『Dead Space 3』レビュー - 中盤までのプレイ所感

2019/06/06 2013/03/22

現在中盤に入ったところ。Dead Space 3 は全体的にはシューティングに力を入れたゲームになったと思う。グラフィックスも綺麗で軽く、宇宙空間はより幻想的で綺麗になった。デブリはあるけれど。

まずはシューティング関連の部分の話を

前作よりも敵が多く出てくるのと、急に出てくるのは特徴的。そして敵が多く出てくる場面ではプレイヤーがどこにいても敵が後ろから攻めてくる。これは安全圏が無くゲームとしては良く出来ているとも言えるけれど、シューターゲームでは重要だと思われる場所取りの要素が薄れている。忙しい場面では必ず後ろから攻められるので前作と比べて明らかに難しい。

このゲームは1マガジンあたりの弾数が少ないので、大量に敵が出てくると必ずリロードが必要になる。そういった場面では敵を回避するのは難しい。通路も狭いことが多いし。私は少しはそういうのに慣れてきて、緊急時には Stasis という敵の動きを遅くする能力を使い、迫ってくる敵の横を走り抜けつつリロードをする様にしている。ほぼ必ず後ろから敵が攻めてくるので後ろには逃げられない。その後、後ろに振り向いて攻撃。

しかし、敵が大量に出てくるのはこのゲームではもの凄い強み。それは武器を自分で組み立てられる要素があるからだ。

今作ではゲーム中でパーツを拾ったりして武器を組み立てられる。上の画像のように大体8個のパーツを組み合わせると思って貰って良い。パーツは拾うだけでは無く、敵が落とす素材を集め、それを元に自分でも作り出せる。この事から、敵が多い方が素材が多く手に入る。そしてパーツを組み立てて自分で好きなようにカスタマイズした銃を撃って試したいので敵が多い方が良いし、「多い敵をどう処理するか」を考えながら武器を組み立てるのが本当に楽しい。序盤ではストーリーを進めるよりも武器をカチャカチャといじっていた方が楽しかったりした。

組み立てを簡単に説明してみると、上の画像で左の Upper Tool と Lower Tool でどのようなエネルギーを出力をするか決める。例えば実弾を撃ち出すタイプとか、プラズマ、テスラの系のものとか。それをどのように加工して飛び出させるかを右の Tool Tip で決める。Tool Tip ではショットガンのように弾を広げさせたり、逆にコンプレッサーで圧縮してみたりといったパーツを付けられる。これらの武器の出力は2つ付けられる。これによって前作のように武器を切り替えなくて良くなった。ちなみに弾薬はすべての武器で共通になった。これはもの凄く良い改善点で、「よく分かってるね」と褒めたい。

なお左下の Frame を変えると、同じ Tool でも随分違った武器になる。Frame は主に両手持ちか片手持ちかを決めるのだけど、例えば同じプラズマを使ってもその弾の出方が違ってくる。片手持ちの武器ではプラズマはプラズマカッターになるのだけど、両手持ちではインパクトハンマーのような武器になる。こんな感じでたくさんの組み合わせがあって、自分が好きなように出来るのは面白い。自分が好きな弾の飛び出し方の銃はダメージが弱いこともあるけれど、そこは Circuit で補える。

今作は敵が大量に出てくるので、私は「1マガジンあたりの弾薬が多い」「Fire Rate が高い」「ダメージが高い」を重視して武器を組み立てている。こんな感じで銃で戦闘に戦略を立てられる。「Dead Space 3 で銃を作れる」という Trailer を見た時は、どうせ種類が少ないんでしょと思っていた。でも組み合わせの種類は迷ってしまうほど多かった。ゲームが進むとパーツの種類も増えるし、反対に多すぎるような気がしている。そこで武器を作るのが面倒な人には Blueprint があり、組み立ての設計図を入手すれば自動的に作ってくれる機能もある。自分で組み立てた銃の Blueprint も作れるようだ。

そんなわけで、Dead Space 3 では敵を撃つのが楽しい。たくさん出て来てくれるし、素材を落としてくれる。敵の頭を撃つのでは無く、四肢を撃つ方が有利なゲームデザインも相変わらず楽しい。最近プレイしたどシューターゲームよりも撃つ要素が作り込まれていると思う。

細かいけど良く出来ているところ

今作はある程度自由に宇宙空間をさまよえる。でも自由に飛んでいると、自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。そんな時は Objective へのルートを表示させると、自分がどこに向かわなければならないのかすぐに分かる。「目的の船を見つけたけれど、入り口はどこなんだ」という時も、ルートを表示させればすぐに分かる。私はこの機能をいつも使っている。便利すぎる。

上の画像では、左の状態から前に進んで壁に当たっている場面。腕をよく見て貰いたい。壁に当たる前には腕は伸びて銃を構えていたけれど、壁にぶつかりそうになると段々それを縮ませる。細かいけど良く出来ている。

今作では新しいことに挑戦していて、シャトルを動かしてのシューティングゲームもある。Call of Duty のヘリやタンクなどの様に、シューターゲームでは全然面白くない乗り物が良く登場する。でも Dead Space 3 のこの場面は面白かった。だらだらとこの場面を続けないし、意外と難しくて面白かった。

他にも、Stasis のような特殊能力を追加して増やさなかったのは好感が持てる。プレイヤーはたくさんの事を一度には出来ないので、特殊能力はあれだけで良い。

悪いところ

今のところ感じている悪いところは、チェックポイントが少ないこと。中断したい時もチェックポイントまで行ってから終了させないと随分前のチェックポイントまで戻されてしまう。拾ったアイテムは保存されているので良いけれど。ちなみに今作は自分でセーブするという動作が無い。全部オートセーブで、セーブ画面を開いてセーブなどはしない。セーブスロットはいくつかあるけれど、好きなタイミングでのセーブが無くなった。でも今作はいつでも過去のチャプターはセレクトしてプレイ出来るのでセーブは過去のバージョンを取っておく必要は無い。

他には視野角が狭くて酔いやすいのは前作同様。そして、暗い場面で天井のライトがチカチカと光る場面が1つだけあり、明暗が素早く切り替わってここでは少し気分が悪くなった。ポケモンフラッシュのような。このライトのお陰で酔いが進んだ。

また、武器の組み立ては少し説明が足りない。最初パーツは一度使ったら取り外せないと思っていた。もう少し説明があった方が親切だっただろう。

後は Co-op をしないとシングルモードをコンプリート出来ないのは気になる。Co-op をしないと Co-op 用のステージ中のアイテムを拾えないので、そのチャプターの拾いもののコレクト達成度が100%に到達しない。まぁそこまで気にしてプレイをしている人もいないだろうし、些細なことではある。

終わり

今のところは敵を撃っているのが楽しい。取り立てて気になる部分も少ない。SimCity を先に買っているのに Dead Space 3 からプレイしてしまっている自分の方がちょっと気になる。

プレイ中のふとした時に、「こんなに良いゲームなのに、どうしてこのシリーズはすぐに安くなってしまうんだろう」と不思議に思いながらプレイしている。シューターゲームの中でも BioShock とこの Dead Space は面白いのに安いという不思議なシリーズだ。それらのゲームより価格が高い他の FPS や TPS よりも良く出来ていると思うのだけど。

ところで今作のストーリーはちょっと不安。恋愛系になってしまうのだろうか。今回はシューティング要素に力を入れた所為か、ストーリーはあまり語られない様になっているように思える。プレイヤーが操作できない時間を意図的に短くしているのだろうと良い方向に解釈しているけれど、今のところストーリーはあまり練り込まれた印象は無い。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。