The Witcher 2 には少し休憩をして貰い、発売されたばかりの Rage をプレイ。

Bethesda が Publisher の所為か、Rage を Fallout 3 と比べている人もいる。でも、このゲームは Borderlands を意識して作ってあると感じた。

敵を倒してアイテムを拾ったり、フィールドをバギーなどの乗り物で移動するのも似ている。Borderlands のようにトレジャーハント(Magic Finding) は一切無く、代わりにクラフトがある。

クリアまでは16時間ほど。サブクエストもほぼクリアし、レースも全て優勝した。

戦闘のバランスが悪い

銃の射撃感は Borderlands よりも Metro 2033 や S.T.A.L.K.E.R. に近い。S.T.A.L.K.E.R. ほど集弾率が悪くなく、ほぼ照準通りに飛ぶ。アサルトライフルの挙動は Counter Strike に近い気もする。

Rage の銃の射撃感は予想していたよりも随分良かった。リボルバーはそこまで良くないのだけど、アサルトライフルの射撃感は良い。銃が少し飛び跳ねるような感じ。余談なのだけど、リボルバーは Metro 2033 か、BioShock の射撃感が良いと思う。

敵はあまり種類はいないのだけど、ただ走って突っ込んでくるだけでは無く、前転しながら向かってきたりしてなかなか多彩な動きをする。動きが素早いので弾を当てにくい。他にも遮蔽物に隠れたり、味方と一緒に後退する場面もある。

AI は最近の FPS の中では良く出来ている方だと思う。雰囲気としては F.E.A.R. などの AI に似ているかも。

Rage の戦闘は Borderlands よりは面白い。序盤は特に面白い。素早く動く敵を撃つという FPS そのものの面白さがある。

しかし中盤から後半に掛けて敵が急に硬くなる。そういった敵をアサルトライフルで撃つと1マガジンをほぼ使い切るほど撃たないと倒せない。ヘッドショットを狙うと胴体撃ちの2~3倍ほどのダメージを与えられるのでそれに挑戦してみても良いのだけど、素早く迫ってくる敵のヘッドを狙っている余裕は普通のプレイヤーには無いだろう。

序盤の敵はリボルバー数発で死ぬ。それに比べて終盤の敵は強いアサルトライフルで数十発撃たないと倒せない。

この急激な敵の硬化によりゲームの爽快感が無くなってしまっている。これに対処するため、強い弾薬に切り替えて敵を撃つという手段がある。しかし、そういった強い弾薬はほとんどが自分で作れず拾うしか無いので使うのがもったいない。

一部自分でも作れる強い弾薬もあるのだけど、たくさん作るには素材の購入にお金が掛かる。結局あまり対策方法は無い。しょうがないので爽快感は無いが弾を敵に多く撃ち込むだけになる。もう少し爽快感が出るバランスを考えた方が良かっただろう。

戦闘で良かったところ

Rage のシューティングでこれは良いと思った部分もある。それはヘッドショットをすると相手のヘルメットが飛ぶ点。ヘルメットが飛び、敵の顔が出てくるのは面白い。でもこれはヘッドショットをしても敵が死なないということなので爽快感は皆無だったりする。

敵の移動もなかなか良かった。前転をしたり、かがみながら左右に避けながら突っ込んで来たりして、銃の照準から外れるような動きをしてくれた。何度かその動きを見ると狙いやすくなるのも良い。

他にも、突っ込んで攻撃してくる敵を移動で避けられるというのは FPS では珍しい。大抵のゲームでは敵の近接攻撃は外れる事が無い。なので敵の攻撃を避けようとしても意味が無い。

でも Rage は違っていて、側面に避けて攻撃を避けられる。これは敵が近接攻撃に隙を持っているという事で、FPS では珍しい。

乗り物

Rage ではバギーなどの乗り物がゲームの大きなウェイトを占めている。フィールドを移動するだけでは無く、ゲーム中にその乗り物でレースがあったり、乗り物に取り付けたロケットランチャーで敵を撃ちながらポイントを競うものまである。

これらはおまけ要素では無く、ストーリー上で必ず行わないといけない。これは少し煩わしい。そして実はレースが多い。プレイ時間の半分ほどは乗り物に乗ることになる。レースよりも銃を撃ちたい。レースは他のゲームでやればよい。

グラフィックス関連

発売したばかりの今、Rage はグラフィックス関連の不具合が多い。グラフィックスカード(ビデオカード) が Radeon 製品だとテクスチャがぐちゃぐちゃになったり。

私は GeForce でほとんど問題なくプレイできている。発売してすぐにプレイしなかったのが良かったのかもしれない。ある程度修正されたり、対処法が整ってきている。

「テクスチャの貼り遅れ」の問題は私にもある。これは素早く画面を切り替えた時に、オブジェクトのテクスチャがまだ描画されておらず、ほんのコンマ何秒かその描画まで時間が掛かるという不具合。

この現象は Unreal Engine 3 のゲームをプレイした事がある人はすぐに分かるだろう。Unreal Engine 3 だとロードが完了していないオブジェクトには簡単なテクスチャや外形をまずは表示しておいて、そこから精密なものに置き換えるという現象を良く目にしているはず。

テクスチャの貼り遅れはあるのだけど、それよりも Rage のテクスチャ自体が低解像度に感じる。Rage ではビデオオプションが少なく、私の PC の性能に合わせてテクスチャが低解像度にされてしまっている可能性もあるのだけど、この状態では綺麗だとは言い難い。

ただ光の表現はうまい。ガラス越しに差し込む光は暖かみのある感じで驚いた。また、空は綺麗。上に画像を載せておいたのだけど、空だけは、本当に綺麗だ。

他には、視野角がかなり狭いのも問題だ。私はオープニングが終わって自由に歩けるようになった時、数分で酔いそうになった。

このゲームをプレイするなら FoV だけは弄って広げた方が良い。Console に合わせた視野角だといっても、さすがにこれは狭すぎる。Console で Rage をプレイする人も FoV は広い方が嬉しいのでは無いだろうか。

ストーリーとエンディング

ストーリーは無いと言って良い。クエストを通してゲームを進めて行くのだけど、主軸のストーリーがほぼ無い。ネタバレをしつつストーリーを書いてしまおう。

地球に隕石がぶつかるのが避けられなかった。そこでコールドスリープをし地下に隠れて隕石の衝突から生き残ろうと考えたらしい。主人公もそうして生き延びた。主人公のような、過去からの生き残りは「アークの生存者」と呼ばれている。そういったアークの生存者達は何かの特殊な能力を持っているらしい。主人公は心臓に何かの装置が付いているらしく、戦闘中などに死にそうになっても自ら心臓に電気ショックを与え、立ち上がれる。この特殊な能力がストーリーの伏線で、後で何かにリンクするのだろうと思うのが普通の反応だと思うのだけど、これは語られない。

この世界では「オーソリティー」という団体が彼らアークの生き残りを探している。何らかに利用したいらしい。しかしアークの生き残りが利用されるのを拒むと殺されるようだ。「アーク」とは主人公達過去の人が乗っていた船。これに色々と有用な情報が残っている。特にIDカードには良い情報があるらしく、オーソリティーはこれも探している。ゲーム中は主人公が乗っていたアークに自分のIDカードを見つけに戻るというクエストがある。それを持ち帰り「残りのアークを地上に浮上させる」という事を、オーソリティーに反抗しているレジスタンスと共に行う。これがゲーム中の最後のクエストになる。オーソリティーの基地に乗り込み、情報を分析させてアークを浮上させる。浮上させるとゲームが終わりになる。

上に書いたこれらの情報で Rage のほぼ全体のストーリーを知れる。本当にストーリーが薄っぺらだった。ストーリーを簡単に言うと、隕石を逃れるためにコールドスリープに入った過去の人が、彼らにとって退廃した未来である現在で、「オーソリティー」という自分たちを利用する人達と戦う、というもの。こう書くとしっかりしたストーリーのようにも思えるのだけど、実際には主人公は周りの人に言われるままクエストをこなし、それに従っているだけ。

エンディングは特に酷い。アークを浮上させるためにオーソリティーの基地に乗り込んだのは良いのだけど、特にボスも出てこないし、ぼけーっと進んで行くだけでゲームが終わってしまう。そもそもアークを浮上させる意味が分からない。浮上させる意味は何だろうか。レジスタンスの人達はそうする事で「オーソリティーに一撃を加えられる」と言うのだけど、全く意味が分からない。それに主人公が敵対するオーソリティーも完全な悪の存在では無い気がする。ミュータントを作り出しているのが悪なだけで、その他は通常の勢力争いに近い。Fallout 3 で登場した監督者(Overseer) の存在やそのプロットに Rage のストーリーのプロットが引っ張られたのだろうか。

とにかく伏線は回収できていないし、ストーリーはエンディングだけでは意味が分からず突然終わった感があり、作りかけという印象を受ける。

まとめ

全体的には Borderlands と Metro 2033 / S.T.A.L.K.E.R. の中間という印象。素晴らしいゲームだと手放しに褒められるゲームでは無く、良作といった感じ。

お使いクエストをこなしてストーリーを見ていくというゲームデザインは私のモチベーションをかなり下げた。ただ、S.T.A.L.K.E.R. もずっとお使いクエストだといえばそうだろう。

つまり、モチベーションが下がる本当の理由はストーリーが濃密で無いことにあるのかも知れない。S.T.A.L.K.E.R. はクエスト受注型のゲームではあったのだけど Stelok を追って行くという主軸があった。Rage はその主軸が無い。

主人公はただ未来に冬眠から目覚め、人に頼まれるままクエストをこなしていく。こういうデザインが、お使いクエストであることを強く感じさせているのだろう。

ゲーム序盤ではこのゲームは Metascore 70~80 点あたりのゲームだろうと感じていた。でもエンディングまでプレイすると、60~70 点だろうかとだんだんと評価が低くなっていった。

爽快感が無いシューティングと、つまらないクエストとストーリー、つまらないカーレース。このゲームは早めに安くなるだろう。クリアまでは16時間だった。ゲーム中のクエストはほとんどやったはず。ストーリーの無いゲームをお使いクエストを通して進めていくのは苦痛だったので、プレイ時間はこのくらいで丁度良いのかもしれない。

ストーリーはおそらく作りかけだったのだろう。それを強制的に終わらせたという印象を受けた。DLC でストーリーが続くか、拡張パックや続編を既に考えているのだと思う。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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