No Time To Explain のデベロッパー tinyBuild Games の一人 Alex Nichiporchik が「私は今 Battlefield 4 の海賊版をダウンロードしている」と語った。

Piracy inspires No Time To Explain developer to publish next game free | Joystiq

"I am pirating Battlefield 4 right now," an email from Tiny Build Games' Alex Nichiporchik began. That may seem a strange way to introduce a discussion about piracy - and it is - but Nichiporchik wanted to make a point: piracy, he argues, is not a black-and-white issue. In fact, it's because of piracy that Tiny Build Games will be publishing a version of SpeedRunners, a multiplayer-focused game developed by DoubleDutch Games where you play as a superhero racing other heroes to the scene of a crime, for free.

Battlefield 4 の話は置いておいて、彼のこの話はよくある話。つまり「海賊行為を規制しなくてもゲームは売れるんだよ」という、いわゆるミニにタコができた話、一般にいうところの耳にタコができた話である。

海賊行為を許す場合は成功するときもあれば失敗するときもある。ゲームを無料で公開して、ユーザーがプレイして気に入ったらお金を払ってもらうシステムにしているものもあるけれど、すべてが成功しているわけではない。

tinyBuild Games は成功したようで、No Time To Explain は問題なく売れているのだろう。tinyBuild Games は The Pirate Bay にて No Time To Explain を海賊版用のバージョンにしたものを公式に無料公開しているらしい。これを入手した人からの「無料で入手してプレイしてみて面白かったから後で買ったよ」というメールがデベロッパーにたくさん届いているようだ。tinyBuild Games は次のゲーム SpeedRunners も無料版を作って公開することを決めた。

Battlefield 4 の海賊版を試す

さて、Battlefield 4 の話に戻ろう。これについて気になったことがある。

Nichiporchik wrote that he believes players will spend money - sometimes eagerly so - as long as they see value in a service being provided. In the case of Battlefield 4, the service is multiplayer. Nichiporchik wrote that he's pirating the game to see if it runs on his computer, and if it does, he'll "happily" buy the game off Origin.

彼が Battlefield 4 の海賊版をダウンロードしている理由が、海賊版を規制しなくてもゲームが売れるという考えにあまり関係がない。彼が Battlefield 4 を不正入手している理由は Gabe Newell の言う「不便さ」の話に通ずるもの。Alex Nichiporchik は BF4 にデモ版が無いから不正入手して自分の PC で試してみようとした。このことは彼の海賊版規制についての考えにはほぼ関係がなく、ほとんど話の掴みに使っただけ。「デモ版(= 海賊版) があればゲームが売れる」はさすがに正しいとは言えそうもない。

いくら BF4 にデモ版が無いからと言っても不正利用しようとしているのは事実なわけで、私は印象が少し悪くなった。話の掴みに使うにしてはちょっとリスクの高い言葉だったと思う。どうせなら「ゲームは面白ければ売れるんだ。BF4 はゲームとしてつまらないから海賊版を使っている」くらい言ってほしかった。そうすれば私も彼らのゲームを購入してプレイしてみたかもしれない。

この記事のコメント読むと、ゲームにデモが無いなら海賊行為をしてそのゲームを試して OK と考えている人が大半だ。だからこそそう思っている人にはこの掴みは成功する。デモが無い不便さは私もわかるのだけど、海賊行為自体を正当化しているのにはちょっと違和感を持つ。ゲームの海賊版を手に入れた人の中で、後で正式にゲームを購入している人の割合はかなり少ないと思う。海賊行為をする理由が「ゲームが自分にとって高すぎて買えない」なら正直だと感じられ、責める気は失せる。

ただこの辺りはちょっと難しくて、「デモをプレイしてつまらなかったから買わない」人もいるわけで、デモの存在は重要だと思う。ユーザーにとって、これから買おうとしているゲームの内容を知る権利は欲しい。これを満たしてくれるのがデモ。買う前は面白そうに見えたけれど買ってプレイしてみたらつまらなかった経験はこれまでに私もたくさんあったし、ゲーマーなら一度はこういったことを経験していると思う。ここから考えると、デモ版を公開するとむしろ売り上げが落ちたりして。

ちなみに、商品が無料で手に入るならほとんどの人が無料を選ぶ。Nine Inch Nails は自らのアルバムの pay-what-you-want イベントで購入額が少ないと泣いていた。あのことから考えると、無料公開は何かの戦略なしにはあまり良い手段ではないと思う。海賊行為が咎められない場合、海賊版が無料で手に入るなら無料で手に入れたいのでは…。

SpeedRunners は面白そう

ところで、この話を読んで SpeedRunners の動画を見たらゲームは面白そうだった。確かにこれなら売れると思う。

BGM に馴染みがありすぎる…。

横スクロール型レースゲーム。プレイヤーはヒーローになって助けを呼ぶ人のもとに駆け付ける。ただ、今やヒーローばかりの世界になってしまったので他のヒーロー達よりも早くその人のもとにたどり着きたい、というのをレースゲームにしたようだ。着想は面白いし、マリオカートよりも手軽なレースゲームになりそうで良さそうだ。

彼らの宣伝にうまく乗せられて SpeedRunners の公式サイトまで誘導されてしまったけれど、私はこのゲームを買わない。コンセプトは面白いと思うけれど、ゲームをプレイしたいかといわれると別にプレイしなくてもいいと判断した。プレイ動画を見てゲームの感じを把握してもう満足してしまった。PC ゲームを多くプレイして、動画を見ればゲームが大体分かってしまうようになってしまった。悲しい。

今回の tinyBuild の話は海賊版規制の話が浅かったことが惜しい。もっとセールスのデータを公開してくれるか、Battlefield 4 はダメだと言って大風呂敷を広げてくれた方が面白かったのに。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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