Nintendo 2DS: 批判が多いけれど何が問題なの?
Nintendo 2DS が発表されたけれど、このデバイスは世間的には評価が良くない様だ。しかし、私にはどうして評価が良くないのかよく分からなかった。この記事(Nintendo 2DS coming this Oct. for $129.99, plays 3DS games in 2D ) へのコメントでは、"a big mistake" などとだけ言っている人が多く、嫌う理由はよく分からない。
発表から少し時間が経ってから書かれたこちらの記事は問題を示してくれている。
Opinion: With the 2DS, Nintendo is fixing the wrong problem | Polygon
Nintendo is trying frantically to fix the wrong problem.
With the announcement of its Nintendo 2DS, a 2D-only version of its 3D portable system, Nintendo has codified what it believes is the company's number one problem: price.
The 2DS will be $129.99, $40 cheaper than the normal 3DS. The price point will certainly appeal to people who wanted a 3DS, but hated the entire point of the system. Which, judging from a casual Twitter search, is a fair number of video game devotees.
But attracting game enthusiasts has never been Nintendo's problem. The 3DS could be a grapefruit, so long as it plays another Mario game.
この記事では「任天堂の問題はゲーム機の価格では無く、複雑な互換性と、ハードウェアの違いの伝え方だ」としている。
DS games run on the DS, 3DS and 2DS; 3DS games run on the 3DS and the 2DS, but not the DS; and there are no 2DS games.
Wii U runs Wii and Wii U games, but to play Wii games you'll need to run the Wii on the Wii U. Wii doesn't run Wii U games. The GamePad is portable, but it's not mobile, and it's like a DS, but it doesn't play DS games.
「複雑な互換性」の説明は私には理解できなかった。そこまで複雑では無いと感じたけれど、普段ゲームをしない人や電子機器に詳しくない人、子供用に買うがゲーム機に詳しくない親、とにかくゲーム機が動作すればいいやと考えている人からすると、確かにすぐさま理解できる互換性では無いのかもしれない。そう考えると、互換性の複雑さは確かにあるのかもしれない。
"Why won't the Wii play Wii U games?" or "I don't get it. The 3DS makes my DS games 3D?"
しかし、「上位互換性」という概念を知ってさえすれば良い問題ではある。互換性の複雑さの指摘よりは、私からするとメッセージングの下手さの方が重要な問題だと思う。
記事を書いた人の指摘は互換性の部分が多いけれど、任天堂の伝え方が下手だという指摘に、「Nintendo 3DS は DS のゲームを 3D 表示してくるの?」という具体例を出してきたのは心に響き、こちらの方が理解しやすい。それに「以前のゲーム機と新しいゲーム機の何が違うのか伝えるのが下手」だからこそ、「互換性の疑問が生じる」と捉えると、メッセージングの問題の指摘の方が重要だ。この指摘は当たっているかもしれない。
ただ、こうして Nintendo の問題を正しそうに指摘してくれるのは有り難いけれど、普通の人がここまで考えて Nintendo 2DS を非難しているかというとそうでは無い気がする。この記事(Nintendo 2DS coming this Oct. for $129.99, plays 3DS games in 2D ) へのコメントを下まで読んでいくと、"ugly" "weird looking" という言葉があり、結局のところデバイスの外観・形が嫌いなのだと私は解釈した。
私には Nintendo 2DS の良さの説明の方が納得できることが多い。
- 3DS のゲームでほとんど使われていない 3D 機能(裸眼立体視) を排除してデバイスを安くする。
- 人体(目) に影響があると問題になっている 3D ディスプレイを排除する。訴訟問題を解消。
- 壊れやすい折りたたみ形状を止め、より頑丈にする。修理費などのコスト削減。任天堂にとってもユーザーにとっても良い。
- ディスプレイを1枚にして安くする。
- 安くなったので買って貰いやすい。
- 壊れにくいので子供(子供の中でも年齢が低い方の子供) に良い。
- 親が心配する、3D ディスプレイの子供の目への影響も無くなり、子供へのプレゼントとして買いやすい。
なるほど、と思ってしまう。私はこのデバイスを初めて見た時「安くなったけど折りたためなくなったのか」と思った。上の利点を見ると、悪くなったのはその折りたためなくなったことくらいしか無いように思う。
任天堂は赤字なのでとにかく赤字を減らしたいという気持ちがこの Nintendo 2DS を作らせたということもあるのかもしれない。このあたりは下の記事が分かり易い。
まあ Nintendo 2DS は日本では発売しないようなので日本人ゲーマーにとってはほとんど気にならない事だろう。
日本では Nintendo 3DS が 14000 円ちょっとなので $130 の Nintendo 2DS と対して価格が変わらない。