「カードゲーム + ローグライク」というジャンルのゲームで人気の「Slay the Spire」。以前から気になっていて、Humble Store で少し安くなっていたので購入してみました。

このジャンルのゲームとしては他に「Monster Slayers」というゲームがあります。こちらもクリアしているので少し比較を交えながらレビューを書いていきます。

Slay the Spire はまだ Early Access の段階で、ベータです。今はまだキャラクターが二人しか選べません。頻繁にアップデートが行われており、システムの調節なども多く行われています。今回私がプレイしたのは 2018/5/10 版で、今後システムが変わっていく可能性が高いです。

キャラクターごとに特性が違う

「カードゲーム」 + 「ローグライク」というジャンル

このジャンルのゲームはターン毎にデッキから何枚かカードを引き、それを使って敵を倒していくゲームです。マップをどのように進むかは自由で、マップのイベント配置も自動生成で毎回変わります。

マップは枝分かれ式。最初に一番下のポイントを選択し、そこから上に進んでいく。一番上がボス。

基本的な戦闘方法は攻撃とブロック(シールドを重ねる)です。そこに「スキル」が加わり、毒を与えたり、敵を弱体化させたり、自分を強化したり。

Slay the Spire はターンの開始時にデッキからカードを引き、カード左上に表記されているマナポイント分を消費してカードを使う。プレイヤーのマナポイントの初期値は3で、ターン開始時に全回復。カードゲームを知っている人にはおなじみのシステムです。

Slay the Spire の特徴としては、手に持っているカードを1ターンごとに全部捨てる必要があることでしょう。

カードゲームでは「ターン開始時にカードをx枚引く」「持ち札がx枚になるように引く」というルールが多いのですが、このゲームはターン開始時に5枚引き、ターン終了時に残ったものをすべて捨てる。使いたいカードもタイミングによっては捨てるしかありません。後で使おうと取っておけません。

このシステムによりカウンターカードが無いのもこのゲームの特徴です。相手の行動によって引き起こされるアクションはあるのですが、「相手がマジックカードを使ったら○○する」などの、複雑な条件のカウンターがありません。攻撃されたらxxダメージを与える、相手がスキルカードを使ったら攻撃力が上がる、くらい単純な効果しかありません。

基本的に持ち札は全部捨てる(次のターンにカードを残せる効果のあるカードもあります)ので、そのカウンターカードの読み合いが必要なく、ゲームが複雑にならないようになっています。

持ち札をすべて捨てていくルールだとデッキの回転が速いので、それに合わせた戦略を立てるのも手です。ですが、Slay the Spire は Monster Slayers に比べてデッキからカードを取り除くのが大変で、デッキの回転率を上げにくいです。商人にお金を払うとデッキからカードを1枚捨てられるのですが、Slay the Spire ではそのために必要な金額が高いのです。

カードは戦闘毎に貰え、デッキに追加されます。カードを取得しない選択もできるものの、初期のデッキは弱いため、基本的にはカードは増やしてデッキを強化していくしかありません。

敵を倒すと3枚の中からカードを1枚貰える。戦闘後には必ずカードを貰える

あと、Slay the Spire の特徴として、敵の次の行動が表示されます。戦略が立てやすいです。

ランダム要素が多い中、取捨選択をする

Slay the Spire も Monster Slayers も、どのアイテムを手にできるかが非常に重要になります。

Slay the Spire ではレリックというアイテムを入手でき、これはカードではなく、一度手に入れるとゲームが終わるまでずっと効力があるものです。どのレリックを取得できるのかが非常に重要です。

レリックはボスを倒すと必ず貰え、他にはランダムイベントが起きるマスで選択肢によって貰えることがあります。エリートエネミーを倒しても貰えます。

ボスを倒すと3つのレリックの中から1つ選んで貰える。

良いレリックを拾えないと戦闘が非常に厳しい。特に攻撃の補助や、回復系のレリックを取得できるとものすごく心強いです。このゲームでは回復が難しく、回復手段を複数持てるとゲームが楽になります。

レアなレリックは上のスクリーンショットのように、プラスの効果とマイナスの効果が組み合わさっているものが多いです。プラス効果としては「マナの最大値が+1」ですが、「1ターンで6枚しかカードを使えない」とか、「今後ポーションを入手できない(買えない・拾えない)」「今後ゴールドを入手できない」など、マイナスの効果がくっついてきます。

プラスの効果は嬉しいのですが、マイナス効果も重い。今後ポーションが無くても大丈夫なのかなど、先のことを考えてレリックを貰う必要があります。

カードも良いカードを拾えないと戦闘が厳しいです。今できる最善手で行動していても、運悪く良いアイテム・カードを拾えないとゲームオーバーになるのも致し方ないという状況もあり得ます。

Slay the Spire は取捨選択の連続です。どのアイテムを選ぶか、マップのどのルートを進むか、休憩所で休んで体力を回復するかカードをアップグレードさせるか、どのアイテムを買うか。

ランダムイベントマスでのイベント。選択肢から1つを選ばせる。

ランダム要素が多い中、より良さそうな行動をしていくしかありません。ゲームを進めていくと、自分の選択が積み重なって今があるんだなぁ、という感覚を得ることができます。

このゲームは死ぬまで仕切り直しができないので、何を選択するのかが大事です。戦闘ではできる限り体力を残しておくカードの使い方をするのが重要です。「回復」を選択しなくてもいい状況は好ましいです。

繰り返しプレイさせる要素は Monster Slayers の方が面白い

Monster Slayers も似たようなゲームなのですが、Monster Slayers は選べるキャラクター(職種)が多く、カードの集め方がキャラクターによってがらりと変わることもあります。そのため、1つのキャラクターをクリアしても、他のキャラクターで何度も繰り返しゲームを楽しめます。

またゲームのスコアをためるとアンロックポイントが貰え、それで初期カードを強くしたり、ステータスをあげたりできます。アンロックをしていない初期状態では最終ボス撃破が難しく作られていて、キャラクターを強くして何度も繰り返し挑戦してボスへたどり着くタイプのゲームデザインです。

Monster Slayers はキャラクターが武器や防具などを装備でき、その装備アイテムを拾ったり買ったりして強いものを揃えていく要素もあります。死んでも残しておけますので、今のプレイでのボス撃破を諦め、次のプレイのために良い装備を買っておくという手段もあります。

私はこういう徐々に強くしていくタイプのゲームが好きなので、その点は Monster Slayers の方が好みです。

Slay the Spire もアンロック要素があるのですが、今後入手できるカードの種類を増やすというアンロックでした。これも良いとは思うのですが、Monster Slayers と比べると私にはちょっと物足りないです。

Monster Slayers の方が難しい

現時点で Slay the Spire と Monster Slayers を比べると、ゲームのバランスは Monster Slayers の方が難しく出来ています。

Monster Slayers は敵もデッキを持っていて、プレイヤーと同じようにカードを使ってきます。そのため、敵のカードの引きが良いと攻撃を何連続もしてくることがあり、予想ダメージを超えます。

特にダンジョンのボスとの戦闘はその連続攻撃が来ないかビクビクしながらの戦闘です。ボスは「デッキからカードを引く」「行動ポイントを回復する」というような効果のあるカードを連続して引くことが多いです。私の経験上、結構な確率であります。そのため、勝てると思っていた戦闘も一気に逆転され死んでしまうことがあり、理不尽さを感じました。

Monster Slayers は最終ボスまでのゲームバランスが見事です。装備やアンロックでプレイヤーを強化して、これくらいが強化できる限界かな、というところでやっと最終ボスを倒せるくらいのゲームバランスです。最終ボスとの戦闘は気が抜けません。

良いカードを引いて、良い味方(Monster Slayers では1~2つの固定スキルを自由なタイミングで使える味方を連れて行けます)を選んで連れて行かないと最終ボスに勝てません。ですが、何度か挑戦しているとゲームシステムが分かってくるため、ゲームのランダム要素の中でできる限りプレイを安定させる方法を見つけることができます。

ちょっとネタバレっぽくなりますが、最終ボスの対策としては、敵の連続攻撃を防ぐカウンターカードがありますので、これを最終ボスまでにいくつか手に入れることが1つの目標になります。このようにしてゲームクリアまでのプレイを安定させます。まぁ、ボスもそのカウンターカードを持っているんですけどね。カウンターカードを常に警戒する必要があります。

Slay the Spire は Monster Slayers と比べると簡単です。私は初プレイで早々に死に、その次のプレイで一気に最終ボスに到達して倒しました。その後、新しいキャラクターでプレイし、早々に死に、その次のプレイでこちらも最終ボスを撃破。

Slay the Spire は難しいと言われていたので怖がりながらプレイしたのですが、ボスは Monster Slayers ほど意地悪ではなく、ちょっと拍子抜けでした。Monster Slayers を先にプレイしていたのでその経験が生きたのかもしれません。多少アイテムの引きが悪くても最終ボスを倒せます。Slay the Spire は敵の次の行動が表示されるため、対策が立てやすいです。

ちなみに最終ボス撃破までは2時間半かかりました。もう一人のキャラクターでもそのくらいかかりました。

Monster Slayers は慣れてくると最終ボス撃破まで1時間くらいだったと思います。Monster Slayers の方が1ゲームの時間拘束は短いです。

アクションゲームに疲れた人にぴったり

このジャンルのゲームは忙しいアクションゲームに疲れた人にはぴったりでしょう。カードを選んでいる間に「早くしろ」とせかされません。じっくりと作戦を練れます。

アクションゲームはちょっと疲れたけど、簡単すぎるゲームは嫌だし、ストレスなくサクサクとゲームを進めたい。そんなときに Slay the Spire と Monster Slayers は良いと思います。

Slay the Spire も Monster Slayers も、カードを選択した後のアニメーションを速く表示したりカットしたりして、カードをパパパっと選んでサクサクッとゲームを進められます。とても軽快にゲームを進められて気持ちが良いです。

カードゲームとしても気軽にプレイできます。カードゲームはルールを完全に把握して、どういうカードがあるかも把握していないと勝負にならないのですが、Slay the Spire も Monster Slayers もそんなに覚えることが多くありません。

対人戦などをするカードゲームは覚えることが多くて大変ですが、カードゲームに興味があってちょっとやってみたいなという人には良い導入になるでしょう。

Slay the Spire と Monster Slayers のどちらが優れているのかという議論がありますが、本当に似ているゲームです。上で書いたように、現状では Monster Slayers の方が難しいと思います。一度のミスで死ぬ可能性があり、緊張感があります。

Slay the Spire の方が気楽にプレイできます。敵の次の行動が分かりますし、カードの効果の説明も丁寧で分かりやすいです。日本語にも対応しています。

ゲームシステムが違うため、私はどちらも楽しくプレイしました。どちらが優れているかという考え自体が浮かびませんでした。このジャンルのゲームが気に入れば両方とも楽しめると思います。そんなに高くないゲームですので、気軽に買えるのも良いですね。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

Twitterのアカウントはありますがうまく扱えていません。Twitterでご連絡の際はDMだとメールが来て気付けます。