日本のアクションゲームっぽい見た目なので以前から目をつけていたゲーム。プレイしてみると本当に面白い。単なるアクションゲームかと思っていたら全然違っていた。プレイする度にキャラクターが成長していくのでなかなかプレイを止められない。

どんなゲーム?

このゲームはランダムダンジョンな 2D アクションゲームで、日本のゲームの「魔界村」とかに影響されているデザインのように思える。ストーリーはあまり明かされないのだけど、プレイヤーは王族の生き残りで、ともかく城を攻略すれば良いらしい。この城こそがダンジョンで、構造はランダム生成される。プレイする度に構造が変化する、という例のあれ。横スクロールアクションのゲームで、ランダムダンジョンとは珍しい。

Rogue Legacy を最初プレイしたときすぐに操作キャラクターが死んでしまうので「なんて難しいゲームなんだろう」と思ったけれど、最初は特に難しいようだ。体力が少ないので敵の攻撃などのダメージ数回で死んでしまう。体力を回復させる方法も分からなかったし。その為、プレイし始めはともかくダンジョンに潜ってお金をできる限り集めて死ぬことが目標になる。お金があればヒーローを強化できる。繰り返しプレイしてヒーローを強化していくというスタイルのゲーム。お金はダンジョン内の敵や宝箱、そこら中にあるオブジェクトの破壊から得られる。

死亡画面と次のヒーローを選ぶ画面。

ダンジョンで死ぬと一族の肖像画がどんどん多くなっていく。自分が死なせてしまったキャラクター(ゲーム中ではヒーローと呼ばれている)がヒーロー選択画面の左側にずらずら…。ヒーローが死んでしまうと今度はそのヒーローの子供を操ることになる。徐々にヒーローが生まれた年と死んだ年が進んでいくのが少し心配。「何年までにクリアせよ」とかの条件あったらどうしよう。たぶん大丈夫だろうけれど。

実はヒーローもランダム生成。操作しているヒーローが死んでしまったら、新しく3人のヒーローの中から1人を選んでプレイする。この3人のヒーローはクラスと特徴が異なる。クラスは体力が高いパラディンや力が強い忍者などがある。特徴は、攻撃で敵を吹き飛ばせたり、体が小さかったりと様々。特徴は良いものばかりではなくて、マイナスに働くものもある。「画面の上下が逆さまになる」という特徴のヒーローがいるけれど、これはプレイしにくすぎ。

ヒーローが死ぬときに持っていたお金は次のプレイに持ち越せる。このお金を使ってヒーローを強化する。強化すると今後のヒーローすべてでステータスなどがアップする。鍛冶屋もお金で誕生させることができ、鍛冶屋が登場するとちょっと高い金額で装備アイテムを作って貰うことができる。他にも魔法使い(Enchantress) を誕生させるとスキルを覚えられる。走るスキル、二段ジャンプのスキルなどなど。「敵を倒すと体力回復」というスキルがあってこれを購入できると少し冒険が楽になってくる。

鍛冶屋。アイテムはダンジョンで設計図を手に入れると増えていく。魔法使いから覚えられるスキルも同様。

ただこのゲームはお金を集めるのがかなり大変。プレイの度に、城へ入るときに悪魔に入場料としてお金をすべて取られてしまうからである。先ほど書いたようにお金は次のプレイへ持ち越せるけれど、ダンジョン(城)に入る前にすべて使い切ってしまわなければならない。なので、高い装備やスキルを買おうと思ったら一度の冒険でたくさんの金額を集めて来なければならない。

お金をどこかに預けられないのかと思うだろう。私がプレイしたところまででは預金システムはなかった。ただヒーローの強化が進むと、城へ入るときに取られる金額を少し減らすスキルを取得することができる。全額から 90%、80% などと減らせる。もちろんこの減らすスキルの取得にはお金が必要。

操作性はものすごく良い。アクションゲームでありがちな慣性が少なく、操作キャラクターが滑らない。プレイヤーの操作に機敏に反応し、きびきびした動きで気持ちいい。

このゲームではダンジョンをランダム生成させないで固定化できるシステムがあるのも面白い。ダンジョンにある重要な宝箱は開けるのに少しパズル要素があって、特定のクラスや特定の特徴を持ったヒーローでないと開けられないことがある。もし今使っているヒーローで宝箱を開けられない場合、ダンジョンを固定化すればそのヒーローが死んだ後の次のヒーローに望みを託せる。次のヒーローでその宝箱を開けに行くことができる。

「ダンジョンを固定化する」というと順番にちょっと誤解が生じるかもしれない。このシステムは、ダンジョンに入る前に、今使っているヒーローが「前回の構造のダンジョンに入る」かどうかを選択できるというもの。なかなか面白い発想だ。前回のダンジョンに入ると探索したマップはそのまま残っているので、ダンジョン内でテレポートしてすぐさまボス戦へ向かうこともできる。

ゲーム後半はゲームバランスが悪い

前半はヒーローを強くしていくのを楽しめる。ゲームを始めたばかりの新鮮さもあり、お金を集めてステータスを上げるのが苦ではなかった。次々に起こることが新鮮だった。スキルを取得したり、装備を手に入れたり、新しいクラスを解放したり。

しかし、ボスを2体倒したあたりから敵が極端に強くなって雑魚敵に簡単にやられてしまうようになった。そこからステータス上げをしなくてはならず、これがストレスだった。

お金をできるだけ集めて死んで、お金でステータスを上げて、の繰り返し。ステータス上げ、というのは JRPG でのレベル上げに近い。あるいは、「不思議のダンジョン」でいうところの武器を強化して倉庫に送って死ぬような作業。この Rogue Legacy ではダンジョンから出る方法が無く、必ず死ななければならない。

レベル97 に到達した際のスクリーンショット。レベルは 100 以上になれる。

ボスも本当に強く、自分のヒーローのレベルがボスのレベルを大きく上回っていないと倒すのが難しい。ボスの攻撃力が高くなることと、体力が高くなることがきつい。こちらの攻撃力はそんなに伸びていかないので、力が強いクラスのヒーローで攻めるしかない。

何でこんなに敵を強くしてしまったのだろう。確かにそうすればゲームの寿命、プレイ時間が延びる。でも明らかにアンバランス。道中の雑魚敵が強くて倒せないのだから。雑魚敵が大量に出てくると今までのボス戦よりも厳しい。

私はレベル上げをしなくてはならないゲームは基本的にはゲームバランスが悪いと考えている。ストーリー進行を一時停止しなくてはならないのは退屈だ。このゲームはレベル上げが目的の面もあるのだけど、後半は敵の強さの上がり方が極端すぎる。

このように、このゲームは後半が厳しいので「このゲームはクリア可能なの?」というスレッドが Forum に作られてしまっている。そのスレッドを見ると、このゲームをクリアした人はクリアまでにだいたい30時間ほど掛かった人が多いようだ。

ステータスや装備を完全に整えてからラスボスを倒すのにはこのくらいの時間が掛かるらしい。私はそのプレイ時間の半分でラスボスを倒したけれど、かなりシビアな操作を要求された。

プレイし始めはお金集めを繰り返しているだけでも面白かったけれど、ゲームに慣れてくるとステータス上げが少々退屈だ。内部の構造は違えど、もう何十回、何百回と同じ見た目のダンジョンを進んでいるわけで、さすがに飽きてきてしまった。

それに、このゲームでは先に進むには必ず以前通った弱いエリアを介さねばならず、その何度も通った弱いエリアをダンジョンに入る度にまた進まなければならないのは退屈だ。いきなり強いエリアから進ませて貰えると随分ストレスがなくなるはず。

一応ダンジョンを固定化してテレポートするという手もあるけれど、これをすると拾ったお金が通常の 60% になるという弊害がある。ボスを倒すためだけならダンジョンを固定化する手は有効。でもステータスを上げなければならない時にはこの手は候補に挙がらない。

他にも気になるのは拾うお金の金額。強い敵がいるエリアでは、もう少し拾える金額を大きくしても良いのではないだろうか。ゲーム後半はスキル取得などに要求される金額がどんどん高くなっていくので、その分ダンジョンで長くお金集めをしなければならない。

強いエリアと弱いエリアのどちらがお金を集めやすいかというと、実は弱いエリアである。敵が弱いためこちらが死ぬ心配が無く安全にお金を集められる。強いエリアと集まる金額がそこまで変わらない。ここのバランスも少々悪い。

あと、ヒーローのクラスを選択できないのは意外とストレスで、ラスボスに何度も挑戦しているとき、戦闘が得意でないクラスのヒーローしか選べないときは面倒だった。この場合、ダンジョンに行ってすぐに死んで、次のヒーロー選択をしていた。

前半はヒーローのクラスがランダムなのも楽しめたけれど、厳しい戦闘の際は当然、戦闘に強いクラスを選んだ方が有利なのでストレスがたまるシステムだと感じた。

弾が飛んでくるのを注意してくれる優しさ

細かいところで良いシステムだなと思ったのは、次の場面。

画面下に「これから画面外からこういう弾が飛んでくるよ」と注意を表示してくれている。このおかげで画面外の遠くから飛んでくる弾を計算に入れて動ける。

2D アクションゲームでこの気遣いはなかなか見られない。かつてのロックマンなどでは画面を切り替えた直後に弾が飛んできてダメージを食らうことがあったけれど、このゲームではそこから学んだのか、こういった気遣いを入れてあった。

総評

全体的には楽しいゲームだった。ゲームバランスが多少悪い、別の見方ではレベル上げに時間が掛かるゲームだったけれど、ステータス上げやスキル取得など、自分のヒーローが強くなっていくのは楽しかった。

ヒーローを徐々に強化していくことができるのは、前回のプレイが無駄にならなくて良い。自分の操作キャラクターを強化していくのは日本的なゲームだと思うけれど、私はこういうのが好きなので合っていた。かつては強くて手こずっていた敵をさくっと倒せるようになると嬉しい。

操作性が良かったのは評価に大きく貢献している。キャラクターの動作はリアルではないけれど、プレイヤーの操作に機敏に反応してくれる方がプレイしやすい。

ボス戦はパターンを読むと戦闘が少し楽になるのは良かった。ただアクションゲームが苦手な人はボスが強すぎると感じるかもしれない。私の場合はボスに挑むにはたぶんレベルが低いこともあり、ボスの攻撃が数発当たると死ぬ事が多かった。なのでかなりシビアな操作で敵の攻撃を避ける必要があった。

ストーリーは良くない。このゲームはアクションがメインで、ストーリーはおまけ程度。もう少しストーリーを頑張ってくれると有り難かった。

クリアまでのプレイ時間は、私の場合は15時間くらいだったのでちょうど良かった。これ以上長いと疲れてきてしまう。PlayStation 4 や VITA などの家庭用ゲーム機でも発売されるようで、なかなか人気になりそうなゲームだと思う。

2D アクションゲームとしては良質。やはり 3D ゲームよりも 2D の方がゲームをしている感じがする。このゲームには日本のゲームの心を少し感じられた。

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About

Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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