『DLC Quest』レビュー - 風刺的で面白かった
プレイ
Indie Royale に入っていた「DLC Quest」。私は DLC としてマップを作り、みんなで共有して楽しむアクションゲームかと思っていた。しかしプレイし始めて見ると全然違う。最初に注意書きが出るのだけど、「このゲームは風刺だ。本当の DLC は一切無く、登場する DLC はゲーム内のコインで買える。楽しんで」と表示される。つまりこのゲームは DLC ばっかりになってしまった現在のゲームを皮肉っている訳だ。
ストーリーは分かり易い。マリオと同じ。主人公は姫をさらった悪い男を追いかける。さあゲーム開始だ。でもゲーム開始直後に突然音が無くなった。それに右にしか動けない。バグかと思いきや、右に進むと DLC を売ってくれる人がいる。
音が欲しければ DLC を買え。左に動きたければ、ジャンプしたければ DLC を買え。キャラクターがただ滑るように動くのでは無くアニメーションして動いて欲しければ DLC を買え。…なるほど。この瞬間にこのゲームを大分理解できる。ここでは最初はコインを4つしか拾えないので必然的に "MOVEMENT PACK" を買うことになる。
ゲームプレイはマリオの感じ。そこに少しシステムを足し、キャラクターと会話できるようにしたり、剣を振れるようにしてある。剣は敵を倒すために使わないのだけど。ともかくコインが無いと DLC を買えないのでステージ中のコインを集めていく。このコインによってこのゲームの進行が制限されるデザインで、とにかくコインを集めないといけない。
ゲームはコインを集めて DLC を買うのと、少しの会話だけ。あまりネタバレになってもいけないのだけど、面白かったシーンを少し挙げたい。
面白かったシーン
「宝が置いてあって見えるけど取れないよ」という嫌がらせ。試してみると確かにぎりぎりで届かないように出来ている。
NPC の服がセクシーになるという DLC を買っても登場する NPC はほぼ男。男がこんな服を着ても…。
ゾンビを登場させる DLC。「このゲームには合わないけど、営業部にどんなゲームにもゾンビが必要だと言われた」。この DLC を買うとゾンビが登場するようになる。攻撃してこないけど。
「やあヒーロー。本をどこかに無くしてしまったんだ。子供もいなくなった!釣り竿もどこかに!ヒーローの君は子供を助けなくては!無くした本を取り戻さなくては!無くした釣り竿も見つけなくては!」と一方的に頼むおじいさん。主人公は「ヒーローって? …いやいや、あなたを知ってすらいないし。自分の問題は自分で解決しないと。忙しいんだ」と答える。このシーンには笑ってしまった。私もクエストで進行するタイプのゲームではいつもこう思っている。
まとめ
ゲームはなかなか楽しめた。主には DLC に対する風刺。何をするにも DLC を買わなくてはいけない。楽しかったのだけど、1時間かからずにクリア出来てしまった。もう少し長くしても良かったと思う。でも数時間が限度だろう。このゲームは実はエンディングが2種類用意されている…、と書くと誤解によって評価が上がりそうだ。2種類あるのは本当で、もちろん DLC でエンディングが追加される。
このゲームを「ゲームをやりたい」と思ってプレイしてしまうとたぶんかなりの低評価になってしまう。このゲームはしっかりしたゲームでは無くて、気楽にアドベンチャーゲームをプレイする程度の感じだと良いと思う。肩の力を抜こう。
私は全部の Awardment を取った。完全クリア。そこまで難しいものでは無いのだけど少しの達成感を得られた。