PC で海外ゲームをプレイすることに一区切り付けようと考えていて、これまでにプレイした中でストーリーが良かったゲームを紹介しておきたいと思います。

ここでの「良いストーリー」とは、プレイすると心に何か残るものがあったり、またはプレイすると何か得られるものがあったりするストーリーのことです。ストーリーの構造が良いとかいう話ではありません。ストーリーについては「海外ゲームには練られたストーリーが少ない」という話で書いてあります。念のため書いておくと、海外ゲーム全体を批判しているわけではありませんし、ゲーム性を批判しているわけでもありません。

これから海外の PC ゲームをプレイしてみようと考えている人の参考になれば幸いです。海外のゲームを多くプレイする人は私の挙げるゲームを既にプレイしている可能性が高いです。

ストーリーが良いPCの海外ゲームにはなかなか出会えなかった

私が海外ゲームのプレイを始めた頃、日本語版の「アリス・イン・ナイトメア(American McGee's Alice)」に出会いました。言葉の言い回しや世界観が素敵なゲームでした。


EA Best Selections アリス・イン・ナイトメア

このゲームをプレイして「海外のゲームもなかなか面白いのだな」と感じ、そこから BioShock、Half-Life 1/2、Portal 1 などをプレイしていきました。私は偶然にも、PCゲームを始めた頃は比較的良質なゲームに出会っていたのです。

その面白かった海外ゲームの記憶を持ち、海外ゲームの質を信じながら海外ゲームの購入・プレイを続けていき、正確な数は分かりませんが数百本(400~)はプレイしていると思われます。しかし、心に残るようなストーリーが良い海外の PC ゲームにはなかなか出会えませんでした。

FarCry 2/3、Dragon Age 1/2、Mass Effect 1/2/3、The Witcher 2、The Elder Scrolls 4/5、Fallout 3/Vegas、Dead Space 1/2/3 … などの有名どころのゲームはもちろんプレイしています。ですが、ストーリーが良いゲームを挙げてみようと思ってもなかなか思い浮かびません。

海外のゲーマーは日本の RPG は子供が世界を救っていて馬鹿らしいと言いますが、子供が世界を救うそのストーリーに匹敵するストーリーを持つ海外ゲームはほとんど見られません。子供が世界を救うそのゲームは意外とストーリーが長く、その間に色々とテーマが表現されていたりします。なので「子供が世界を救うことは現実的ではない」とは確かにそうだと私も思いますが、そこへの批判はそれほど意味があるように思えません。

海外のゲームのストーリーの多くは「敵が出た、やっつけた」が多いです。その国のゲームに対する接し方や文化の違いもあると思いますが、私は PC の海外ゲームでストーリーが練られたものにあまり出会えませんでした。それに学び取れたものも少ないです。ストーリーではなく、ゲーム性は面白いものがあるのですが。

最近の海外ゲームでストーリーが良いゲームといえばおそらく「The Last of Us」なのだと思いますが、これは PC では発売されておらず私はプレイできていません。PS4 を買ったらプレイしてみたいゲームです。私の耳に届くほど良いゲームだという話を聞きます。


The Last of Us Remastered

ストーリーが良かった PC の海外ゲーム

私がプレイした PC の海外ゲームの中で、心に残る良いストーリーだった、これなら人にも十分お勧めできると思うのは、Mass Effect 1、Braid、Cryostasis、Portal 1、BioShock シリーズです。

Mass Effect 1

Mass Effect 1 は映画的なストーリーです。様々な種族で構成される宇宙連合があり、その中で人類代表として主人公のサクセスストーリーを描いています。人類はこの宇宙連合への参加が遅く、まだ立場が低いのです。それを何とか高めようというします。

私からすると、ゲームにはこのくらいの質のストーリーは欲しいという基準となるゲームです。すごくストーリーが良いというわけではありませんが(海外ゲーム全体から見るとかなり優秀なストーリーに分類されます)、ある程度満足できるでしょう。このレベルのストーリーを持つゲームは本当に少ないです。

ヒューマンドラマが多々含まれており(もちろん「ヒューマン」だけではありません。様々な種族と偏見なく接します)、不和、和解、人助け、恋愛、友人、協力、裏切りなど映画にありそうな要素はほぼ含まれています。メインはサクセスストーリーなので、ストーリーを追っていくのは爽快感と達成感があります。周りを見返してやろうと意気込めます。

主人公は大人なので人生のつらさも表現されており、どちらかというとストーリーは大人向けでしょうか。これは特筆しなければならないのですが、子供は見てはならない大人向けのシーンも含まれています。主人公を女性にも出来ますので女性プレイヤーも楽しめますし、同性間の恋愛もあります。様々な種族が登場するゲームなので、それはもう平等です。意思によって男にも女にもなれる種族も…。

このゲームをプレイすると「平等・自由」についての扱いが日本とは違うことに気付くでしょう。相手の価値観を尊重し、変に首を突っ込まない。これを感じ取ることが出来れば、相手を尊重することの意義について考えることが出来るでしょう。ここは是非このゲームをプレイして欲しいと思います。

ゲームを開発した BioWare はこの当時ゲーム中にプレイヤーに対して難しい選択肢を迫ることに傾倒しており、Dragon Age: Origins ほどではありませんがその傾向が見られます。

ゲーム中では「Codex」というゲーム中の舞台、種族、ストーリーなどを細かく説明してあるゲーム内辞書のようなものがあり、非常に親切で、設定が作り込まれているところが目に見えます。自艦がどのように FTL (Faster Than Light) を達成しているかの説明はなるほどと感じたりしました。

Mass Effect 1 のストーリーは良かったのですが、この続編である Mass Effect 2/3 はストーリーが浅く、一応ストーリーは完結はしましたが、不満が残りました。しかし Mass Effect 1 の最後のシーンを見るとどうしても続編をプレイしたくなってしまうでしょう。

BioShock シリーズ

ゲーム中には語られないストーリーの背景までもしっかりと作り込まれている BioShock シリーズは、海外ゲームの中ではストーリーも含めたゲームの質が抜きん出て良いです。

プレイヤーは流れ着いた Rapture という空間でよく分からないまま Atlas という人物に協力します。Rapture は水中都市で歴史があり、幼女とそれを守る Big Daddy がいて、一体 Rapture とは何なのか、何が起きたのか、自分は誰なのかと探っていきます。

登場人物の行動も理解できるものが多く、それぞれの立場や思惑が丁寧に説明され、登場人物たちがこれまで生き抜いてきた歴史を感じ取れます。情報量が多いゲームです。BioShock シリーズのストーリーはどれも練られており、意外性とともに楽しめます。BioShock 1 のエンディングは感動的で、死生観が表現されています。マルチエンディングなので是非 Good Ending を見てください。

BioShock 2、BioShock: Inifinite と BioShock の世界観でストーリーが続きますが、私は初代が一番良いストーリーだったと思います。BioShock シリーズは全体的に質が良いです。細かな舞台設定にも拘って作られています。

初代はホラー系の FPS ですが、続編から徐々にホラー要素が薄れ、Inifinite にはホラー要素はほぼありません。

Braid

Braid は最初はほのぼのとしているのですが、実はミステリアスさを前面に出したストーリーで、プレイヤーに考えさせるゲームです。謎だらけです。主人公は女性を助けようと行動していたようなのですが、なにやら様子がおかしい…。

核爆弾に対する非難も密かに含まれ、ゲームに社会のことを描いていて異質な作品と言えるでしょう。ゲーム内で社会を風刺するという手もアリです。

ストーリーはゲーム中のパズルを解くと徐々に明らかになっていくのですが、明らかになるストーリーは断片的であり、最終的にストーリーの解釈はプレイヤーに委ねられます。登場する言葉の端々から自分なりにストーリーを構築します。まさにパズルでピースをはめていくようにストーリーを構築することになります。ストーリーもゲームのパズルも素晴らしい出来です。

物の見方を変えることを、パズルとストーリーを通して教えてくれます。これはゲームから発せられるメッセージの1つです。このゲームではパズルの解き方さえもストーリーを読み解くヒントとして扱わねばなりません。

Cryostasis: Sleep of Reason

Cryostasis はウクライナのゲームです。極寒の中、砕氷船が沈む緊急時において、人とのつながりを描いた作品です。ウクライナのゲームは「海外ゲーム」ではありますが一般的な欧米のゲームとはかなり異なっています。ウクライナは S.T.A.L.K.E.R.、ウクライナと近いロシアでは Metro 2033 など、このあたりのゲームはストーリーをメインにしたものが多く、精神的な物語を描くものが多いです。

主人公は難破した砕氷船を調査しに行き、死んでいった人々(動物も)の記憶に入り込み、悔しさなどの死に際の想いを汲み取って過去を変えます。

「何とか事故を防ごうとしたが、最後に失敗した…」「残した仲間が心配だ…」「あの場面で言葉の行き違いがあった…。あれさえなかったら…」「あのとき私が彼を理解できていれば…」。死に際の悲しい叫び、心残りを主人公が晴らしてあげるのです。

極寒の舞台のゲームですが、心温まるストーリーです。私はこれまで3回ほどクリアしていますが、毎度涙ながらのプレイでした。特にエンディングには感動しました。もう諦めていたのに人の熱意を持った優しさに突き動かされ、凍っていた心が解け、目を見開いてハッとなる表現が印象的で、瞳の中に失われたきらめきがよみがえります。是非そこを見て欲しいです。

一応ホラーゲームのような気がします。敵を銃で撃つのですが、その敵が気持ち悪いです。FPS ゲームとしては3流の出来です。夏にプレイすると寒さを感じられて良いかもしれません。このゲームはマルチエンディングです。是非 True End へ辿り着いてください。

Portal 1

Portal 1 は恐ろしく訳の分からない環境に放り込まれ、一体この空間は何なのかとプレイヤー自身が考えながら進むゲームです。この奇妙さを楽しめればゲームのストーリーを高く評価することになるでしょう。

しかし他に挙げたゲームと同じようには、ストーリーが良いとはっきり言えません。ストーリー自体は薄いです。ただ、ゲーム中に様々なものが隠れるように存在し、私はあれがこうで、これがあれとつながって…、と謎が解けるのが好きなので、全体としてはストーリーが良いゲームとして挙げておきます。断片を繋げていく面白さがある点は上の Braid と似ています。

空間の白さとともに、何か強烈に記憶に残ってしまう展開のゲームでした。AI の怖さ、管理社会への批判的なメッセージは深読みすればあるでしょう。それをブラックジョークで表現しています。

Portal はこのゲームの開発をした Valve(細かく言うと、学生が作ったゲームに Valve が目を付けてさらに開発した)が過去に作った Half-Life というゲームと繋がりを持たせてあります。いろいろと裏設定が細かいです。

ゲームは一人称視点のパズルゲームで、ポータルガンというものがあり、これを撃つと壁に輪(扉)を2つ作り出せます。2つの輪は空間が繋がっていて、これを用いてパズルを解きます。ゲーマーの間では「ポータルのように~」という例えが成立するほど有名なゲームです。画期的なパズルゲームです。ゲームとストーリーのバランスが良いゲームでした。

ポータルを題材にしたたくさんのパロディがあり、現代のゲーマーと言うならこのゲームを知らないことはあってはなりません。エンディング曲も有名です。エンディング曲の歌詞が感動的だったりします。

エンディングのムービーではありません。エンディング曲の歌詞を使ってデザインしてみようという映像作品です。歌詞はネタバレなので勘が良い人は見ない方が良いかもしれません。

私はこの曲の「I think I prefer to stay inside」という部分が好きです。寂しそうです。その後に登場する Black Mesa は Half-Life を知らないと分からない言葉です。ジョークと言われても…。

Portal 2 はプレイしたのですがあまり覚えていません。新しいパズルが出てきたことと、ジョークが秀逸だったことくらいしか記憶にないです。ジョークは Portal 1 が関東人的だとすれば、Portal 2 は関西人的。エンディング曲はしっかりと覚えているのですが…。

おわり

上のゲームが PC の海外ゲームの中では、ストーリーやシーンが心に残ったゲームです。私にとっては BioShock シリーズ、Cryostasis、Braid が三大巨頭です。お勧めするのは結果として比較的有名なゲームになってしまいましたが、プレイしたことがないなら是非プレイして欲しいゲームです。外れはないと思います。

上に挙げたゲームは、プレイしたゲームを比較して上位を選んだというわけではなく、単に心に残った、得るものがあったと記憶しているゲームを書いただけです。全体的に古めのゲームになってしまいました。最新のゲームはPCの海外ゲームに落胆続きだったこともあり、あまりプレイしていません。海外ゲームを多くプレイしたため、海外ゲームのプレイ動画を見るとどんなゲームか分かってしまい、あまりプレイ意欲を掻き立てられないという理由もあります。

今は日本のゲームの方がプレイしてみたいという気持ちが強いです。私がプレイした日本のゲームは、心に残ったり、色々と勉強になったりしたゲームが多いです。

挙げたゲームが古めなのは少々申し訳ないのですが、「心に残るほど良いストーリーだった」と感じる海外の PC ゲームはそんなにありませんでした。

ゲームは過去に発売されたものになればなるほど映像的な古さからプレイする気が起きなくなるので、プレイしてみようと思ったら早めにしておいた方が良いかもしれません。Mass Effect 1 は今ではちょっと厳しい見た目でしょう。Cryostasis は発売当時は重いゲームとして有名でしたが、最近のPCスペックなら全然問題ないです。

Portal はゲームエンジンである Source Engine が度々更新されていることもあり、発売から時間が経っても映像的にはあまり古くならないかもしれません。

これにて私は海外の PC ゲームのプレイは一区切りとします。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

Twitterのアカウントはありますがうまく扱えていません。Twitterでご連絡の際はDMだとメールが来て気付けます。