初から、というタイプです。

ゲームシステムの底が浅いので長時間のプレイには耐えられません。クリアまでを短くして主人公を変えて固有アビリティを変え、プレイヤーに心機一転させて最初からプレイさせる、というのはうまい手法です。

このゲームの戦闘に熱中できる人はゲームを俯瞰的に見るのが遅れると思いますので、そういう人はもう少し長くプレイできると思います。

ゲームが見下ろし視点なので、これもゲームを俯瞰的・客観的に見てしまうのに一役買っています。一人称視点の方が没入感がありますから。

なお、賞金首は生かしたまま逮捕・拘束すると拠点まで連れて行かないといけないのですが、殺すと連れて行く必要がなくなります。しかも逮捕だと敵の仲間から恨みを買い、マップの移動中に敵から襲撃されます。

つまり、賞金首は殺した方が楽です。同じ報酬額ですし、生かしておくメリットがありません。アップデートで変わると良いのですが。

現時点でバグが良く発生します。

街の人が急に全員敵になったり、移動キーを受け付けなくなったり、味方が動かなくなったり、セーブをロードしたら殺した敵が復活していたり。

こういう荒削りなところとゲームシステムの底の浅さで「あぁやっぱりインディーゲームなんだな」と思わせられます。

このゲーム内容に対して4100円というのはちょっと価格が高いように思えます。

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About

Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

Twitterのアカウントはありますがうまく扱えていません。Twitterでご連絡の際はDMだとメールが来て気付けます。