「Fall Guys」は理不尽で底が浅く、コアゲーマーにとっては面白くない

私は「Fall Guys」をつまらないゲームだと感じていますが、おそらくコアゲーマーとエンジョイ勢で評価が分かれるゲームです。

「Fall Guys」は理不尽なゲームです。運の要素が大きく絡むこと、周りのプレイヤーに妨害され自分の思ったように行動できないこと、プレイヤーのスキルがそれほど関係ないこと。

コアゲーマーにとってはプレイスキルがさほど要らないゲームなので、スキルを磨いても勝率を上げにくい。運の要素が強いと自分が制御できる要素が少なく、相手に勝ちたいという気持ちも持てない。

しかし、エンジョイ勢の人たちはこういったカジュアルゲームでないと参加できません。「Apex Legends」や「Fortnite」、RTSなら「League of Legends」などで顕著ですが、通常の対人戦ゲームでは知識と操作のうまさがないと勝てません。

カジュアル/ライトゲーマーにはそういうゲームは辛いでしょう。RTSとMOBAについて書いた記事で言いましたが、学習しなければならないことが多すぎるとハードルが高いです。

ひろゆきさんの言う「RTSは一般受けが悪い」理由は、覚えることが多すぎるから。「RTS」と「MOBA」の違い。MOBAはぬるい、RTSプロゲーマーの操作量を見よ
ひろゆきさんの言う「RTSは一般受けが悪い」理由は、覚えることが多すぎるから。「RTS」と「MOBA」の違い。MOBAはぬるい、RTSプロゲーマーの操作量を見よ

その点「PUBG」はややカジュアル寄りでした。そんなにうまいプレイヤーでなくても、バトルロイヤルの最後まで生き残れることがある。これによってこのゲームがカジュアルプレイヤーにも広がったのでしょう。

「荒野行動」の方は私はほとんど知らないのですが流行っているらしいのを聞くと(男の子と大人の女性がオフで出会ってどうのこうのという話はうらやましかったですね)、コアゲーマーに対しても勝てるチャンスがあるという点で「PUBG」に似たゲームなのでしょう。

つまり、人気のゲームになるにはコアゲーマーに目を向けるのではなく、カジュアルゲーマーに門戸を広げる必要があるということです。

コアゲーマー向けのゲームはコアゲーマーが集まるだけです。プレイヤー人口的にはカジュアルゲーマーの方が多いのですから、カジュアルゲーマーに目を向ける必要があります。

なお、ゲームの底が浅い証拠として、レビューをしている人のプレイ時間が少ないことが挙げられます。このゲームを「神ゲー」と評価している人でさえ、十数時間~数十時間ぐらいで満足してやめてしまうゲームなのです。

カジュアルゲームの宿命ですね。ゲームとしては底が浅いので、今後もずっと流行って人が定着するということはたぶんありません。

ということは、このゲームをプレイするなら今しかないかもしれません。現に Steam Stats でプレイヤーを見ると、徐々にプレイヤーが減っていっています。

「Fall Guys」は居酒屋みたいなもの。コロナ禍のなか集まる場所はここ

コアゲーマーで「Fall Guys」を楽しめている人は、おそらく「運の要素が強い」ということを見抜いています。このため真面目にプレイする必要は無いと気付き、気を抜いて友人と一緒にこのゲームを楽しんでいるでしょう。

「Fall Guys」は居酒屋みたいなものです。

大人数でわちゃわちゃと人と一緒にゲームをしていること自体を楽しんでいる。雰囲気が楽しい。ゲーム内容は気楽なものだったら何でも良い。人が集まれる場所を提供してくれていることが重要。

「Fall Guys」は人とのコミュニケーションに使うためのツールで、ゲーム内容がどうのこうのというよりも、人とのつながり・一体感に楽しさを感じている人が多そうです。

コロナ禍で人と会いにくい中でこのゲームを通して寂しさを埋めていたのかもしれません。

Steamでレビューを見ると、ゲーム内容がどうのこうのと書いている人は少ない。コロナ以前から人との結びつきが希薄な時代になっているので、孤独感の解消にはありがたいゲームです。

コアゲーマーが避けるのは対人戦で差が付きにくいゲーム

コアゲーマーはカジュアルゲームでの対人戦が基本的に嫌いなはずです。これは差が付きにくいからです。

あのプレイヤーが「強い」「うまい」という感想を持てるのは、ゲームに差が付く要素があってこそです。差が付かないゲームには「プロ」が存在しません。

コアゲーマーは差が付く要素がないと熱中できない。どうプレイしても勝率が上がらないのであれば、真面目にプレイする必要がありません。じゃんけんと同じです。

Overwatch でプロゲーマー集団 DetonatioN が一般ゲーマーに負けた

バカリズムさんが実況席にいた「いいすぽ!」という番組を結構前にたまたま見たのですが、そこで Overwatch の対戦があり、プロである DetonatioN チームと非プロのゲーマーのクランが戦ったのですが、これが私には衝撃的で今でも覚えています。

「会社にも所属してプロゲーマーとしても収入を得ています。年収が高いです」と自慢げに自己紹介していた DetoatioN のプレイヤーを含むプロチームが一般のゲーマー集団に負けたのです。

爽快でした。勝ったチームが DetonatioN と入れ替わった方がいいよ、と。

その一方で、「Overwatch は差が付きにくいゲームなのか」と考えてしまいました。

本当は Overwatch でプレイスキルに差が付かないことは無いと思いますが、プロが負けてしまったというのは衝撃的です。一日中 Overwatch のことを考えて、目標を立てて練習・反省・改善をしているプロが負けてしまった。

日本ではなく世界の大会である「The Overwatch League」を見たことがありますが、敵が頭を出した瞬間にヘッドショットができるチート並みのプロプレイヤーがいました。スナイパーは差が出やすいので見て分かりやすいですね。

この「いいすぽ!」の番組の対戦時には、日本の Overwatch 界ではプロと一般ゲーマーでそれほど差が無かったのでしょう。今は Overwatch の話題すら見かけなくなりましたのでどうか知りませんが。

ちなみに、その「いいすぽ!」の番組でもう1つ記憶に残っているのは、司会の人が「これから Overwatch というゲームがどんなゲームか紹介する映像を流します」と言って、バカリズムさんが「へぇー知りたい知りたい!」と言って興味を持ってくれたのに、流れたのが Overwatch のストーリーを見せるムービーだった場面です。

私はゲームの紹介だから Overwatch の対戦ルールや画面の見方を説明するんだろうなと思っていて、おそらくバカリズムさんも同じ。バカリズムさんはそのまま何もしゃべらなくなりました。

理不尽であるがゆえ、コミュニケーションツールになり、流行にストリーミングサイトとコロナが一役買った

「Fall Guys」が流行ったのはストリーミング、またはストリーマー(ゲームプレイ動画の配信者)の影響が大きい気がしています。さらにコロナで人と会えない中、ストリーミングを観る人が増えました。

そんな中登場したパーティゲームの「Fall Guys」。

理不尽なゲームであるが故に、ストリーマーはそこにツッコめたり、観ている人はストリーマーが理不尽な出来事にどう反応するかを見て楽しめます。

盛り上げやすい、盛り上がりやすいゲームということです。コミュニケーションツールとしてこのゲームは利用しやすいのです。ゲームのルールも簡単で、観ていても分かりやすい。

動画配信サイトやストリーミングでバカゲーや理不尽ゲーの人気が出るのはそういうところなのでしょう。ニコニコ動画は特にそういうところが顕著なので、人気を取るために流行に敏感で流されやすく、ある種人間の下品なところが見え隠れします。

「Fall Guys」が人気になったらストリーミングサイトではみんなこぞってこのゲームを配信し出しました。でも流行に乗るのは人気を取るためには正解です。

流行に乗った下品と言えば、YouTube にある「僕は○○の息子です。隠していましたがここに暴露します」系の動画は人間の下品さが正面からそのまま表に現れていて清々しくて笑えますね。嘘つきだと分かりながら聞ける嘘は貴重です。観ていませんが。

YouTuber の「てんちむ」さんの犯罪的な嘘も、人がどう嘘をつくのかを研究している人にとっては良い研究材料になるかもしれません。ちなみに豊胸と天然の見分け方はしみけんさんの話が当たっているような気がしています。

…はい、話を元に戻しますが、ニコニコ動画とかライブストリーミングで「バイオハザード」シリーズが人気と言われているのも、配信者の反応を楽しめるからという理由が大きいでしょう。観る人もバイオハザードなら「知っているゲーム」と感じられて愛着をもてます。

当然ですが、観ている人が「知っているゲーム」であれば盛り上がるというわけではありません。ストリーマーがどう反応するかを観るのが面白いのですから、意外なことが起きるゲームでなければストリーマーも観ている人もリアクションが取れません。

スキルのあるうまいプレイヤーのストリーミングが予想に反して盛り上がらないのはそれが原因の1つでしょう。

ストリーマーがバカゲーや理不尽ゲーやホラーゲームを動画配信するのは、ゲーム自体の面白さを伝えるよりも自分が人気になりたいからという理由が大部分を占めるかもしれませんね。

全員がそうだとは言いませんが、ストリーマーだって表だっては言いにくいものです。

「このモデルオーディションに応募しようと思ったきっかけは?」に対し、「人気者になりたいからです!」と堂々と答えられる人はなかなかいません。むしろそう答えれば私としては反って面白い。

ですが相手によってはリスキーな回答なので「ママが勝手に応募しちゃって…」と言っておくのです。今となっては裏を見透かされてしまう回答なので、現在は何と答えているか知りたいところです。

PCには対人戦のカジュアルゲームが少ない

PCでも「Fall Guys」が流行ったのは個人的には当然だろうと思っています。

PCゲームでは「Fall Guys」のようなカジュアルな対人戦ゲームがほとんどありません。誰でも気軽に参加できて、操作も簡単で、というゲームはPCにはほぼありません。

その隙を突くように、PCでみんなでプレイできるカジュアルゲームを提供したのでそれは流行るだろうなと。

このタイプのゲームは「パーティーゲーム」と呼ばれますが、これが得意なのは任天堂です。任天堂のパーティーゲームはPCゲーマーから見るとうらやましいです。

私も友達とフライパンでサイコロ肉の全ての面を焼くゲームをやってみたいです。あれは楽しそう。

「Fall Guys」が良かったのはパーティーゲームでかつ大人数だったところです。もし4人対戦だけだったなら流行らなかったかもしれません。人と繋がっている感覚は少人数では得られません。

パーティーゲームは上で書いた「差が付きにくいゲーム」です。PCでゲームをする人はやはりゲーマーですから、それに合わせてカジュアルゲームが少なかった。

でもPCでゲームをすることが一般化してきていたのでタイミングも良かったのかもしれません。

今後はおそらくゲーム×コミュニケーションが流行る

私の予想ですが、今後流行るゲームはコミュニケーションツールとして優秀なゲームです。ライブストリーミングと視聴者参加を組み合わせるのもコミュニケーションの一環です。

誰でも動画配信をするのが当たり前となる流れが加速していて、その波に乗った方が良いと判断できます。コロナ禍によって、人と一緒にプレイするのに必ずしも同じ空間にいなくてもいいと一般の人が気付いた。

この点からは今後はRPGなど一人でプレイするゲームは流行りにくくなっていくかもしれません。私は一人でプレイするJRPGが好きなので、このジャンルが廃れると困ります。応援しております。

まとめておきますと、「Fall Guys」がうまかったのは、

  • カジュアルゲームでルールと操作が簡単。参入障壁が低い。ストリーミングでプレイを見ている人もルールが分かりやすい
  • 見た目が明るい。キャラクターも可愛らしい
  • FPSゲームで人気だったバトルロイヤル方式をカジュアル化した
  • 理不尽なゆえ、ストリーマーがツッコみながら実況するのが楽で盛り上げやすい。見ている人もストリーマーの反応を楽しめる
  • PCゲームにはパーティゲームが少ないところにパーティゲームを提供した
  • 大人数でプレイできるため、わちゃわちゃと楽しめる。孤独を感じにくい
  • 運の要素が強いことが誰が見ても分かるので、真面目にプレイしなくて良い。殺し合いもなく、気楽にプレイできる。
  • テキストチャットやボイスチャットができないので罵倒する人がいないように思える
  • ストリーミングが流行りだした時にパーティーゲームを発売した

あたりでしょうか。

「PUBG」などでの、殺すか殺されるかという緊張感のある「バトルロイヤル方式」を、レースで上位勝ち抜けというカジュアルな形での生き残りに再構築したのもうまかったです。カジュアルゲーマーも参加できるバトルロイヤルです。

あとチャット機能が無いというのは意外と良いような気がしています。人を罵倒するのが好きな人は多いので、そういう Toxic なプレイヤーが表に見えないのは心の平穏に一役買っているはずです。

「Fall Guys」でテキストでの煽りがあったら多くの人がすぐにやめているでしょう。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

Twitterのアカウントはありますがうまく扱えていません。Twitterでご連絡の際はDMだとメールが来て気付けます。