アドベンチャーゲーム The Walking Dead のシーズン2は Clementine が主人公になるらしい。シーズン1の最初から登場する、両親を探す少女。Lee と行動を共にする。

The Walking Dead Season Two revealed with Clementine as protagonist - GameSpot

The second season in Telltale Games' acclaimed adventure game series will continue the story of the orphaned girl Clementine. Gamers will play as Clementine as they struggle against the undead and each other through chapters that will test players morals, according to Telltale.

プレイヤーは今までは Lee という男性を操作していた。ゲーマーの半数以上は男なわけで、プレイヤーは Lee に自分を投影できて良かったと思う。今度は操作キャラクターが Clementine になるということなので「自分が主人公である」という感覚は少し薄れそう。シーズン2はドラマをゲームでプレイして鑑賞している感じになるのかもしれない。

ゲーム中ではプレイヤーが Clementine になって考える必要がある

主人公が Clementine になることによってプレイヤーの判断が鈍りそうだ。今まではプレイヤーに似た成人男性である Lee を操っていたので、自分の経験や倫理観というものを Lee を通してアウトプットできた。でも今度は少女が主人公なので、少女の思考回路をプレイヤーが再現する必要があるように思える。つまり、物事の道理がまだわかっていない子供をプレイヤーが装わなくてはならないかもしれない

名探偵コナン君なら頭脳は大人なので別に大人の振る舞いでいいのだけど、Clementine は普通の少女。なので、例えば銃をゾンビに向けて撃つ際には少しためらわないと Clementine ではないように思える。プレイヤーの操作によって Clementine が何もためらわずに「イェー!キリングスプリー!」と叫びながらゾンビを銃で撃っていたら笑ってしまう。

他にも、ゲーム内のパズル要素で回りにある道具を使って何かをするとき、Clementine はその道具の使い方を知らないかもしれない。プレイヤーは自分の知識でその道具の使い方を知っていても、ゲーム内の Clementine は知らなかったらどうするのだろう。これは意外と起こり得る不満かもしれない。この部分はおそらくシステム的な制限が働く。Clementine が道具の使い方がわからない場合、「どうやって使うのかわからないわ」と言うのだろう。

こうなってくると、私はあまりゲームとして The Walking Dead をプレイする必要がないような気がする。

やはりドラマを見た方が…

私は以前からゲーム版の The Walking Dead よりもドラマの The Walking Dead を見たほうがいいよと言ってきた。シーズン1ではゲーム版のストーリーがドラマ版に内包されているから、という理由が大きかった。ゲーム中の選択肢も意味が無いし。しかし、シーズン2では違う理由から。

このゲームはドラマ性が高く、ストーリーがある。となると最終的にはストーリーに沿った行動をプレイヤーがとらないと正解にならず先に進めない。そのようにストーリーに沿った行動をしなければならないゲームは多いけれど、The Walking Dead シーズン2はそれに加えて、プレイヤーから遠い存在である少女を操りながら、思考回路を少女に合わせてプレイしなければならない。こうなってくるとゲームをプレイするのがちょっと面倒なので、やはりドラマを見た方が楽で面白いし、実際に人間が演技しているので表現も豊か。

シーズン1では The Walking Dead の世界に自分の身を置いたらどうなるのか、という仮想シミュレーション的なゲームの目的があった。しかしシーズン2ではそれが薄れている。ただ、ゲームのストーリーはオリジナルのものになるのかもしれないのは魅力的。…シーズン1でも本当はオリジナルストーリーになるはずだったけれど。

プレイヤーはゲーム内で自分の好きなように行動したい

少女を主人公にしてプレイするゲームには「American McGee's Alice (アリス・イン・ナイトメア)」がある。このゲームも少女を操り、ストーリーに沿った行動をしなくてはならないのは同じ。でもこれはアクションゲームなのでプレイヤーが自ら行動でき、「しなくてはならないストーリーに沿った行動」はそのアクションの達成目標であった。なのでプレイヤーに制限が少ない。ゲームにはゲーム性とストーリー性のバランスが重要。ストーリー性があるとプレイヤーの行動が制限されるけれど、そこをゲーム性で凌駕するべきだ。

一方 The Walking Dead シーズン2はアクション要素がほぼないアドベンチャーゲームなので、ストーリーに沿った行動自体がアドベンチャーの目的になってしまう。「アドベンチャー」というジャンルは今日では意味が幅広く、今では「どこかの舞台で、プレイヤーがキャラクターを操作する」ものを指す。つまりこのゲームでは「The Waking Dead のストーリーに沿った行動を、プレイヤーがキャラクターを通してするゲーム」になってしまう。

The Walking Dead はアドベンチャーゲームではなく、「ドラマゲーム」と表現した方が分かりやすい。ドラマのストーリーに沿ったようにゲーム内で行動するゲーム。ゲームをプレイする前に台本を読まなくては…

少女を通してプレイすることに意味を持たせてほしい

アリス・イン・ナイトメアが面白かったのは、アリス・リデルという少女の独特の思考を楽しめるからだった。アクションゲームとしては私はそこまで面白いと思わなかったけれど、アリスによる物事の解釈は面白かった。原作「不思議の国のアリス」でも言葉遊びのような表現があり、それをこのゲームでも表現したかったのだと思う。強気のアリスは嫌味ではなく、魅力的だった。アリスでプレイすることが苦ではなかった。

The Walking Dead シーズン2では Clementine が主人公になることで、世の中を見通す視野が少し広がるような、そういったストーリーが展開されるならうれしい。それならゲームをプレイする意味があり、ストーリーに沿った行動をしなくてはならないことが苦にならなくなるかもしれない。ゲーム性をストーリーが凌駕する、ということが起きてほしい。たぶん The Walking Dead はシーズン2もゲーム性は少ないだろう。

本当は The Walking Dead シーズン2はプレイしてから評価すべきで、プレイ前に「ドラマを見た方が~」とは言えない。もしかしたらストーリーが良いかもしれない。ただ今までがあまりにもよくなかったので、私としてはあまり期待できない。

でも奥さん、The Walking Dead は売れているんですって。その数2100万本以上。そこまで売れている気がしないのだけど、5つのエピソードで5倍し、DLC も合計しているのだろうか。ちなみに Grand Theft Auto V が現時点で2900万本。GTA V ほど売れている感じがないけれど…。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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