難易度は Standard で開始。クリアまでプレイしてからの感想なので長くなってしまった。

Nintendo 3DS にはスクリーンショット機能がないので、仕方なくデジカメでプレイ画面を撮影…。スクリーンショット機能が無いのは困る。そんなわけでプレイ画面の画像はちょっと見にくいのはご勘弁を。

戦闘

ゲームを始めてまず気になったのは、 7th Dragon と比べて戦闘が軽いこと。このゲームでも敵の弱点属性の攻撃でダメージが増加するというメリットがあるものの、敵が1ターンダウンしたり行動回数が増えたりすることなどは無い。そのため、特に序盤ではオート戦闘を使う機会が多くなり、スキルなどは使わずに味方が物理攻撃で敵を倒すのをただ待つことが多かった。

それに敵とのエンカウントも多く、雑魚戦がかなり多い。マップが広大でエンカウント率が高いため、何度も訪れる戦闘に面倒さを感じる。7th Dragon はランダムエンカウントとシンボルエンカウントを融合したデザインで、そのシンボルエンカウントの敵は通常より強い敵だった。今思えば、そうやって交互に強い敵と弱い敵と戦闘するので緩急がついていて良かった。

このゲームでも強敵はシンボルエンカウント。しかし特に序盤はこれらの敵は強すぎて勝てないため避けて進むだけ。

しかしこの「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」は雑魚戦ばかり。戦闘を行って敵から素材アイテムを集め、それを店に売ることで商品が充実していくというシステムなので、戦闘はそこまで無駄にはならない。でも素材を集めて売るシステムをやめれば、もっと戦闘システムが自由に作れるようになると思われる。7th Dragon でも素材を売るシステムがあったけれど、このゲームよりも緩やかだった。

必要な素材を店に売ると買えるアイテムが増えていく。

また、ダンジョンの階層が下へ行くほどマップが広大になり、複雑になるため、マップを自分で描く必要のあるこのゲームではエンカウント率が高いとマップを歩くテンポが悪くなり、ストレスを感じる。

戦闘は戦略性がそれほど無い。7th Dragon やペルソナなどのように、弱点属性を突いたり防御したりしなければ戦闘がきついというくらいの戦闘が良かった。それにパターンを読んで戦闘するデザインのゲームではないので、そこも戦略性を減らしている。このゲームは基本的には敵の弱点属性を突くスキルを使っていれば勝てる。単にダメージが大きいかどうかしか戦略性がない。

一応ボス戦ではボスの行動パターンがあるのだけど、パターンを前面に押し出しているデザインのゲームではないので、パターンを読まなくても何とかなる。

このゲームは 7th Dragon に戦闘システムは似てはいるものの、あれより軽い。7th Dragon が恋しい。戦闘回数はもっと少なくて良いので重い戦闘が欲しい。それに弱点属性を突いて行動回数が増えるなどがなく戦闘が爽快感に欠ける。

オート戦闘の攻撃対象を選ぶシステムが馬鹿すぎ

オート戦闘での攻撃対象を選ぶシステムが馬鹿すぎる。これはわざとこのように作ってあると思われる。オート戦闘ではコマンド入力の必要が無く、自動的に物理攻撃をしてくれるのだけど、攻撃対象もオート。攻撃対象はダメージが分散するように作られており、1体1体敵を倒していく方が良いのにわざとそうせず、敵へのダメージが分散するようになってい る。

このため、オート戦闘をすると敵が多く生き残り、ダメージを食らう確率が高い。何でわざわざこうやってプレイヤーに不利なシステムにするのだろうか。オート戦闘を頭の良いシステムで行ってくれた方が良いのに。プレイヤーに不利になるようにしてわざわざマニュアルでコマンド入力をさせるのは感心できない

マップを書き込むのは面倒なだけ

このゲームはミニマップを自分で描く必要がある。自分が歩いたところだけ自動で記される。その場所の壁を自分で書き込んだり、扉などがどこにあるかをアイコンで記す。

ペンでマップに壁を書き込んでいる場面。

ゲーム開始時点からすぐにこのシステムは面倒だと感じた。面倒臭がりな私は最後までプレイできるだろうかと不安だった。ダンジョンの最初の5階分くらいをがんばって自分でマップを記していった。ものすごく時間がかかる。プレイ時間の半分くらいをマップの書き込みで費やしていた。

何のためにわざとこんなに不便にさせているのか意味が分からない。マップを記すのは小さい画面で細かい動作で行わなければならず、3DS に搭載されているペンを使うことになる。ということは、通常はボタン操作をするけれど、マップ書き込みはペンで入力する必要がある。

ボタン、ペン、ボタン、ペンと右手に持つものを絶えず換える。すごく面倒。ペンかボタンのどちらか一方だけで楽しめるゲームの方がデザインが良い。指でタッチできるように、タッチする部分が大きくて繊細さが必要ないものならタッチとボタンが両立できると思う。でもこのゲームはタッチしなければならない部分が小さすぎる。

こうやって「不便さを楽しむ」という要素は以前からある。「昔はこんなに不便だったんだよ。それを今やってみようか」という逆戻り現象はゲームに限らずよく見かける。デジタルが進みすぎたのでアナログへ戻ろうなどなど。そういえば、ファミリーコンピューターでのドラゴンクエストでダンジョンのマップを自分で紙に描いていた人がいたという話を聞いたことがある。よくそんな面倒なことをしたものだ。

現実でダイスなどを使って会話をしながらゲームをするテーブルトーク RPG は、面倒さを楽しんでいる部分があると思う。プレイしようとすると色々と手間がかかる。ビデオゲームが主流の今では貴族の遊びという感が少しあり、高尚ささえ感じる。手間を楽しめるのは余裕がある人だけ。それを手軽にしてくれるのが今のビデオゲーム。こちらの方が手軽で刺激的だから普及した。

また、マップを自分で描くこのシステムはゲームプレイにそんなに絡んでこない。「ここに重要なオブジェクトがあるから覚えておかなくては」という程度。この点が失望したところで、マップを頑張って描くプレイヤーの努力への報奨がほとんど無い

面倒さを追加してあるゲームといえば Metro 2033。プレイヤーは暗いところを進むときに使うライトをつける際に、手動の発電機をキコキコと動かさねばならなかった。マスクのフィルターも一定時間で替える必要がある。でもあの面倒さはプレイヤーに Metro 2033 の舞台を感じさせる手助けだったし、面倒さはそこまで手間がかからないものだった。うまくデザインされている。

しかしこのゲームでは、プレイ時間の半分をマップを描くのに使わなければならない。マップを描いているとき、ゲームを楽しんでいる感覚は無い。

5階までクリアしたところでマップを描く面倒さで、このゲームをやめようかと判断に入った。他にもマップを描くのに面倒さを感じている人がいるだろうと検索してみたら、「オートマッピング」という機能があることが判明した。早く言ってよ! オプションから「オートマッピング」機能を ON にしたら、マップを描く手間がずいぶん軽減された。それでもまだ少し自分でマップを描く必要があるものの、手間が今までの 1/3 くらい。これならば耐えられる。プレイは止めず、続行。

オプション内の「オートマッピング」の項目。

自分でマップを描くのはこのゲームの売りとして前面に押されているものの、そんなに楽しくない。時間はかかるし面倒だし。そこで、マップをうまく描いたら何かの報酬を貰えるようにするのはどうだろうか。例えば、戦闘で先手をとれるようになるとか、ダンジョンが明るくなって遠くが見えるようになるとか、始めは暗い画面が明るくなるとか。

現状ではマップを描くシステム自体が要らないように思える。「うわーマップ描くの楽しい!」と嬉々としている人はいるのだろうか。全てオートマッピングにしてくれた方が楽だし、ゲームを楽しめる。つまり、私はマップの書き込みをゲームではないと感じている。

大人は何もしてくれないストーリー

主人公たちが5人だけで街や世界の危機と闘う。これ、馬鹿らしく感じないだろうか? こんなストーリーでヒロイズムに浸れるだろうか? 日本のゲームは子供が主人公のものが多すぎる。どうやっても大人の方が強い。「魔法は子供しか使えない」という設定ならそれでも良いけれど、武器で攻撃するなら大人の方が強い。小学生が剣を振るうより、街にいる大人や鍛冶屋の方が力がある。

それに、街のみんなで世界樹の迷宮(= ダンジョン)に行ったらどうなの? そうすればもっと早く問題が解決するはず。大人が主人公たちだけにダンジョンに行かせて敵を倒してこさせるというのは疑問を感じる。ギルドにはもっと強い人がいるのでは…。主人公たちにミッションだけ与えて威張っている人がいるのは今の日本社会を見ているようで悲しい。

ストーリーが全然進まない

ストーリーがそもそも薄いけれど、ダンジョンが広大でマッピングが大変でそのストーリーがなかなか進まない。ダンジョンを5階分下る毎にストーリーに関係する会話が少し行われる。でもダンジョンの1階分を進むのには1~2時間ほどかかり、プレイ時間のほとんどは戦闘とマッピングで使う。ストーリーの会話はそれのおまけになってしまっている。

もう少しストーリーが進んでいる感覚があると嬉しい。でも 3DS のゲームはこんなものかなという諦めがあり、期待してはいけないような気もする。でも本当は、ストーリーはもっと頑張れるはず。会話を少し足すぐらいならそんなにコストが掛からないと思うのだけど、そうでもないのだろうか。

それともシナリオを考える人がもういなくなったのだろうか。それなら小説家に頼むのはどうだろう? 今回のシナリオだと高校生でも作れてしまう。

「グリモア」というスキルを渡せる機能は面白い

戦闘時に「グリモア」という結晶を生み出せるチャンスがある。この「グリモア」にはスキルが詰まっていて、装備をすれば使えるようになる。中に入っているスキルは、戦闘時の敵のスキルか味方のキャラクターのスキル。これを利用して、あるクラスのキャラクターしか覚えられないスキルを、他の味方でも使えるようになる。

例えば、魔法使い系のクラスしか覚えない TP が回復するスキルをみんなに持たせれば戦闘が長期間行えるようになる。状態回復のスキル(スペル)を前衛タイプのキャラクターに持たせることもできる。こんな感じで味方キャラクターを強化できる。

また、グリモアは合成することができて、好きなスキルを選んで継承させることができる。1つのグリモアに入るスキルの数は1~6。入れられるスキルの数が多いグリモアをベースにして、欲しいスキルを詰め込む。それをキャラクターに装備させる。

グリモアの合成画面。

このシステムは面白く、やり込み要素になっている。私はこのゲームをやり込まなかったけれど、有利なスキルをグリモアに入れてキャラクターを強化する楽しさを感じられた。RPG の面白さはこうやってキャラクターが強くなっていくところ。

ただ確かにこのシステムは面白いとは思うけれど、クラス間の違いが少し曖昧になってしまう。他のクラスでしか使えないからそのクラスのキャラクターを戦闘で使う訳なので、戦闘の分担という戦略性が少し薄れる。でもこのグリモアのシステムは、キャラクターを強化することに楽しさを感じる人にとっては「待ってました」と言えるようなものだと思う

おわり

後半は作業プレイになりつつも何とかクリアした。こういうダンジョン探索型RPGは嫌いではないので、PCゲームのインディーゲームをプレイしているよりは楽しかった。ただストーリーが薄くて、7th Dragon ほど入り込めなかった。7th Dragon もそんなに入り込めるストーリーではないはずなのだけど、自分がゲームの物語を進めているような感覚があった。

今回はストーリーモードをプレイしたのでダンジョンに潜らせるキャラクターはあらかじめ決まってしまっていた。クラスやキャラクターを自分で作るという過程が無く、キャラクターへの愛着は湧かなかった。ストーリーのテキストも悪く、各キャラクターの性格すらよく分からない。年齢も分からない。お酒を飲んでいるシーンがあるので20歳を超えているのだろうか。中学生あたりに見えるけれども。

私がプレイしたペルソナシリーズは、日本のゲームの中では稀な存在だったのだろうか。ストーリーも面白く、戦闘も面白かった。ああいうゲームをプレイしたいのだけど、もう他には無いのだろうか。ゲームだとしてもやはり濃厚なストーリーが欲しい。

「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」は戦闘はそこそこ、ストーリーはダメ。両立は難しいのだろうか。というか、そもそも両立させようとしていないのかもしれない。

今回のゲームでも感じたのだけど、日本のゲームはプレイ時間の引き延ばしをしている傾向が強い。クリアまで無駄に長い。このゲームも無駄にマップを広くしている部分がある。私はクリアまでのプレイ時間は20時間ほどが良い。FPS なら10時間。今回のゲームは後半から疲れてきてしまった。

序盤は新しいゲームに触れているので楽しめるけれど、中盤あたりからは作業感が増してくる。マップを描くためだけにダンジョンを歩いている。戦闘はマップを描く際の障害。これでは楽しめないので、やはり戦闘がメインになるようにして欲しい。マップを描くのがメインなら伊能忠敬のシミュレーターとかを作った方が良い。

ゲーム後半は戦闘が徐々に難しくなってくる。これは敵が攻撃耐性を持つことによる。弱点を突かないと敵にダメージがあまり与えられないようになってくる。こうなってくると確かに 7th Dragon に近いけれど、爽快感はほとんど感じられない。このあたりからは「オート戦闘」の機能はほぼ使わなくなる。それだけ戦闘がシビアになってくるということではある。

少々ネタバレになってしまうのだけど、ストーリー終盤はダンジョンの「スキップ」ができて非常に嬉しかった。まだクリアまであるなと思っていたら、すぐに最終決戦が訪れた。やっと作業感から解放された。

結局のところ、このゲームはマップが広すぎ、戦闘が多すぎ、ストーリーが薄く、あまり楽しめなかった。このゲームで作業感を感じる理由は、ゲーム内容の濃さに対して適切なプレイ時間ではなく、無駄にプレイ時間が引き延ばされているからだろう

開発陣からすると「プレイヤーにゲームを長く楽しませなければならない」という考えがあるのは分かるのだけど、プレイ時間は短めにして、開発費を下げ、ゲームを安くするのはいかがだろうか。私は PC ゲームをよく購入してプレイするので、日本の家庭用ゲーム機向けのゲームソフトの価格の高さには驚く。

プレイ時間は短くて良いからもっと安くして欲しい。プレイ時間を無駄に長くしてゲームの評価を下げるのは良くない。日本のゲームはクリアまでに時間が掛かり、最後までプレイできなかったことが多い。どんなにエンディングに凝っていても、それが見られないなら意味がない。

新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女

セブンスドラゴン2020 (通常版)

セブンスドラゴン2020-II

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About

Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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