「Zero Escape: The Nonary Games (cf.Steam)」を購入。「Zero Escape」シリーズの第1作品「極限脱出 9時間9人9の扉」(2009年発売)とその続編「極限脱出ADV 善人シボウデス」(2012年発売)がセットになったものです。

このゲームはいわゆる脱出ゲームにストーリーが付いたゲームで、第1作目の発売2009年当時に流行っていた脱出ゲームというジャンルに乗っかっています。

第1作目のストーリーは面白い

第1作目「9時間9人9の扉」では、主人公は突然昏睡させられ、沈没しそうな船の個室で目が覚めて脱出スタート。「ゼロ」を名乗る人物が、同じように船に連れてこられた人たちをゲームに強制参加させる。

強制参加させられたゲームは「ノナリーゲーム」と呼ばれ、ルールを破ると腕に付けられたバングルが爆発するぞと脅される。制限時間9時間で「9」と書かれた扉を見つけて脱出しなければならない。これがストーリーの始まり。

いつの間にか手首に取り付けられているバングル。

脱出ゲームというのはあまりストーリーや設定を気にしてはいけないものです。だってボタンを押したらどこかがゴゴゴゴゴと動いたりするのは普通は有り得ません。そんなギミックだらけの部屋を作るのはお金が掛かりすぎるし、そもそも普通に暮らす部屋でギミックを作る意味がありません。

しかしこのゲームはそこの理由付けも行ってありました。まぁ脱出ゲームの目的は突拍子もなくてちょっと非現実的ですが、設定はしっかり作ってあります。よくあるようなただの脱出ゲームではなく、ストーリーや舞台設定がしっかりあります。

Ever 17 を感じる

実は私はこのゲームをプレイしている最中に何故か「Ever 17」のことを思い出していました。「主人公の顔は確認できるのか…?」と。第1作目は早めに主人公の顔を確認できて安心しました。しかし第2作目では実は鏡が登場しません。(1つだけあるのですが、汚れていて鏡として使えません。)

Ever 17 をこれからプレイする人にはかなり重要なネタバレをしてしまったのですが、今となっては古いゲームなので許して下さい。「Ever 17」を未プレイの人は古いゲームですがとても良いゲームなので、「Zero Escape」シリーズよりも先にプレイするのをおすすめします。「Zero Escape」には「Ever 17」のネタバレが含まれますから。

「Zero Escape」シリーズは三作品が発売されていて、シリーズ第1作目、第2作目と2つともクリアしてからシナリオは誰が書いたんだろうと確認したら「Ever 17」のシナリオライターの打越鋼太郎さんでした。

プレイ中ずっと「Ever 17 と STEINS;GATE に影響を受けたっぽいなぁ」と感じていたので、腑に落ちました。

緊張感があるが、生ぬるい

さて、ストーリーですが、第一作目はとても面白かったです。船室に水が入ってきて船が沈没するかもしれないという焦燥感がまずあり、次にはルールを破ってバングルが爆発して人が死ぬ場面を見させられる。誰もがここを脱出したい、助かりたい。私はサスペンスやデスゲームが好きなので引き込まれました。

ルールを守ってみんなで頑張っていきましょうというところで、他殺による死人が出る。正確には他殺だろうとメンバーが判断するのですが、メンバー間の疑心暗鬼が生まれます。良い緊張感です。

こうした中で「なぜ犯人(このゲームの主催者)はこのゲームをしようとしたのか」「殺人は主催者が起こしているのか、または違うのか。違うとしたらメンバーの中の誰が起こしているのか」と考えていきます。

そして「過去にこんな論文がある」「昔、とある実験に参加させられたことがある」という一見ゲームとは関係がなさそうな知識を話す人が出てきます。それら全ては実は関係があって…、という感じでストーリーが進んでいきます。

最後は「あ、そっちになるのか」という感動的なエンディングへ。私は「STEINS;GATE」を思い出していました。「自分を騙せ」。

脱出ゲームとしてはかなり練られたストーリーです。ビジュアルノベルとかのクオリティのシナリオ。本末転倒ではあるのですが、パズルゲームはやらずにテキストだけを読んでストーリーを追っていきたい…。

死が身近にあり、バッドエンドでは殺されるので緊張感があって楽しめました。犯人は誰なのかと考えるのも楽しい。ですが、私からするとがちょっと生ぬるい。残酷さ、冷淡さ、人間の本性の醜さなどが少ししか表現されません。優しいシナリオです。

本当は人を殺そうとするともっとたくさん殺せますし、もっと早い段階で殺してもいいし、もう少し悪いことを考える人が出てきても良さそうです。ゲームルールが本当なのかと検証する人も出てきませんし、みんな素直でいい人過ぎます。

手に付けられたバングルは外れず、死ぬと外れるとのことですが、このルールをもっとうまく利用することを考える人が出てこなかったのには驚きです。

殺した方が楽で得になる場面が多々あります。しかし普通の人は「殺そう」とは考えないので、これが「普通」なのかも。私はもっと狡猾に物事を進める犯人が好きなのですが、利己的な人も常識人に近くて優しいです。私はもうちょっと狂気的なシナリオが好きです。

上の画像のような狂気的なストーリーが続けば最高でしたが、実際はもっと優しいストーリーです。

フローチャートへの理由付け。ちょっとネタバレ

ちょっとだけネタバレをします。10年前のゲームですし、いいですよね?

プレイヤー(主人公)はフローチャートから「あのルートのこの場所から」とルート分岐前に戻ってプレイを再開することができます。一見するとプレイヤーに優しいゲームデザインだなと思うわけですが、これにちゃんと理由付けがあるのです。

フローチャート

STEINS;GATE」などをプレイした事がある人はもうピンときたことでしょう。そっち系のお話です。フローチャートへの理由付けをしたゲームは劇的に増えましたので、もうみんな聞いたことがあるようなその設定です。

多くのゲームでルート分岐は多世界解釈論で語られるわけですが、「STEINS;GATE」ではほかの世界での知識を何とか別の世界へ持っていけないだろうかと考えました。

その手段として、「STEINS;GATE」ではメールや電話を使いましたね。このゲームでは他の手法を使います。非現実的で「STEINS;GATE」よりはなんちゃってな設定です。SFではなくて超常現象ですから理屈は説明されません。

第2作目は苦痛。説明過多

さて、第1作目は面白かった。パズルもそれほど難しくないし、ストーリーも面白くて先を知りたいと思ってプレイできたのですが、第2作目「極限脱出ADV 善人シボウデス」(2012年発売)はプレイが苦痛です。

ちなみに、第2作目は完全に3Dで表現された映像になります。第1作目は2次元のものを3次元的に配置したりしていますが、基本的には2Dのゲームでした。それを完全に3Dにしたことで部屋の探索は見回りやすくなった一方で、それぞれのオブジェクトは簡単なポリゴンの映像となってしまいました。

これによって部屋などのリアル感がかなり減り、没入感が減りました。3D化は部屋を隅々まで調べるというゲーム性からは当然の流れかと思いますが、その3Dが作り込まれていないのはマイナスポイントです。

実は3Dよりも2Dの方が普遍性があります。今この3D映像でゲームをプレイするとちょっと古くさいなと感じるかもしれません。2Dのままでも良かったような気がします。

それよりも私は「極限脱出ADV 善人シボウデス」は不要な演出が多すぎて、かなり不快感を感じました。クリックで演出のスキップができないため、イライラさせられます。

文字を瞬時に表示できないストレス

私はビジュアルノベルをプレイするときは必ず文字を瞬間表示にします。パッと表示されないと読むのに時間が掛かってストレスを感じるのです。

声に合わせて文字が順次に表示されるゲームが大多数ですが、私は文字を早く読みたいタイプです。パパパッと進めていきたい。ビジュアルノベルはクリアまでに時間が掛かるゲームが多く、ゆっくりしていられません。ボイスはクリックしても途切れずに流れてくれるシステムが好きです。

「Zero Escape」は第1作目、第2作目ともに、文字が順次に表示されます。設定で変えられません。

ということは、文字を表示させるアニメーションを止めさせて瞬時に表示させるための1クリックが余分に必要になります。

このゲームでは会話とか文章を読むときには、ずっとマウスをカチカチカチカチ押していました。表示が遅いのです。第3作目では瞬間表示ができるようになっていると嬉しいのですが…。

移動シーンも何度も見させられる地獄

本当に不必要なのは移動シーン。デベロッパーが3Dで表現できたのが嬉しかったのか、プレイヤーはスキップ不可能な自動移動シーンを何度も見させられます。

「1階のあの場所に行こう」→ 移動シーン → 会話

移動シーンは下の簡略化されたマップ上の光の移動で表現されます。扉までくると一人称視点に戻り、扉が開く映像が流れます。エレベーターに乗る場面では扉を開けてエレベーターに乗り、降りる映像。そしてまた簡略化マップの光で部屋の移動。移動シーンが長いよ…。

ゲーム序盤はそんなに広範囲を移動しないのでいいのですが、ゲーム中盤ともなってくると移動が長い。

会話 → 1階の部屋に移動 → 会話 → 「2階のあの場所だ!」 → 移動 → エレベーター → 移動 → 「1階だ!」 → 移動 → エレベーター→ 移動 → 会話

エレベーターが含まれてくると1回の移動シーンだけで数十秒掛かります。緊迫した場面でも必ず移動シーンを見させられるため、緊張感が存続できなくなってしまいます。

しかも移動シーンはスキップできないので本当に苦痛です。移動は何度も何度もあり、何も操作できず、数十秒間見ているだけのシーンが何度も訪れます。移動の度に「はぁ…」とため息をついてしまいます。

しかもキャラクター達が意地悪で、「た、大変なことが起きた!」『何が起きたんだ?』「いいから!とにかく来てくれ!」と言います。必ず。絶対に何が起きたか教えません。ここで必ず移動します。

先に何が起きたか教えて欲しい…。何で移動してから言うんだろう…。ゲーム中は何度も何度も大変なことが起きます。その都度何が起きたか言わずに移動。このゲームのメインは移動場面を見続けることですね。

普通は移動中でも会話をするはずですが、このゲームのシステム的にそれが表現できません。移動中は会話無し。

さらに、ゲームをウィンドウモードでプレイしている私は、移動シーンは見たくないからブラウザーで何か見たり、他の作業をしようと思うのですが、ゲームはウィンドウがアクティブでないとゲームが進まず映像も一時停止します。きつい…。

これは何とかならないのかと思い、未読スキップをONにしてスキップしたら、移動がかなり早くなりました。(ゲーム中のヘルプに説明がありますが、「Ctrlキー」でスキップのモードを切り替えられます。未読スキップをONにしないと見たことがない移動シーンはスキップされません。)

これだと未読のテキストも少し飛ばしてしまうのですが、同じようなシーンが何度も繰り返されるため、そんなにテキストが重要ではありません。

本当に重要なのは終盤で、中盤までは真面目に読む必要がありません。移動シーンだけですごく時間が掛かりますので、私はどうしても未読スキップを使わずにはいられませんでした。

移動の表現は走っている足音だけで十分ではないでしょうか。

「早くこっちに来てくれ!」→ 暗転 → (効果音: タッタッタッ… → ドアを開ける音) → 明転 →「なんだこりゃ」

という簡単な表現でいいと思います。

説明過多

移動シーンが毎回スキップできないのはおそらく、ゲームの舞台設定を説明しようとしすぎたのではないかと思っています。

アガサ・クリスティの推理小説のように、本当に読者(プレイヤー)に推理させようとすると、犯人が推理できる量の情報を事細かに伝えなければなりません。これをやってしまったのではないかと推測します。

移動シーンはプレイヤーに建物の構造を伝えることと、誰がどういうルートで移動したかを説明したかったのではないでしょうか。私はそんなに事細かに推理したいわけではないので苦痛なのです。アガサ・クリスティの小説は淡々とした説明が多くて私は苦手です。

Aさんがこの時間にここを通って移動した。一方Bさんはその時間にここにいた、というような、時間軸の表を作って推理をしなければならないような細かさが見えます。

この説明過多がストーリーにも現れてしまいました。

第2作目は第1作目で明らかにされたことを補強して利用しているため、シナリオライターはタイムパラドックスの回避の説明をしなければならなくなってしまいました。

完全なネタバレを書いてしまうと、第1作目は「時間を超えたテレパシー」を扱いました。これだけだと超常現象なので「ふーん」で済んだのですが、第2作目ではそのテレパシーを拡大させ、時間跳躍して人間の心(意識)だけを人間の体に入れ替えられるというような設定を新たに加えたため、うまくやらないとタイムパラドックスが存在してしまうことになりました。

終盤はこのタイムパラドックスの回避の説明や、時間軸に沿った心の入れ替えの順序説明に終始します。

これを読んでも「はぁそうですか、そういう設定なのですね」としかなりません。設定をストーリーに組み込んで、ドラマを起こして欲しかったです。

緊張感無し

第2作目は第1作と趣が違い、緊張感がありません。

昏睡させられて連れてこられたのは同じですが、脱出ゲームというよりは建物の探索という側面が強い。第1作目のように沈没する船にはいませんし、安全なとても環境の良い施設にいます。

「果たしてここはどこなのだろう」「探索して使えるアイテムを探そう」。部屋に閉じ込められるけど、鍵を手に入れれば問題なく出られる。脱出ゲームである必要がなくなっています。

1回の部屋の探索(脱出ゲーム)が終わる度に、囚人のジレンマ的なゲームがあります。「協力」か「裏切り」を選んで、ポイントを貯めていき、自分のポイントが「9」になると施設から出られる。殺しは必要ありません。平和です。

自分も相手も「協力」してお互いに +2 となるのが理想。でも相手に「協力」を選ばせ、自分が「裏切り」とするのが最大得点。

ポイントが0以下になるとバングルから毒が注入されて死ぬが、このゲームではお互いに「裏切り」を選んでも得点が0となるだけなので優しい。

「協力」「裏切り」の選択が終わると結果発表となる。「9」ポイントを得ると施設から脱出するための扉を開く権利を得る。扉は一度しか開かれないため、一度でも扉が開くと脱出ゲームが終わり。残った人は施設から出られない。

一応殺人は起きるのですが、「善人シボウデス」という名前通り、みんな基本的にはいい人です。「囚人のジレンマゲーム」では「裏切り」を選択する狡猾さを見せるのですが、それ以外で自分だけ有利に進めようという考え方はしません。

主人公「シグマ」と「ファイ」のグループを裏切ったプレイヤーに対峙する場面。

もっと色々とやりようがあるのに…。第2作目はバングルが爆発しません。致死性の毒がバングルから腕に注入されるだけです。心臓が発生する微弱な電波を受け取ることができなくなるとバングルは外れます。

ということは、これを利用する手がいくつも思いつくのですが、ゲーム中では全く触れられず誰も試そうとしません。

犯人も早めに分かるのですが、その犯人が人を殺す前に、先に仲間達で殺してしまうという手も考えません。犯人のことを仲間だけに説明して捕らえることもしません。主人公達は受動的です。

服も食べ物も薬も病室も全て揃っているため、生きていく上での不安感がないのでしょう。緊張感が全くありません。コールドスリープの施設もありますし、自動的に治療をしてくれる治療ポッドも。至れり尽くせり。脱出できなくても施設から出られないだけで問題がない。

ドラマ無し

しかもヒューマンドラマもありません。すごく淡々とストーリーが進んでいきます。

部屋を探索して、囚人のジレンマゲームを行って、まぁ小さないざこざは起きるのですが、それだけです。これがゲーム終盤にさしかかるまで行われます。ゲーム終盤というのは、16ルートぐらいで BAD END になるとやっと終盤に入ったというくらいでしょうか。

フローチャート。この状態だとまだ前半。このゲームではただ1つの TRUE END 以外は全部 BAD END。TRUE END は最終盤にならないとたどり着けない。

終盤に入らないとストーリーが盛り上がらないので、ここまで耐えなければなりません。ゲーム最終盤にやっと「なぜこんなゲームが行われているのか」という疑問が解明していきます。ストーリーを知りたい人は最終盤までひたすら耐えて下さい。20時間ぐらい。

しかし、ゲームの本当の目的を知ることができても、第2作目ではそこにたどり着くまでのヒューマンドラマが存在しません。みんなで頑張ったということもないし、協力し合ったという感じもない。

知り合いと一緒にゲームに参加している人もいますが、そういう人にとってはその知り合いが殺されてしまうのは悲しいかもしれませんが、主人公としては他人なのでどうでもいい。

しかも登場人物たちは囚人のジレンマゲームでプレイヤーに「『協力』を選んでね」と言いながら自分は「裏切り」を選んで自分だけが脱出しようとする性格の人なのでなおさらどうでもいい。感情移入ができません。

ヒューマンドラマが存在しないので、ゲーム終盤はちゃぶ台をひっくり返すような展開というより、シナリオの舞台設定や、舞台設定に存在する突っ込みどころの回避、タイムパラドックスの回避などのシナリオライターが頑張って考えた舞台設定をずっと聞かせられている形になります。

第1作目が恋しい。みんなで頑張って脱出した感覚が得られて、仲間が誰も殺されずにハッピーエンドなので良かったなぁと感じたのですが、第2作目は何にも感じませんでした。ゲームの新の目的は聞いても何の感情も湧かず、移動シーンのストレスの方が大きい。

「TO BE CONTINUED」は悪いデザイン

このゲームはルートを進んでいくと、突然「TO BE CONTINUED」と表示されゲームが終わってしまいます。

これは今の段階ではルートの先に進めないという意味です。この仕組みによってプレイヤーの行動に制限を設け、ゲーム上のタイムパラドックスを避けています。

フローチャートの黒い「?」マークはルートの先に進めないという意味。他のルートで得た知識がないと進めない。黒が緑色になった「?」マークはそのロックがはずれ、先に進めるようになったという意味。このロックが多数ある。

プレイヤーの行動を制限しなければならないほどに、複雑にたくさんのルートに分けたのは感心できません。無意味なルートが多い。第2作目は無駄なルートが多いです。プレイ時間も第1作目の2倍以上が必要です。

ロックされたルートを先に進めるための知識を他のルートで知識を得てこなければならないのですが、他のルートをプレイした後になるとロックされたルートで何があったのかを忘れてしまっています。

「えーっと、何が起きたルートだったっけ?」と考えるのですが、似たようなルートがいくつもあるため、何が起きたルートか忘れてしまっているのです。

もう一度そのルートを最初からプレイするのは面倒なのでそのまま進めることになります。

フローチャートで何が起きたのか軽く書いておくとか、もう少し配慮が欲しかったですね。

冗談、ギャグが面白くない…

主人公とヒロイン(ファイ)との会話で、「ボタンを押すぞ。いいか?」「確認は要らない。早く押せ」というやりとりが何度も繰り返されるのですが、これは面白いと思ってやっているのでしょうか?

何度も何度も同じようなやりとりが繰り返されるため、文章を読むのも、そのしゃべりを聞くのもイライラしてしまいました。

主人公は何度も止めろ言われているのに、毎回「押すぞ?いいか」とか、「3…2…1…」とかカウントダウンを口に出して言うのですが、これは何ででしょう? プレイヤーをイライラさせたかったのでしょうか?

ほかの笑い要素としては親父ギャグ的な似た発音の単語や、似た音の単語の聞き間違えを言うものばかりです。

第1作目からエロネタを会話に入れ込んでくるのですが、下品さを感じます。「その穴にねじ込んで」とかエロに寄せた会話内容にしたり、緊迫した状況で「○○のスク水がみたい」とか意味が分かりません。

ギャグセンスや笑いどころは私と合わないようです。エロにしてももう少し気の利いた笑いがあると良かったのですがやり過ぎていて低俗です。子供にプレイさせるのはちょっとというレベルまで達しています。

登場人物が水着になるとかお風呂のシーンがあるとかの直球のエロ要素ではなくて、下品さを感じる会話でのエロ要素を入れてあります。エロくないのが救いがない…。含羞も無し。

ちびまる子ちゃんのまる子の声はゲームに合わないかも

第2作目のゲームの進行役はウサギの仮想キャラクター。憎まれ役。この声優はTARAKOさんで、ちびまる子ちゃんのまる子の声優の女性。

これはおそらく「ダンガンロンパ」のクマの進行役がドラえもんの声優である大山のぶ代さんである事から、こちらはまる子にしたのだろうと思います。ですが、まる子の声は世界観とはちょっと合わないと感じました。

「まる子の声でお願いします」とオファーされたのか分かりませんが、声からどうしてもまる子を思い浮かべてしまいます。ダンガンロンパのクマはドラえもんの声でも悪くないなと思ったのですが、こっちのウサギはどうも板に付かないというか。キャラクターと声が分離してしまっています。もう少し性格の悪そうな声の方が合っていたかと思います。

大山のぶ代さんの声は性格が悪いキャラクターに合っていて、ダンガンロンパではクマがしゃべるのを聞くのが楽しみでした。まる子ちゃんはなんか違う気がしてしまいます。

ストーリーや会話上、ウサギをうまく生かせていない影響が大きいかもしれません。ゲームをクリアして振り返ってみても、ゲーム進行役のウサギは後半はほぼ登場しなくなり、いつの間にか忘れ去られ、どうでもいい存在になってしまっています。

ダンガンロンパのクマのように自由にやって欲しかったです。

パズルは難しめ

数字根と16進数

「9時間9人9の扉」のテーマは数字根と16進数。「数字根」は各桁の数を足して最後に残る一桁の数字のこと。それぞれの参加者のバングルには違った数字が書かれていて、数字根を使って扉をくぐらなければなりません。

例えば「1」「5」「9」のバングルを持つ参加者なら、「1+5+9=15」ここからさらに各桁の数字を足して「1+5=6」と計算し、「6」が数字根となります。この組み合わせの参加者では「6」の扉しか開かないということです。

プレイヤーはバングルの組み合わせから数字根がどうなるか計算して考えなければならない場面が多々あります。

「1、2、3、4、5、6、7、8、の数字から3~5つ組み合わせて、数字根が6になる組み合わせを答えろ」はかなり大変です。本来は考えたくありませんが、プレイヤーはこれを考えて選択肢を選ばなければなりません。間違えても問題ないですが。

このゲームも脱出ゲームなのでパズル要素がたくさんあるゲームなのですが、よくあるような、このボタンを押して、次はここを押してという簡単なものではありません。数字根や16進数が絡んでくるので頭を使わせられるパズルです。

とはいうものの、たまにあるその数学的なパズル以外は結構簡単です。ヒントもそんなに要らないことが多いでしょう。

このパズルは化学の知識がない人でも解けるようにヒントがある。

続編では色がテーマに

しかし、続編の「極限脱出ADV 善人シボウデス」は色がテーマになっていて最初からかなり複雑になっています。こちらは前作であった数字根によるグループ分けをやめ、それぞれの参加者のバングルの色を混ぜた色が何色になるかでグループ分けをします。

「光の三原色」の加法混色ルールを知らないとかなり高度です。さて、赤と緑を足すと何色になりますか? これを「黄色!」とすぐに答えらる人でないと難しい。

赤と緑を混ぜても黄色にならないだろうと思ってしまう人もいるでしょう。もっと黒っぽい色になるのでは、と。これは「色の三原色」のルールです。絵の具とかの方ですね。こちらは「減法混色」と呼ばれる混ぜ方です。このゲームでは「加法混色」で考えなければなりません。

ただ幸いなことには混ぜた色でのグループの分け方をプレイヤーに答えさせる場面はありませんでした。色を混ぜる組み合わせと、その色を持つメンバーの分け方をプレイヤーに考えさせるのは難しいと判断したのでしょう。正解です。

前作の数字根でのグループ分けでも大変でしたし、色の組み合わせはさらに複雑です。上の画像のように誰と誰の組み合わせで扉をくぐるのかを選択するだけでOKです。第2作目「善人シボウデス」ではグループ分けに配慮が加えられました。

グループ分けのルールの煩雑さだけでなく、「善人シボウデス」ではパズルもかなり難しくなっています。マス目上でサイコロを転がして決められた位置に決められた目を出してのせるのは時間がかかりました。上面の数字だけを答えに合わせれば良いのではなく、側面も決められた数字でないといけなかったため大変でした。

さらに、小さな図形を組み合わせて平行四辺形を作るのも大変。平行四辺形を作ってるじゃないかと思っても、実は決められた向きの平行四辺形でなければなりませんでした。

小さな図形を全て使って組み合わせて大きな平行四辺形を作るというパズルは、何かやり方があるんだろうと考えない人にとってはかなり大変なパズルだと思います。直感的にただ回転させたり移動させたりするだけではおそらく答えにたどり着けません。私はヒント機能をほとんど使わなかったので知りませんが、EASYモードにすると良いヒントが出たのでしょうか。

3回ダーツを投げられる。その3回はそれぞれ違う色に刺し、合計で91ポイントを得るにはどこに刺すか、というパズル。スコアのポイントは外側から内側に向けて、円周に書かれているポイントの1倍、2倍、3倍と区分が分かれていて、中心に近づくほど点数が高い。

ここで2通りの組み合わせを見つける必要がある。パッとすぐには解けないはず。

読解力が試される

さらに次のパズルは読解が大変です。ABCDEの種があり、これを適した培養液に入れなさい。ただし、「AとBの種は培養液Aでは育たない」「CとDは培養液Bでは育たない」「AとEを培養液Cに入れたところ片方は育った」…などなど。

これは「生物」の問題かというレベルです。ルールを読んで理解して答えるタイプのよくある問題です。このゲームのパズルでは生物の知識はいりませんが。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち」などで指摘されたように、日本人の読解力があまり高くない状況でこのパズルはかなり厳しいのではないかなと思わせられる場面もありました。

言ってはいけない!「日本人の3分の1は日本語が読めない」

「国際成人力調査」の結果概要

(1)日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。

(2)日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。

(3)パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。

(4)65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。

「読解力」などとカッコ良さげなことを言ってみましたが、ともかく「善人シボウデス」のパズルはかなり面倒でした。パッと瞬間的に、直感的に解けるタイプのものが前作よりも少なくなっていて、1つのパズルを解くのに時間が掛かります。

パズル好きなら嬉しいと思いますが、このゲームはストーリーがあり、私はストーリーを知りたくてゲームをしているので苦痛に感じる場面が多々ありました。

正直なところ第2作目はプレイしない方が良かったのかも

Steamで「Zero Escape」シリーズ三作セットを購入したので、とりあえず全部プレイしようと思って第2作目もプレイしたのですが、正直なところ第2作目はプレイしなくても良かったかなぁという印象です。

第1作目は10時間ほどで完全クリアできる手軽さがありますし、ストーリーも良く、全体的に良作と言っていいゲームです。こちらはプレイして良かったと思いました。これなら第2作目も期待できるなとプレイしたのですが、結果はそれを裏切られた形です。

「囚人のジレンマゲーム」で言うところの、私が「協力」を選択して、シナリオライターが「裏切り」を出した形ですね。舞台設定や構成を頑張って考えているとは思うのですが、プレイしていて楽しくはない。登場キャタクターの誰にも感情移入できませんでした。

ルートによってそれぞれのキャラクター達は「裏切り」を選択して自分(たち)だけが脱出するルートがあります。こういうことをする人を完全に信頼することは別の世界線でもできません。

仲間だ、約束だとか言っておいて、ルートによってはさらっと裏切る。登場キャラクターたちの思考回路が短絡的すぎておかしさを感じます。

先を知りたいとも思えなくて途中でプレイをやめようかとも考えました。それでももう少ししないとゲームの目的が解明しないからと頑張ってプレイしましたが、作業間が強くなっていき、楽しくはなかったです。

第1作目の綺麗なエンディングの思い出だけを記憶に残しておいた方が良かったかもしれません。

気が向いたら後で第3作目をプレイします。ただ第2作目のように延々と舞台設定や、時間軸に沿った行動の歴史、タイムパラドックスの回避を説明されるのがきついんですよね…。細かなところはそんなに興味がないのです。

私は舞台設定の小さな隙を突こうとかは考えていません。もっと緊張感のあるドラマを見せて欲しいのです。緊張感を出すために脱出にデスゲームが加わっていると嬉しいです。

1回のゲームが終わったら一番役に立たなかった人を殺さなければならないとか。人狼ゲームのようにそれをみんなの投票で決めるとか。そういう緊張感のあるストーリーが好きです。「Zero Escape」は生ぬるいです。

ストーリーはそんなに気にしなくて、パズルゲームが好きな人は第2作目の方がパズルは難しいので楽しめると思います。

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About

Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

Twitterのアカウントはありますがうまく扱えていません。Twitterでご連絡の際はDMだとメールが来て気付けます。