巷で人気のような気がする Silver Second 開発の「片道勇者」をプレイ。8月5日にベータがとれたバージョンが公開されたばかりで、不思議のダンジョンシリーズのような、ローグライクなゲーム。ダンジョンでは無くフィールドでローグライクをする感じで捉えると分かり易いと思う。

「片道」って?

どうしてタイトルが「片道」なのか。これは画面左方向から「闇」が襲ってきて、それに飲み込まれると死んでしまうという設定にしているから。この設定がゲームを面白くしている。戦闘はほぼ不思議のダンジョンシリーズを思い浮かべて貰えば良いが、右にずっと移動していくというこのゲームデザインはこのジャンルのゲームには新しいだろう。アクションゲームでは良くあるけれども。

この設定が有効に利用されているのは、例えば敵から逃げる時。左方向には逃げられない。この話の前に、どうして敵から逃げるのかも説明しておこう。全体的にプレイヤーに比べて敵が強いのである。武器が揃わない序盤では特に敵が強く、正面から戦闘しているとそのまま死んでしまったり、何とか倒せるにしても戦闘が敵との連戦になりがちなのでそれで死んでしまう。

そこで逃げるという手段をとる。それにこのゲームでは「魔王」という存在がいて、突如現れてプレイヤーを襲ってくるので、序盤では逃げるしか無い。こうして逃げる時に、左側にはずっと逃げられないので、どこかのタイミングで右側に逃げなければならない。ここでさらに上手いなと感じたのは、敏捷度というステータスによって敵がたまに2倍速になる事である。

敵がプレイヤーと同じ1ターンに1マスの移動だと、その性質からプレイヤーは直線的にずっと逃げられる。でも敵とプレイヤーとの敏捷殿違いによって敵をたまに2倍速にすることでこの逃げ方を排除した。うまいデザインだとは思うが、敏捷度が無いと殆ど敵から逃げられなかったりする。

また、旅の途中に所々にある町でもゆっくりしていられない。ここでも闇が迫ってくるので、出来るだけ素早く人と会話し、アイテムを買ったりしたい。空腹を満たすのにも町が重要だが、徐々にフィールドが闇に侵食されていく世界では先を見て行動していないと町に立ち寄れない可能性も出てくる。

死が無駄にならない

私の初プレイは Easy の世界で敵にやられて死んだ。また最初からやり直しかと思ったが、死んだ後にプレイデータの評価が表示される。ここでちょっとしたアドバイスなども貰えるし、死んだ時の「勇者レベル」のポイントで、右の画像のように「特徴」という初期ステータスを開放して使えるようにしたり、新しいクラスを開放したり出来る。次のプレイにアイテムを持ち越せるようにする倉庫も拡張できる。

これは有り難い。死ぬとプレイが無駄になるのでは無くて、死んでもポイントが貰えて次に生かせる。特に「特徴」は重要で、プレイヤーの初期ステータスに響き、序盤のプレイスタイルが変わったものになる。キャラクターに付けられる特徴の数は最大で5つのようで、何度かプレイすると増えて行く様子。

こうした何度もプレイさせるようなデザインは上手い。最初はクラスが2つしか無いが、条件を満たすとそれが増え、また新しいクラスでプレイしようという気になる。

世界を共有するオンライン機能

「さばやん」さんがやられたというメッセージが左上に出ていて、その直後に右に霊魂として登場した。

このゲームは他のプレイヤーと冒険する世界を共有することが出来るようで、そういった世界で冒険するとちょっと面白い事が起きる。同じ世界でプレイしているプレイヤーは画面の左側に表示され、たまに彼らの状態がオートメッセージで表示される。そんな中、他のプレイヤーが死ぬと上の画像の様に他のプレイヤーのゲームで霊魂として登場する。

彼に話しかけると経験値をくれたり、アイテムをくれたりして良いことばっかり。たぶん彼が死んだ時に持っていたアイテムの中から幾つかをドロップしてくれるとのだと思う。霊魂にはマイナス要素がたぶん無いので、プレイする時はオンライン要素を使った方が良いだろう。自分が死んだ時も、おそらく他のプレイヤーのゲームに登場して挨拶していることだろう。

私はふだん FPS のような殺伐としたゲームをプレイしているので、こういった温かいオンラインゲームには少し戸惑うが、心温まるオンライン機能だった。

ノーマルクリア

Easy モードな世界をクリアした後、ノーマルな世界へと旅だった。Easy の序盤で貰えた有り難いアイテムが貰えなかったりして、なかなか厳しい戦い。世界の生成がランダムで、まったくアイテムを拾えない時が一番きつかった。何度かプレイを繰り返し、ネムリと一緒に旅をするモードでノーマルな世界をクリアした。このモードでは魔王と話せるのでストーリーが少し分かって面白い。

クリアした人達のデータを眺められる。自分のデータもそこに載っていた。しかし、装備アイテムが他のクリアデータと比べると随分見劣りする。みんなかなり長く旅をしているようで、私のように早めに魔王を倒してしまう人の方が少ない。

ところでこのゲームは「魔王」を倒せばクリアになるが、倒さずにずっと右へ右へと冒険していっても良い。私はずっと右に行くのには飽きてしまいそうなので、頃合いを見計らって魔王を倒してしまったが、ずーっと冒険したい人はそれをせずに頑張ってみると良いと思う。

まとめ

フリーゲームでここまで面白いのは感心する。$5 くらいなら払っても良い出来。上ではあまり悪い部分は書かなかったけれども、一番気になる事を書いておこう。それはゲームの解像度が低いこと。640 x 480 のサイズは今や小さい。F4キーで画面を拡大できるが荒くなる。

解像度が低いのは目には付くけれども、ゲームバランスはなかなか良いように思えるし、フリーゲームでここまで作ってくれるのには頭が上がらない。何らかの方法でゲーム開発の苦労が還元されていれば良いけれど、今後どうするのだろう。ずっと無料で公開するのだろうか。Steam にある安いゲームより良く出来ているので無料ではもったいない気がする。でも、私も取っ掛かりとしては無料で無ければプレイしなかったと思う。特に Vector とかで有料販売されたら買わないと思う。プレイした今ではちょっと寄付したい気分。

Easy と Normal のクリアまでの数時間を飽きること無く楽しめた。それに、また新しいクラスでプレイしようと思っている。他にも違ったルールの世界もあるし、まだ楽しめそうだ。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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