『Sideway New York』レビュー - 「And Yet It Moves」を思わせるパズルアクション
「Sideway New York」(Steam)。プレイヤーが壁に描かれたスプレーのようになり、ステージを進んで行くアクションゲーム。マリオに「壁の面」という概念を加えた感じに近い。
もちろん敵も出てくるし、マリオでいうコインのようなものもある。このゲームにはアクションゲームとしてはそこまで新しいものは無い。このゲームはアクションゲームというよりもどちらかというとパズルゲームとして頑張っている。それは下のような場面でパズルゲーム的な頭の使い方をするため。
上の場面では右側の「コイン(白い楕円に赤の×印)」を取れない。縦方向のスプレー(黄土色っぽいもの) は足場にできないし、頑張って右にジャンプしても届かない。ではどうするのかというのがパズル要素なのだけど、ここでは画面左下のところを利用する。このゲームでは縁に邪魔するものが無ければ縁の先の壁面へ行ける。
その部分へ行くと上の1つ目の画像のような状態になる。これが壁の面から面へと移動した後の様子。こうするとプレイヤーが立てる軸の方向が変わり、今まで足場に出来なかったスプレーに乗れる。このパズル要素は「And Yet It Moves」のものに近い。自分で軸を回転できないだけ。
「And Yet It Moves」というパズルゲーム。(Steam)
こんな感じにしてパズル要素を解きながらコインや隠しコインを取る。このゲームはアクションよりもパズル要素の方が強いと感じた。如何にステージ中にあるコインを多く集めるか。ステージ中にある脇道にめざとく目を光らせないとならない。シビアな操作を要求される場面は1時間ほどのプレイではなかった。
「S」を横に倒したようなマークが「隠しコイン」のようなもの。マリオでいうドラゴンコインだろうか。
このゲームはステージ中に多くあるチェックポイントへいつでも戻れるシステムがあるので、やはりコインを集めて欲しいのだろう。ステージをクリアするまでの時間制限は無い。ただスコアはあって、チェックポイントに戻ると減ってしまう。
まとめ
ゲームとしては全体的に悪くないのだけど、そこまで高評価も出来ない。「定価 $10 だし、こんなものか」という印象だった。あと何故か結構酔った。軸とカメラワークが頻繁に変わる所為だろうか。1時間ほどのプレイだけで少し疲れてしまった。ステージ中のコインをできるだけ集めたいと思い頑張ってしまったので、ステージの進行方向とは別の部分を注意深く見るのにも疲れさせられた。
また、チェックポイントを過ぎてしまうとそれより前のチェックポイントには戻れないのでこれには少し神経を使う。「できれば次のチェックポイントまでの間にあるコインを全て取ってからチェックポイントを通過したい」と考えるような人は疲れると思う。私のことなのだけど。
私がプレイしたところまでではアクションゲームとしてもそこまで面白くなく、「よくあるアクションゲーム」という域を出ていない。数あるアクションゲームの中に埋もれてしまうようなアクションゲームだった。ただ中盤~後半には面白くなるのかも知れない。なお二人で協力プレイも出来るところは良いと思う。
他には、BGM はラップっぽい Vocal 付きの曲のがいつも流れていて少し斬新ではある。しかし私はペルソナ3、4を知っているのでそれだけでは高評価できない。この Sideway ではゲーム中の BGM が少しうるさいと思ってしまった。BGM 音量を下げていても。
ゲームを終えてこんな文章を書いている時にも、もうこのゲームは十分プレイしたという気分に浸ってしまっている。たった1時間しかプレイしていないのに。ゲームの出来は悪くないのだけど、取り立てて面白いとも感じなかった。暇つぶしには良いかもしれない。ただその暇つぶしにでも、このゲームよりも他のゲームの方を選んでしまう可能性が高いと思われる。私ならそうする。