CS:GO の八百長試合に関わった人を Valve と ESEA が参加禁止に
Valve は「Counter-Strike: Global Offensive」の八百長試合に関わった人を、Valve が関わるイベントに今後参加できないようにしました。いわゆる BAN をしました。ただし、Steam のアカウントが BAN されたわけではありません。
Counter-Strike: Global Offensive » Integrity and Fair Play
All together, the information we have collected and received makes us uncomfortable continuing any involvement with these individuals. Therefore we will be directing our CS:GO event partners to not allow any of the following individuals’ participation in any capacity in Valve-sponsored events:
Duc “cud” Pham
Derek “dboorn” Boorn
Casey Foster
Sam “Dazed” Marine
Braxton “swag” Pierce
Keven “AZK” Larivière
Joshua “Steel” Nissan
これらのプレイヤーは八百長試合があった iBUYPOWER というチーム関係の人と、その相手のチームのファウンダー、友人など。iBUYPOWER はアメリカのトップチームの一つらしいです。私は全く知りませんが。これらのプレイヤーは ESEA からも BAN されました。
さて、BAN は分かりましたが、何が起きたのでしょう。この話は日本ではあまり知られていないと思います。これについては TheDailyDot というサイトの記事が詳しいです。簡単にまとめてみます。
何が起きたのか
去年の8月21日、CEVO Professional Season 5 の試合で、iBUYPOWER と NetcodeGuides が戦いました。iBUYPOWER は強く、NetcodeGuides は負けが確実視されていました。
CEVO-Pro CS:GO Season 5: iBUYPOWER vs. NetcodeGuides - Week 8 on de_season_rc1
しかし、結果は 4-16 で NetcodeGuides の圧勝。iBUYPOWER は重要な場面でナイフキルを狙うなど、首をかしげるようなプレイも見られます。この結果によってネットではおかしいという話になりました。これに対し iBUYPOWER は時差の影響があったなどといろいろと言い訳をしていました。
Torqued の試合が近づいた今年1月5日、現 Torqued のプレイヤーで前 iBUYPOWER のメンバー、さらに ESEA のイベントマネージャーでもある Derek “dboorn” Boorn の元彼女(Ashley “Blacklotus” Leboeuf)が彼とのメッセージのやりとりをフォーラムで晒しました。そこには問題になっている iBUYPOWER の試合の裏側についての彼の発言が載っていました。「iBUYPOWER は試合を投げた」。
彼女の行為が酷いという話もあると思いますが、内部告発のようなものです。自己の利益ではなく今後のトーナメントのことを考えた行動です。彼女がこの情報を公開することによって得られる利益を考えましょう。
そもそもどうして八百長をする必要があるのかというと、試合の賭けがあるからです。CSGO Lounge というサイトで Counter-Strike の試合の賭けが行われています。試合の結果が分かっているならここの賭けに参加し、大金を得ようということです。大金を得るならば勝ちそうもない方に賭けた方が良いです。
彼女のメッセージの公開により八百長の可能性が色濃くなり、CSGO Lounge と Valve が調査したところ、クロと判断したということです。Duc “cud” Pham は複数のアカウントを使い、この試合で一万ドルほどを得たようです。彼らの周りの人も賭けに勝ったことでしょう。
Shahzeb “ShahZam” Khan は情報を知って賭けをしたのですが、反省している様子のせいか BAN を免れたようです。BAN された Casey Foster は NetcodeGuides のファウンダーです。
もっと詳しくは TheDailyDot の記事を読んでください。
公正さが重要な事柄にお金が絡むと良いことがない
eSports を賭けの対象にするのを止めた方が良いような気がします。どうしても黒さがつきまといます。CSGO Lounge は公式に行われている賭けではないのも問題ですが、今後も賭けが原因で何かあると eSports 全体に暗い影を落としてしまいそうです。
eSports はやっと世間に認められてきたような状況なので、ここで腰を折られると「やっぱりゲームなんて…」と見られかねません。既にそういう状況かもしれませんが。
八百長があったことでトーナメントの格も落ちました。公正さがあまり感じられません。他の人も同じようなことをやっているのではないかという疑念が強く残ります。となると、トーナメントに参加する人も減るかもしれません。いや、トーナメントに参加してかつ賭けに参加する方が儲かるかもしれませんね。そうなると試合内容は度外視になってしまいますが。
運営やプロプレイヤーやその関係者は、関連するイベントでの賭け事を禁じられているようですがこれは当然でしょう。一般に知られていない情報を知っていますし、操作もできる可能性があります。インサイダー取引と同じです。今回はこれをやってしまったということで…。