『Wizard of Legend』レビュー - 「The Binding of Isaac」に似ているが、好きなスキルとアイテムを持って行けるのが救い

2019/06/06 2018/12/29

「Wizard of Legend」をプレイしてクリアしました。Humble Bundle がこのゲームのパブリッシャーです。開発は Contingent99。

Steam の Winter Sale でどのくらい安くなるか待っていたのですが、2019年1月分の Humble Monthly の方が安く、こちらで購入しました

ゲームは「The Binding of Isaac」に似ている

まずは公式 Trailer を見るとゲームの感じを掴めると思います。

ゲームのシステムは「The Binding of Isaac」にかなり似ています。自動生成のマップ、道中で手に入るアイテムを手に入れてキャラクターを強化、ショップでアイテム購入、中ボス戦など。「Wizard of Legend」は「The Binding of Isaac」を想像してもらうと8割方ゲームプレイの感じが伝わるかと思います。

アクションは「The Binding of Isaac」よりも良く出来ています。「The Binding of Isaac」は移動が難しいゲームでした。移動が氷の上を滑るような感じで思うように移動できず、これがこのゲームを難しくしている要因です。私はこの移動システムがどうしても好きになれませんでした。「Wizard of Legend」はそんなことはありません。キビキビと動き、狙ったように動けます。

ゲームスピードは「Wizard of Legend」の方が速いです。敵の攻撃を避けるのも、敵の隙を突いて攻撃するのもタイミングが少しシビアなところがあります。でもこのスピードのおかげで攻撃に爽快感が出るところもあり、The Binding of Isaac よりもプレイしていて楽しいです。

他の特徴としては、ダンジョン(正確にはダンジョンではなく「試練」なのですが分かりやすいので「ダンジョン」で。)に潜る前に好きな装備を持って行けます。持って行けるものは、スキル4つ、装備アイテム1つ、服装。

スキルの選択画面

スキルは町で購入出来ます。ダンジョン内でも1階毎にショップがあり、敵を倒すなどして手に入れたコインで購入出来ます。通貨は2種類あり、ダンジョン内だけで使えるコインと、町だけで使えるジェムの2つ。ダンジョンに潜ると2つとも入手できます。死んでもジェムは消滅せず、町の店でスキルや装備を購入して増やしていきます。

スキル(正確には「アルカナ」)は「ダッシュ」「通常攻撃」「通常魔法」「強魔法」の4つに分かれています。この4つに好きなように持っているスキルを割り当てます。ダンジョン内では入手したスキルを6つまで装備できます。

装備アイテム選択画面

装備アイテムは「レリック」と呼ばれ、1つしか持って行けません。ダンジョン内ではショップなどで入手でき、同時にたくさん持てます。良いレリックをショップで買うのが重要です。

キャラクターはそんなに強くならない。プレイヤースキルを磨くべし

ダンジョンに潜って死んだ後に町でスキルと装備アイテムを購入して増やしていくのですが、キャラクターはそんなに強くなりません。自分に合った使いやすいスキルと装備アイテムとステータス強化の服を持って行けるアドバンテージはありますが、そうすることでゲームが簡単になるほどキャラクターが強くなる訳ではありません。

使いやすいスキルを使えるのでそれだけで戦闘が随分楽にはなるのですが、このゲームは敵の攻撃パターンやその攻撃の避け方を覚えていかないとゲームクリアできません。The Binding of Isaac と違ってこのゲームでは「ダッシュ」でシュッと短い距離を高速移動でき、これを使って敵の攻撃を避けるのが基本です(ダッシュ中は無敵ではありません)。

ただ足場が狭いことも多く、ダッシュして落下するとダメージを受けます。狭い場所で敵に囲まれる事もあり、こうした時にどう対処をするかを考えておく必要があります。

私の感覚ですと、初期状態に比べ、好きなスキルと装備アイテムと服装を選んだ状態だと1.5倍くらいキャラクターが強くなっている印象です。プレイ初期のころは「このゲームはクリアできるかなぁ」と途方に暮れてしまいましたが、何度か挑戦しているうちにだんだんと先に進めるようになりました。

ゲームは難しめだと思いますが、The Binding of Isaac よりは簡単だと思います。私はあのゲームは難しくてプレイを諦めました。

このゲームはプレイヤーに優しいところがあり、例えば単に移動しているだけなら足場がないところへ落ちません。縁(へり)で移動が止まります。あと、装備アイテムは要らないものは落とせます。呪いのアイテムは落とせませんが、不要な装備アイテムを捨てられます。

また、1階層ごとに必ずポーションを売っているショップがあります。1つの階層には、装備アイテムとポーションを売っているショップ、スキルを売っているショップが必ずあります。あとは呪いのアイテムを貰えるショップや服を強化するショップなどの特殊なショップがあります。お金も手に入りやすいです。

体力の回復が必ずできるため、The Binding of Isaac と違って楽だと思います。ダメージをできるだけ食らわないようにするのは同じですが、こちらのゲームの方が回復のチャンスが多いです。

ただこのゲームはゲームスピードが速いこともあり、気を抜くとすぐに死にます。ゲーム中は集中していないとならず、気楽にできるゲームではありません。雑魚敵でも特殊な攻撃をしてくる敵がいて、気を抜くと大ダメージを食らいます。下の階層に行くほど敵が強くなっていきます。

The Binding of Isaac と同じように、アイテムの説明がないところは感心できない

このゲームはアイテムを購入する前や拾う前に、アイテムの効果を知ることができません。ショップで買うときは装備アイテムやスキルの効果が分からないまま買うことになります。

アイテムの説明が表示されない

これは The Binding of Isaac でもそうだったのですが、プレイヤーにアイテムの効果を教えない意味が分かりません。アイテムが非常に重要なゲームなのに、効果をプレイヤーに知らせない。The Binding of Isaac はとにかくアイテムの説明がないゲームでした。

「Wizard of Legend」ではアイテムを拾えば説明を読むことはできます。

でもアイテムの説明が必要なのは購入する前、拾う前(特に呪いのアイテムを拾う前)です。不便さをプレイヤーに押しつけてゲームを難しくするのは感心できません。Steam のガイドや Wiki などでアイテム一覧と説明がありますから、それを読みながらアイテムを購入したりする必要があります。

一度入手したアイテムならプレイヤーが効果を覚えているかもしれませんが、忘れてしまうこともあるでしょう。一度入手したアイテムは説明が出るようにしても良かったと思います。

ゲームシステムも説明不足

アイテムの説明だけでなく、このゲームはゲームシステムの説明も足りません。

ダンジョン内でスキルを購入すると、死んでも町に持ち帰れる時があるのですが、私には条件が分かりませんでした。

あと、ステージ中の敵を全て倒すと中ボス戦の前の石にあるモンスターのマークの点灯が消えるのですが、効果が分かりませんでした。これは Forum を調べてみると答えがあり、点灯しているモンスターのマークが少ない方が、中ボス戦で乱入してくる雑魚敵が少なくなる、とのことです。

こうしたようにゲームシステムを知っていた方が有利になる場面が多いため、プレイヤーにもう少しゲームシステムを教えてくれても良いと思います。説明がちょっと足りないです。

難しいアクションゲームに耐えられる人ならお勧め

このゲームは一般的なゲームに比べると難しいゲームに分類されると思います。私も最初はクリアを諦めることも考えました。でも使いやすいスキルを手に入れられると徐々に楽になっていきます。敵の攻撃パターンを覚えて攻撃を避けられるようになると、ラスボスまでもう少しかなという感覚になれます。

ダンジョンは「3階層 × 3 +ラスボス」という構成です。1階層毎に中ボスがいます。これを2回繰り返すと、ボスのステージになります。下のスクリーンショットが分かりやすいと思います。

今回は土→火→氷のステージの順番。後のステージになるほど敵とボスが強化されます。実のところ、ラスボスは想像したよりも弱く、初挑戦で倒せました。道中の3体目のボスの方が強い。

土、火、氷のステージがあり、並び方はランダムです。お金を払うとこれを固定してくれる人も存在します。3体のボスを倒すと最後のボスと戦えます。このラスボスを倒すとゲームクリアです。今後アップデートがあるようですが、そんなにゲームのボリュームはないかもしれません。

ただ私としてはこのくらいで十分です。そんなに価格の高いゲームではないので、あまり求めすぎてもいけませんし、さらに難しいダンジョンが出てきても私はやる気が出ません。私は The Binding of Isaac のような、死んだら何も残らず最初から挑戦する類いのゲームはあまり好きではありません。Wizard of Legend はキャラクターの装備を強化できるのが救いです。

このゲームをレビューで「ローグライクゲーム」だと表現している人がいますが、不思議のダンジョンシリーズのようなものではなく、アクションゲームです。このゲームは「ローグライク」の要素があり、「ダンジョンの自動生成」と「死んだら最初から」があるためローグライクに分類されています。「The Binding of Isaac」もローグライクだと公式の説明にあります。「ローグライクゲーム」というよりも、「ローグライク要素のあるアクションゲーム」という表現が的確だと思います。

まとめとなりますが、「The Binding of Isaac」と比べると、ゲームスピードが速く、爽快感があり、プレイヤーに少し優しく、死んでも何度か挑戦するとたぶんクリアできるなと感じられる難易度だと思います

私は7時間ほどでクリアしましたが、The Binding of Isaac などの2Dアクションゲームが得意な人だと数時間でクリアできてしまうかもしれません。そういう人だとこのゲームは簡単すぎると感じるのかもしれません。

ローカルCo-opモードもありますので友人と一緒にプレイすると楽しそうです。オンライン Co-op ではないのでご注意を。

PlayStation 4 版Nintendo Switch 版も販売されています。


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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。