『Mass Effect 2』レビュー - クリアしての所感
Mass Effect 2 は前作に比べてゲームとしては面白くなった。ゲームとしては。ME1 での面倒なシステムを排除したり、改善することによりゲーム性が増した。前作よりもしっかりした FPS になっていると思う。さらに映像も綺麗になり、宇宙空間と未来にいる雰囲気がうまく出ている。
しかし、ストーリーに関してはそこまで評価できない。確かにストーリーは面白い。しかし、メインストーリーが短い。さらにメインストーリーは、仲間を集めるミッションで分断される。少しだけ全体のストーリー展開を書いてしまうと、
- Shepard 死亡。→ 復活。
- Illusive Man と会い、人類が忽然と消えている話を聞き、調査に向かう。
- 敵(Collector) に対抗するために味方を集める。
- Collector の艦に調査に行く。
- 味方を集める。味方と信頼を深める為のミッションを行う。Normandy 自体の強化。
- … (続)
という展開。味方を集めるのは、Collector に対抗するための部隊の強化という名目で行う。しかし、仲間を集めるミッションではメインストーリーは進まない。本当に仲間を集めるだけ。さらに仲間に関するミッションの方がメインストーリーよりも長い。私の体感としては、(メインストーリー) : (仲間に関するミッション) = 1 : 3 くらい。
メインストーリーは急展開で、飽きはしない。強引さは少し感じるとは思うが、ゆったりと進むストーリーよりは断然いい。しかし、メインストーリーが仲間に関するミッションで分断されてしまい、テンポが悪くなっている。これは非常にもったいないと思う。仲間を集めるミッションを通して、メインストーリーが進んでいくようにできればもっと面白くなったはず。
ストーリーは上の通り、メインのストーリーが短くあまり進展しない。なので、外伝的な、ME1 のストーリーを補完するようなゲームだという印象を少し受ける。たくさんある仲間に関するミッションで、Mass Effect の世界をより良く知ることができるのもその印象を強めている。例えば、
- ME1 の後 Krogan はどうしているのか。
- Krogan の Genophage について研究者はどう考えているのか。
- Cerberus とは。
- Geth の世界観とは。
- Quarian の Migrant Fleet はどのような感じなのか。
- ME1 で登場しなかった新しい種族がいること。
などを知ることができる。これらは Mass Effect の世界に対する知識をより深めてくれる。この部分は面白い。
まとめると、ME2 は Mass Effect 1.5 という印象。ME1 からグラフィックスの綺麗さと、システムの便利さ、シューターとしての面白さが格段に飛躍している。メインストーリーは面白いけれど、ストーリーはそこまで進展しない。しかし、Mass Effect の世界をより深く知れるのはいい。Mass Effect 2 はME1 の補完的な印象があり、Mass Effect 3 へのとりあえずのつなぎ、という印象。ME1 よりも ME2 の方がゲームとしては面白いけれど、私は ME1 の方が1つのゲームとしてのストーリーは面白いと思う。