PC版をほとんどクラッシュせずにプレイできた。"カラクリ"を使って攻撃・防御ができるのが面倒さもあるが面白い

「モンスターハンター WILD」が発売された今、EA によるモンスターハンターに似たゲーム「WILD HEARTS」を購入してみました。

このゲームはSteamではレビューが「賛否両論」で、クラッシュの報告がかなり多い。

もしかしたら購入しようか悩んでいる人がいるかもしれないのでレビューを書いておきます。

楽しめた度

PC版はゲームがクラッシュしてしまうのか?

このゲームはパブリッシャーが Electronic Arts でデベロッパーがコーエーテクモと、期待できるタッグです。

2023/2/17 に発売され、PC版はすぐさまFPS低下やクラッシュが多数報告されました。

その後アップデートでバグフィックスなどが何度かあったのですが、2023/7 のアップデートを最後にゲームのサポートが終了。見切りが早い。

最後のアップデート後にもクラッシュの報告が多く、ゲーム進行不能で諦めたというコメントもありました。

つまり、このゲームは買ってもプレイできるかどうか分からないのです。購入は賭けです。

さて、何よりも気になるのはクラッシュせずにプレイできるかどうかです。

ストーリークリアまでプレイしましたが、ほとんどクラッシュせず特に問題なくプレイできました。予想に反して快適です。

ストーリー中盤で初めてクラッシュしたのですが、セーブをしていたし、ストーリー進行には問題ありませんでした。

ちょっと詳しく説明すると、ストーリーの進行とは関係の無い、サブクエストでとあるマップに行くとロード中に必ずクラッシュしました。

数回試して必ずクラッシュするので諦め、ストーリーを進めたらクラッシュせずにそのマップに行けるようになりました。

どうやらメインストーリーとの関連でサブクエストのロード時に何かバグがあるようです。完全にシステム的なバグです。

なお、Steamでのレビューコメントを見ていると、ゲームが Microsoft の One Drive のアプリケーションと競合しているという話があります(真偽不明)。

私は以前 One Drive をアンインストールしたので、One Drive が原因のクラッシュがないのかもしれません。

クラッシュしてしまう人は One Drive のアンインストールを試してみると良いでしょう。

というか、これから買う人はPC版でなくPS5版・Xbox版を買う手があります。たぶんクラッシュはPC版だけです。

家庭用ゲーム機版を買う場合はディスク版は北米版にも日本語が入っているとのこと。

2023-2-24
レビュー件数:223
(投稿時点)
2023-2-24
レビュー件数:48
(投稿時点)

ゲームは「モンスターハンター」の「RISE」と「World」の中間

ゲーム内容としては、「Monster Hunter」の「RISE」と「World」の中間のような印象です。

モンスターハンターが好きな人はちょっと違うだけのゲームとして気に入るでしょう。

世界観が「RISE」と「World」の中間

「Monster Hunter: World」はモンスター(恐竜)が生活する世界を作り上げたゲームです。恐竜が生きている大陸というような広大なマップがあり、ハンターはそこの生態系に入り込んで狩りをする。

「Monster Hunter: World」が未だに人気なのはその世界観が好きな人が多いのでしょう。古代の地球のような植生です。

「WILD HEARTS」は中世の日本が舞台で、獣と人間が共存する大陸・島を作ったような世界観です。「World」よりはマップが狭く、エリアが分かれています。でも「RISE」よりは広い。

マップは同じような風景の場所がなく、「Monster Hunter」よりも作り込まれています。島の中で別の場所に行くと全然景色が違い、暖かい地帯、雪の地帯、鍾乳洞のようなところとかが混然一体となっています。

かなりの高所にもムリヤリ登ることができるのは特徴です。

移動も「RISE」と「World」の中間

「Monster Hunter: World」は戦闘中にモンスターが逃げるので、それを痕跡を辿って追っていくのが私にはものすごく苦痛でした。

マップもごちゃごちゃして見辛いし(ツタを登るとかも分かりにくい)、あまりの面倒さにプレイをすぐに辞めてしまいました。

モンスターと戦いたいのに、戦闘よりも追いかけている時間の方が長いかもと思ってしまいました。

「RISE」はそれを改善し、マップを狭くして移動も楽にして、モンスターを追いかけやすくなっています。戦闘に集中できます。私はこちらが好みです。

私はシステム的にモンスターは逃げなくて良いと思っています。逃げるときにゲームから醒めてしまいます。というか、何で逃げるシステムにしたんだろう?

「WILD HEARTS」も同じようにモンスター(獣)が逃げます。ここまで真似なくても良かったのに。

「WILD HEARTS」は「RISE」ほど移動が楽ではありません。でも「World」よりは便利。

マップに移動のための蔓(ツル)を張ってショートカットを自由に作れます。町に戻ってもマップにそのまま残ります。

他の移動手段として、大きな車輪の乗り物で移動できるのですが、呼び出す位置が固定されるのでちょっと面倒です。「RISE」のようにすぐに犬に乗って移動したい。

マップの移動がやや面倒なところは「World」に近い印象です。

戦闘も「RISE」と「World」の中間

モンスターハンターは恐竜をベースにしたモンスターを狩るのですが、「WILD HEARTS」は実際の動物をベースに巨大化させたような獣を狩ります。

ハンターは「獣狩(ししがり)」と呼ばれています。

戦闘は「World」よりは攻撃などの動作が速いのですが、「RISE」よりは遅い。

部位破壊の気持ち良さも「World」と「RISE」の中間(「RISE」の方が気持ち良い)。

「Monster Hunter」シリーズと同じく、部位にダメージが入っているか分かりにくいはマイナスポイント。だから私はモンスターハンターではMODを使ってしまうのですが。

「モンスターハンター:ライズ」で使っているMODをお勧め。部位破壊までをメーターで可視化すると楽しい
「モンスターハンター:ライズ」で使っているMODをお勧め。部位破壊までをメーターで可視化すると楽しい

私は「RISE」では溜め攻撃ができる武器のハンマーが好きでした。モンスターの攻撃を避け、隙を突いて溜めた重い一撃を狙った部位にドカッと食らわせるのが面白い。攻撃している感じがする。

「WILD HEARTS」は「大太刀」という武器で溜めができるのですが、動作が遅すぎる。

「WILD HEARTS」のハンマー(槌)は溜め攻撃ではなくて、「展開」で柄(手で持っている棒部分)の長さを伸ばしながら攻撃する武器でした。

この「展開」が厄介で、動作が1つ増えてコンボを繋げるために一呼吸の待ちが発生するので攻撃が遅くなります。

傘とか鉤爪とかモンスターハンターになかった武器もあって面白さはあります。

特に傘はモンスターの攻撃が当たる瞬間に合わせてボタンを押すとパリィできるので、タイミングを合わせるのが好きな人はかなり楽しめると思います。

傘はDPS(Damage per Second)の観点からは、敵の攻撃がないと一部のコンボを始められないのがかなりマイナス。敵の攻撃がアクションの起点となり、にらみ合いが続くと攻撃できません。

鉤爪は相手と自分をロープで結び、空中を飛んで動けます。新感覚です。

カラクリで敵にダメージを与えたり、防御したり、転ばせたりするのが特徴。ただし面倒

ハンマーのカラクリ(画面右)を作って攻撃した場面

糸を使ってマップに自由に「カラクリ」を作ることができ、これを攻撃と防御に使えます。

戦闘に使う「カラクリ」は建造物の一時的な召喚魔法のようなものです。

カラクリで大きなハンマーを作ってドンと攻撃すると(攻撃後にハンマーは自己崩壊)、通常武器での攻撃よりも10~20倍ほど強い。

なので「傘」や「鉤爪」などの攻撃力の低い武器を使っているときはカラクリでの攻撃をメインにした方がダメージ量としては大きくなるかもしれません。

ただ大きなハンマーは召喚した時点で攻撃位置が決まるので、モンスターの動きを読む必要があります。

大きなハンマーを連続で召喚して攻撃するのが面白いです。

カラクリを使った防御面としては、イノシシの獣の突進を壁で防御したり、空に飛んだ鳥の獣を花火で落としたりできます。

それぞれのモンスターの攻撃に対応するカラクリに正解があります。正解のカラクリを使うとモンスターを転ばせられるので戦闘がかなり楽になります。

ただ、使うカラクリに正解があることによって戦闘方法が制限されます。

これが本当に面倒です。モンスター毎に正解のカラクリを覚えておかなければなりません(モンスター図鑑で確認できます)。

カラクリを使わなくてもダメージを与えれば倒せますが、倒すまでの時間がより掛かってしまいます。

さらに、特殊なカラクリ(=連結カラクリ)は組み合わせがあって、戦闘中に基礎カラクリ6種類の中から決められた順番で、同じ位置に重ねてカラクリを作る必要があります。

これも面倒です。どのカラクリで何が作れるか、それに重ねる順番は戦闘中にすぐに使えるように覚えておかなければなりません。

しかもマップがデコボコしていると、同じ位置にカラクリを作れなかったりします。

「筺」のカラクリを組み合わせて壁を作った場面。突進するモンスターはここにぶつかると倒れる

また、基礎カラクリは4種類しか持って行けません。戦うモンスターによって事前に装備変更する必要があります。

本当に面倒です。「あっカラクリの装備を忘れた」ということがよくあります。装備の変更は戦闘中にはできません。

そういえば私はモンスターハンターで「閃光玉」など補助のアイテムをほぼ使いません。武器攻撃以外は面倒臭さを感じてしまいます。

モンスターハンターでの補助アイテムの準備が、「WILD HEARTS」でのカラクリの事前準備です。

カラクリを作る糸は消費アイテムではなくてマップなどで随時手に入ります。ここはモンスターハンターよりも面倒さがなくて良いです。

こんな感じでカラクリは面白い要素ですが、面倒さもある要素です。

モンスターの攻撃力が高い。一撃死することも

モンスターハンターに比べ、モンスターの攻撃力が高めです。何も対策しないとモンスターの攻撃を2発食らうとやられます。

ストーリークエストだけを進行していくと、素材が足りなくて装備がしっかりアップデートできないでしょうから、ストーリー上のボスにかなり苦戦すると思います。

上のスクリーンショットの「アマテラス」の攻撃は一撃死して驚きました。

頭上に光の輪っかが展開されていくのを見て「エヴァンゲリオンに影響を受けたのかな」と思って眺めていたのですが、ものすごく強い広範囲攻撃で避けられませんでした。

このボスは強く、隙が少ない。「装備なんてしっかりしてなくても時間を掛ければ勝てるだろう」と思っていたのですが、このボスは操作ミスすると死にますのでソウルライクに近い難度です。

装備をしっかり揃えて乗り切りました。装備よりも食事の方が大事かも。何度か戦うとパターンが分かります。

ゲーム中では食料について説明されませんが、このゲームは何か食べて体力を増やしておかないと戦闘が厳しいものが多いです。

このゲームが難しいと言っている人も見かけますが、モンスターの攻撃力が高いのと、確かにモンスターハンターよりも回避のタイミングが難しいです。

敵の攻撃のホーミング性能(プレイヤーへの追従性能)が高いため、いつどこに回避したら良いのかに気付けないと避け方が難しい。

ゲームをあまりプレイしない人には難しくてすぐ死ぬゲームと感じてしまうと思います。攻撃2発で死ぬところはソウルライクに近いですね。

カメラワークが悪い

モンスターにロックオンして戦うのですが、カメラがモンスターに近すぎて、モンスターの全体像が分からない、自分がどこにいるか分からない事がよくあります。障害物にカメラが隠れることも。

その場合はロックオンを外すとカメラの位置が遠くなるのですが、今度はロックオンしていないのでモンスターがどこにいるか分からなくなるという悪循環。

大きなモンスターや素早いモンスターと戦うときはカメラワークの悪さがとにかく気になります。

見辛いのでロックオン中にカメラを動かしたくなって右スティックを倒してしまうのですが、これはロックオンの位置を変える操作です(頭→胴体など)。

カメラが予想外の位置に動いてしまいもっと何が起きているのか分からなくなることも。

好きな位置にキャンプを設置してファストトラベルできる

マップの好きな位置に自分でキャンプを設置できるのはとても良いシステムです。

キャンプの位置にファストトラベルできますので、モンスターと戦うことが多い場所にキャンプを設置しておくと凄く楽です。

モンスターが逃げて行った時にも追いかけるのではなく、モンスターが逃げた先に近いキャンプにファストトラベルすると楽です。

防具のアップグレードは元の防具が残るのは優しい

装備のアップグレードはモンスターハンターでおなじみのものです。

モンスターから素材を集めてアップグレード。

ただ優しいなと思ったのは防具のアップグレードです。防具も素材を集めて作るのですが、アップグレードしても元の防具がなくなりません。

つまり防具は新しいものを一度作ればずっとインベントリーに残ります。

防具は武器よりも付け替えが激しいかもしれないのでこのようなデザインにしたのかもしれません。

なお、私は装備の付け替えが面倒なので、武器も防具も属性があまりないものを選んでいます。

できることが多いが煩雑

結構色々な要素があって、小動物を捕まえて飼ってアイテムをもらったり、食べ物を採取して干したり漬けたりして加工したり、魚を捕まえるカラクリを作ったり。

マップに登場するモブ的な獣は、撫でるとアイテムをもらえ、殺したときに採取できるアイテムと違ったりします。

色々とできることがあるのですが、それゆえ煩雑です。

武器・防具の作成に、小動物を飼って手に入れるアイテムが必要になるためにわざわざやっているだけです。

ただ、小動物を飼って手に入れるアイテムは金策にも使えるので、それに気付けた人にはシステム的な優しさも感じます。

このゲームは普通にプレイしていてもお金自体はあまり貯まりません。ミニクエストを行うか、換金アイテムを売る必要があります。

お金には困らないと思いますが、小動物を飼って換金アイテムをもらうという手段があります。

設定が細かくできて長押しの入力時間も変えられる

設定を見て感心したのですが、長押しの入力時間を変えられます。

ゲーム中では長押しする場面がたくさんあります。例えば、倒したモンスターに最後の「介錯」を行って戦いを終える、倒した小動物から素材を採取する、設備を使う、などの時に長押しします。

その動作に必要な長押しの時間を短くできるのです。これは画期的です。長押しの時間は短い方がストレスが少ない。

ただ間違って長押ししてしまうこともあるので、長さを調節できます。

他にも設定項目がたくさんあり、自分好みにかなり細かく設定できるのは素晴らしいです。

総評: とても面白い。「RISE」よりも「World」が好きな人はもっと気に入るかも

楽しめた度

プレイ体験としては「モンスターハンター」の「World」と「RISE」の中間。モンスターハンターをプレイしているのとほぼ同じですから、ゲームとしては面白いです。

(モンスターハンターの新作「Monster Hunter Wilds」はまだプレイしていないので比較ができません。)

モンスターハンターと大きく違うところは、戦闘でカラクリを使えるところ。

6種類あるカラクリの組み合わせを覚えておかなければならないのがちょっと大変ですが、戦闘が少しパズルチックになって、パズルの正解を出せば(=正解のカラクリを使えば)戦闘がかなり楽になります。

武器による攻撃だけでなく、カラクリでもモンスターにダメージを与えられるのも面白いです。

正直に言うと、私は「Monster Hunter: RISE」の方が好みです。「RISE」の方がモンスターとの戦闘に集中でき、攻撃して部位破壊をするのが気持ち良いのです。

「World」と「RISE」のどちらが好きかと訊かれたときの答えと同じですね。同じ理由で私は「RISE」の方が好みです。

「WILD HEARTS」がそれだけ「World」と「RISE」の軸の上にあるということです。

もしかしたら「RISE」よりも「World」が好きな人は、「WILD HEARTS」をかなり気に入るかもしれません。

マイナスポイントで大きいのはカメラワークです。モンスターの動きが見辛いのと、攻撃の位置が調節できないのでストレスを感じます。

あとはマップ探索と移動がちょっと面倒です。まぁマップ探索はしなくても良いのですが、キャンプを設置するにはマップ探索をして「龍脈」を見つけなければなりません。

全体的にはゲームとしてかなり面白い。熱中してプレイできています。

ただもうアップデートされないというのが残念です。

私はほぼ問題なくプレイできているので良いのですが、クラッシュしてしまう人がいるのも事実で、これからPC版を購入する人はそこが心配材料でしょう。

Steam のフォーラムでクラッシュへの対応策がいくつか書かれています。私は事前に読んでいたのですがクラッシュしないので試していません。

とりあえず、One Drive のアプリケーションを使わない、モニターのリフレッシュレートを 60Hz にする、などを試すと良いでしょう。

でもPC版をプレイしなくてはならない理由がありませんので、PC版にこだわりが無い人はPS5版かXBOX版をプレイした方が良いと思います。家庭用ゲーム機版はクラッシュの話を聞きません。

北米版に日本語が入っているとのことで安く買えます。

2023-2-24
レビュー件数:223
(投稿時点)
2023-2-24
レビュー件数:48
(投稿時点)
Nomeu / のめう
PCゲーマー

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