Steam: ゲーム内容とは関係の無いレビューをスコア計算から外す。ゲーム内容と関係が無いという判断をSteamに任せられるのか
Steam がユーザーレビューのシステムを変更したことを報告しました。
...一言で簡単にまとめると「トピずれの(論点のずれた)レビュー荒らしを特定し、レビュースコアから除外する」になります。
言うのは簡単ですが、多くの疑問も生じます。詳細を見て行きましょう。 まず、「トピずれのレビュー荒らし」とは何を意味するのでしょうか? この投稿で私たちは、レビュー荒らしを「プレイヤーがゲームのレビュースコアを下げる目的で、短期間に大量のレビューを投稿すること」と定義しました。 そして「トピずれのレビュー荒らし」は、将来のゲーム購入者の満足度とは無関係な話題に焦点を当てるものと定義し、レビュースコアに反映されるべきではないと判断しました。
当然のことながら、プレイヤーが気にかけることは多岐に渡るため、ここには曖昧な領域があります。 では、トピずれのレビュー荒らしをどうやって特定するのでしょうか? 最初のステップでは、弊社で構築したツールが、Steam上のすべてのゲームにおける異常なレビューの動きをほぼリアルタイムで検出します。 ツールは、特定のゲームに異常なレビューの動きがある理由は理解せず、分析も行いません。 代わりに、Valve社内の調査チームへ通知します。 このツールをSteam上のレビュー履歴全体に対して実行し、ゲームに対して異常な数のレビューが投稿された様々な理由を特定しましたが、トピずれのレビュー荒らしは、その中のごく少数でした。
調査チームが、異常な活動がトピずれのレビュー荒らしであることを確認した場合、その活動期間にマークを付けて開発者に通知します。 そして、その期間内のレビューは、レビュースコアの計算から除外されます。 以前と同様に、レビュー自体を削除することはありません-それらのレビューに目を通し、有用かどうかを調べたい場合は、それも可能です。 トピずれとされた期間のレビューを読めるように、デフォルトでレビューを除外したゲームのストアページを表示する際には、それを明確にし、異常なレビュー期間周辺のUIも改善しました。
最後に、希望する場合は、完全にオプトアウトすることもできるようにしました-Steamストアオプションの中に、荒らしによる論点の外れたレビューもすべてのレビュースコアに含めるためのチェックボックスを用意しました。
翻訳した人が「トピずれ」という言葉をあてている英語は "off-topic" です。日本語の略語に訳してあるので少し違和感がありますが、4文字(4つの発音)だと言いやすいことは確かです。私は「ゲーム内容とは関係が無い」と訳しています。
最近流行の「レビューボム」に対策した形となります。ゲーム内容とは関係のない事柄でレビューボムが投稿された場合、それをレビュースコアの計算に入れないことにしたとのこと。レビュー自体は削除されませんし、ユーザーのオプションでレビューボムに判定されたものをスコアに含めるようにすることもできます。
Steam でアカウントの設定ページにレビュースコアの計算についての項目が追加されています。
Q&A が興味深いです。
Q:DRMやEULAの変更など、他のプレイヤーがあまり気にかけない事柄に関心があります。 過去のレビュー荒らしにはそれが題材のものもありました。 こうした題材は論点がずれている、またはトピずれであると見なされますか?
A:私たちも、その2つ、そして似たような他の題材について議論を重ねました。 これらは厳密にはゲームの一部ではありませんが、重要な問題だと考えるプレイヤーもいます。 最終的に、Steamではこれらをトピずれのレビュー荒らしだと定義することに決定しました。 一般的なSteamプレイヤーはこうした事柄にそれほど興味を持っておらず、それを含めない方がレビュースコアが正確になることが理由です。 また、DRMのような話題に興味のあるユーザーは、購入前にゲームについて少し深く掘り下げることをいとわない傾向があると思います。そのため、こうしたレビューはすべてレビュー荒らしに含めることにしました。 問題があなたの関心を引くかどうかは、レビューを少し深く読めばすぐにわかるからです。
Q:自分の投稿がトピずれのレビュー荒らしの期間中だった場合、それもレビュースコアに反映されないのですか?
A:残念ながら、その通りです。 Steam上のレビュー履歴全体に対して、論点のずれたレビューを検出するプロセスをテストしましたが、その工程で、レビューやコミュニティ掲示板を読むことで、レビュー荒らしの背後に潜む問題を特定することは可能ではあるものの、レビューを1つずつすべて読むことは現実的ではないことがわかりました。 しかし、ユーザーレビューに関する最初の投稿で言及したように、これまでのデータによると、レビュー荒らしによる歪みは往々にして一時的であり、それによってレビュースコアが不正確になるようなことはなく、他のプレイヤーがその期間中のレビューを探して読めることには変わりありません。
[英語版ではもっとたくさんの Q&A が表示されます]
『また、DRMのような話題に興味のあるユーザーは、購入前にゲームについて少し深く掘り下げることをいとわない傾向があると思います。そのため、こうしたレビューはすべてレビュー荒らしに含めることにしました。』は文の意味が繋がらず、理解できないと思いますが、これは英語版を読むと分かります。「DRM についてのレビューをレビューボムに含めて表示しないようにしても、そういうマニアックな人はレビューボムも表示して読むでしょ?問題ないよね?」という Steam 側の一方的な見解です。
DRM や EULA などについてのレビューは気にしている人は少数であり、ゲーム内容とは関係ないのでレビューボム・荒らしに判別されるとのことです。また、レビューボムが発生しているときに普通のレビューを投稿しても、レビュースコアに入らなくなります。
これはちょっとまずそうな感じがあります。ゲーム内容と関係ないという理由だと、例えば「日本だけゲームの価格が高い」「日本版だけ対応言語が少ない」「日本のゲームなのに日本語が含まれていない」とかいう非難もレビューボム・荒らしに含まれそうです。「DRM でゲームが起動しない」も荒らしと判断されるのでしょうか? 「ゲーム内容と関係がある」のがどの範囲なのか分かりません。
レビューボムされている期間中のレビューは全てレビューボムと判断されます。レビューボムに対抗するようにしてゲームの素晴らしさをレビューで説いても、それもレビューボムと判断され、スコアには反映されませんし、もしかしたらそのレビューの表示がデフォルトでオフか後回しになります。努力が水の泡になりますので、レビューを読んで貰いたい、スコアに反映させたいならレビューボムが落ち着いてから反論するしかありません。
「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」もレビューボムされていると思いますが、「チーターが多すぎる」というレビューはゲーム内容と関係が無いのかどうか、どちらに判断されるのでしょうか。
チーターの情報はとても良い情報だと思うのですが、これもレビューボム・荒らしになってしまうのでしょうか。最近はどのゲームもチーターがいて本当にやる気がそがれます。チーターがいないゲームをプレイしたいのは当然です。チーターが多いと言うことはデベロッパーがチーターの対策をしていないということです。デベロッパーへの批判はゲーム内容と関係が無いと判断されるのか分かりません。
Steam にレビューの有用性を判断させるのはちょっと不安があります。以前あったように Steam による検閲の是非の議論がまた再燃しそうです。Steam 側はどうやら色々と検閲をしたいと考えているようです。
デベロッパーやパブリッシャー側はレビューボムの対策をして欲しいと思いますが、ユーザー側としては何か問題のあったことを知ることができて助かる面もあります。スコアには含めなくても良いので、デフォルトでレビューボムを表示するようにして欲しいです。
ただ、今回の変更は「ゲーム内容と関係が無いレビューボム・荒らしをスコアに含めないようにする」なので、「ゲーム内容と関係があるレビューボム」はスコアに入ると判断できます。レビューボムをするときはゲーム内容と関係があることを一言でも書いた方が良いですね。
「OK」とか「a」とか一言しか書かず「おすすめ(Recommended)」にしているよくみるレビューも、レビュー荒らしに含めて欲しいところです。