『Steins;Gate』レビュー - 再プレイ。ストーリーを覚えておきたい大好きなゲーム
ストーリーを忘れてきたのでもう一度プレイして記憶をより保持させたかった。私は忘却曲線からは逃れることが出来ないようで、どうしても物事を忘れていってしまう。
再プレイをして感じることは「楽しい」と言うこと。物語の盛り上げ方が上手いし、声優の演技も上手い。初めて"タイムリープ"する時は声優の演技で私も緊張させられたと同時に、声優の演技に感動した。確か以前もこの時に声優の演技に感動した記憶がある。
それにしても「光速の指圧師」にはイライラさせられる。光速の指圧師に優しいオカリンにもイライラ。これは私がストーリーを知っているからという訳では無く、IBN5100 を狙っているのはすぐに分かるのに何にもしないオカリンにイライラしてしまうのと、たくさん届くメールの着信音がうるさいからである。
ダイバージェンスが変わる時は興奮してしまう。
このゲームをプレイしていてストレスに感じる点は、「メールをいつ読むか」「電話に出るか」という判断をさせられること。ストーリーを読んでいる時にメールが届くと物語を追うのを中断させられて、携帯電話を撮り出すかすぐさま判断を迫られる。こういうゲームは分岐が多いのでどうしても分岐を意識してしまう。このゲームはあまり分岐点が無かったと思うが、さすがにそういうことについては既に忘れているのでその点は新鮮に楽しめてはいる。また会話中に携帯電話を見るとクリスティーナに怒られてしまうので彼女との会話中には携帯電話を見られない小心者の自分がいる。ゲームなのに。無言の圧力がストレスとなって効いている。
現在タイムリープを複数回行ったところまで進んだ。2度目のプレイなのに、ここまで全然飽きない。ただ願わくば、このゲームに関する一度記憶を消してから、もう一度プレイしたかった。もうそれはどうやっても叶わないのだけど。
個人的にトラウマになりそうなカットシーン。何度見ても怖い。
ループもののストーリーは「記憶保持」をどうするかに懸かっている。このゲームは記憶を渡していく方法と、主人公の特殊能力でそれを行っている。一切記憶保持をしないタイプのループもののストーリーはあるのだろうか。ちょっと見てみたい。
このゲームは True End ルートへ自力で入るのは難しすぎる。ビジュアルノベルは選択の結果が分かるのが、選択してから随分先のことになるので大変だ。
Steins;Gate を振り返ってみるとあまり敵が出てこない。Sern 関連が敵としては存在するけれど、登場するメインキャラクターは最後には味方に近い存在になる。こういう考え方は日本的な様な気もする。実際はみんなが幸せになれる事はほぼ無いだろう。でも確かにハッピーエンドで終わってくれた方が後腐れ無くて良い。
ところで、以前の BioWare 作品のシナリオではあまりハッピーエンドが存在しない。選択肢でどちらを選ぶか責任が重かった。最近の BioWare 作品はその傾向から外れたし、選択肢も質が変わった。
Mass Effect 3 の選択肢は実は結構陳腐なもので、正義か悪かの2系統の答えに分かれた。以前の BioWare なら正義を「正義」とする事は無かっただろう。選択が正しいかどうかはプレイヤー自身が決めることなので、ルートをあらかじめ「正義」と名付けることはあってはならない。…話が随分ずれてしまった。
Nitro+ は Phantom of Inferno を繰り返し発売するのでは無く(プレイした事は無いけど)、こういうサスペンスもののゲームをまた作って欲しい。いや、シナリオライターの人にお願いした方が良いのか。それにしても以前はこういうノベルゲームはPCの独擅場だったけど、今や Console がメインになりつつあるように思える。アダルトゲームは別として。