『Puzzle & Dragons(パズドラ)』レビュー - スマートフォン向け基本無料のゲームを初めてプレイ
一応タブレットを持っているので、「Puzzle & Dragons(パズル&ドラゴンズ)」というスマートフォンとかタブレット向けのゲームをプレイ。このゲームを選んだのは有名らしいから。何百万ダウンロードもされているらしい。宣伝文句の「何百万ダウンロード」は「収益」ではない事に一応注意しておきたい。このゲームはプレイするだけなら無料。
基本的には良くあるパズルゲームで、色を縦や横に3つ以上そろえるだけ。色を揃えると、揃えたその色に合った自分のモンスター達が敵に攻撃する。属性もあり、攻撃時には効果的な属性も考えながら戦う。
パズルのシステムは良くあるものと言ってしまって良いと思う。やはりPCゲーマーの私としては、どうしてこのゲームが人気なのかが不思議だったので、そこら辺を考えながらプレイした。
何で人気なの?
世界的には「人気=ダウンロード数」。それは宣伝であったり、口コミだったりに影響される。しかし、ここではどうしてプレイヤーが続けてしまうのか、どうやってマネタイズされているかを少しだけ考えてみたい。
おそらく続けてプレイしてしまう人がいるのは「モンスターのレア度」の存在だろう。うまい(狡猾)と思ったのは、チュートリアルで「ガチャ」と呼ばれる、くじ引きのようなものをプレイヤーに一度やらせる点。「ガチャ」をするとランダムでレアモンスターが手に入る。この「ガチャ」はゲーム中では貴重なアイテムを5つ使わないと出来ない。さらにそのアイテムは楽には手に入らない。お分かりの方もいると思うけれど、お金を払えば全部が楽に進む。
そのやるのが大変なガチャを、ゲームの開始10分未満の時点でプレイヤーにやらせる。この時、レアモンスターが出やすいので、レアモンスターが出るとプレイヤーは「せっかくレアが出たんだからもう少し進めよう」と思うのではないだろうか。私もそうだった。「あまり手に入れられないレアなモンスターを手に入れてしまった!」と嬉しい気分にはなる。ただ落ち着いて考えると「ガチャ」をしている訳なので、レアモンスターはほぼ確実に引くわけだったりする。
世間的にはこういうことは良くあるのでは無いだろうか。おじいちゃんの形見の何かを貰ってそれ好きになっていく、など。それと同じ事だろう。「ゲームにはまる」ことへの最初の一歩は「レアモンスター」に背中を押されて進む。
パズルゲームはなかなか良い
レアなモンスターを手に、そのままゲームを進めてみた。するとパズルゲームが意外と面白いことに気付く。良くあるパズルゲームではあるのだけど、少し変わっているのは「丸い玉を動かすときに隣の玉と交換」という移動方法では無いこと。丸い玉は時間以内なら自由に指で動かせるので、一度にたくさん動かし、コンボを狙える。この「自由に動かしてコンボを狙う」というゲーム性が面白かった。
考えれば3つほどはコンボが出来る。ただ縦に5つしか玉が無いので、玉が消えた後の、連鎖的なコンボは自分の思ったようには出来ない。これは Puzzle Quest に似ている。
しかし結局「レア度=強さ」だと気付いてしまう
パズルにも慣れて、ゲームのその他の操作にも慣れてくると、悪い面が見えてきた。先に進むにつれて敵が当然強くなってくるわけだけど、その強くなり方が放物線的だった。
このゲームはモンスターのレア度がモンスターの強さをほぼ意味する。よりレアならより強い。ある程度進んだ後は敵が強くなるのが極端なので、結局レアなモンスターがいないと戦闘が辛くなってくる。如何に有利な属性攻撃を考えようとも、敵の体力が高くて攻撃力も高いとなると勝てない。ここで私はこのゲームに疲れてしまった。
無料でプレイしていても限界が見えてくる。レアなモンスターはただゲームをしているだけではほぼ手に入らず、結局「ガチャ」によるレアモンスターがいなくてはパズルでの戦闘がきつい。期間限定のキャンペーンなどを駆使して頑張れば、お金を払わずとも何とかゲームを進めるだろう。でもそこまでしてプレイするゲームでも無い。
まとめ
ゲームとしてはパズルが普通の出來で、モンスターのレア度によるコレクション要素もあり、全体的にはスマートフォンやタブレットなら良い出來のゲームに入りそう。PC ゲームと比べてしまうとインディーゲーム以下の出來だけども。
しかし、このゲームはやはり「基本無料」のゲームなので、お金を払わずプレイをしていると不利な場面が多々ある。私はこのゲームはもうやらないだろうけど、暇つぶしの無料のパズルゲームと捉えるなら、かなり良いゲームだと思う。スマートフォン向けゲームに良くある数百円ほどのゲームと同じくらいのシステムを搭載している。「別にレアモンスターなんかいらない」「強い敵を楽に倒せなくてもかまわない」「お金を払わずにプレイすることに生きがいを感じる」という人には良いゲームだろう。
このゲームを運営している会社としてはお金を払って欲しいわけで、何とかお金を払わせる方向に進ませたいはず。運営は「レア度」や「プレイヤーの収集欲や顕示欲」などを使ってプレイヤーをリアル攻撃してくることだろう。恐ろしい。煩悩を捨て、諸行無常や諸法無我を悟り、涅槃寂静へ…という今の時代に合わせた仏教ビジネスが次は流行りそう。
ところで、「このゲーム全体にいくら払えるか」も考えてみた。私は $3 ほど。$5 払えば PC では BioShock や Borderlands 1 が買えてしまう。そのゲームほどの価値はさすがに無い。PCゲーム市場は物価安。