
3D Investment Partners Pte. Ltd. によるスクウェア・エニックス・ホールディングスの課題指摘が話題です。
3Dインベストメント、スクエニHDの経営課題を指摘するプレゼンテーション資料を公表し、株主の意見を募集
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス(以下「スクエニHD」)(9684.T)の大株主であるファンドに対して、投資一任業務を提供する3D Investment Partners Pte. Ltd.(「3D」又は「当社」)は、本日、スクエニHDが長年抱えている経営課題を説明したプレゼンテーション資料(以下「本プレゼン資料」)を公開しました。当社は、株主の皆様のご意見を踏まえて、スクエニHDと企業価値向上に向けた建設的な対話を進めて参りたいと考えておりますので、株主の皆様におかれましては、本プレゼン資料をご覧くださいまして、スクエニHDの経営課題について率直なご意見をくださいますようお願い申し上げます。
Link:
https://www.3dipartners.com/wp-content/uploads/square-enix-presentation-material-jp-202512.pdf
スクウェア・エニックスは世間で流行っているゲームに迎合したくないのかも
資料を読むとスクウェア・エニックスの経営へのダメだしが続いています。私はゲーマーなので「面白いゲームをプレイしたい」とは思っていますが、ゲームをビジネスの商品として捉えると色々と大変だよなぁと思いながら見ていました。
スーパーファミコンとかプレイステーション1全盛期の頃はスクウェアとエニックスといえばどのゲームも魅力的でした。ですが最近は話題になるゲームがほとんど無いような気がします。
「Final Fantasy 16」が既に発売されているのって知っていましたか? ファイナルファンタジーの新作でも全然話題になっていません。
過去作品のリメイクばかりで挑戦が少ないのはスクウェア・エニックス自身も気付いています。スクウェア・エニックスは「そこから脱却するぞ」と宣言して新しいゲームを作ったものの、評判はあまり良くないです。
ここで、Steamでスクウェア・エニックスから発売された 2021年以降のゲームを見てみます。
- バランワンダーワールド
- OUTRIDERS
- サガ フロンティア リマスター
- NieR Replicant™ ver.1.22474487139...
- 聖剣伝説 Legend of Mana
- FINAL FANTASY I ~ VI リマスター
- ブレイブリーデフォルトⅡ
- Life is Strange: True Colors
- アクトレイザー・ルネサンス
- DUNGEON ENCOUNTERS
- Voice of Cards ドラゴンの島
- Life is Strange Remastered
- Voice of Cards できそこないの巫女
- CHRONO CROSS: THE RADICAL DREAMERS EDITION
- 春ゆきてレトロチカ
- FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE
- PowerWash Simulator
- Voice of Cards 囚われの魔物
- バリアスデイライフ
- ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン
- The DioField Chronicle
- トライアングルストラテジー
- 新すばらしきこのせかい
- スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE
- HARVESTELLA
- VALKYRIE ELYSIUM
- タクティクスオウガ リボーン
- ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター
- CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION
- FORSPOKEN
- オクトパストラベラー II
- パラノマサイト FILE23 本所七不思議
- STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN
- ライブアライブ
- ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と大空の羅針盤
- インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険
- STAR OCEAN THE SECOND STORY R
- Little Goody Two Shoes
- FINAL FANTASY VII EVER CRISIS
- ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ (Steam版)
- サガ エメラルド ビヨンド
- KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX-
- KINGDOM HEARTS HD 2.8 Final Chapter Prologue
- KINGDOM HEARTS III
- 聖剣伝説 VISIONS of MANA
- ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅
- FINAL FANTASY XVI
- ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
- Life is Strange: Double Exposure
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
- FANTASIAN Neo Dimension
- FINAL FANTASY VII REBIRTH
- サガ フロンティア2 リマスター
- ドラゴンクエストI&II
- オクトパストラベラー0
この中で人気なのは「Life is Strange」シリーズ、「Kingdom Hearts」シリーズ、「オクトパストラベラー」シリーズでしょうか。「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」も売れてはいるような。
スクウェア・エニックスが面白いRPGを次々と発売していた頃を知っている身としてはスクウェア・エニックスには頑張って欲しいのですが、昔とプレイヤーが求めるゲームが変わっているように思います。
それに対して、スクウェア・エニックスは世間で流行っているゲームに迎合したくないのかもしれません。
ここ数年で流行ったゲームを考えてみると、人狼ゲームをベースにしたゲームとか、ソウルズシリーズ、デッキ構築型ゲーム、バトルロイヤル型の対人FPS、モンスターハンター的なゲームとか。
スクウェア・エニックスはそういうゲームは作っていません。流行っているジャンルのゲームを作れば売れるかもしれませんが、それをしたくないのかも。
「Voice of Cards」がデッキ構築型ゲームにやや近い、「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」はソウルズシリーズにやや近い(KOEI TECMO 開発なので「仁王」シリーズの方が近い)などはありますが、流行っているジャンル直球のゲームは作っていません。
「PowerWash Simulator」が流行りのシミュレーターゲームですね。スクウェア・エニックス開発ではないですが。
発売したゲームを見ると、やはりかつての黄金時代のようにRPGで頑張りたいような印象を受けます。
RPGについては、私は昔のドラゴンクエストのようなコマンド入力型のRPGも好きなのですが、世間的にはもうウケが悪いジャンルのようです。コマンドを選ぶのは退屈だと。
確かに分からなくも無いです。アクションゲームと比べると刺激が少ない。FF VII のリマスターやFFシリーズがアクションゲーム的になっていくのを見るに、スクウェア・エニックスもそこは分かっているようです。
ゲームって答えがあるから面倒だな
私はダンジョンクロウラーのRPGが好きなのですが、何度も戦闘があるため、ある程度オートで素早くサクサク戦闘してくれないとストレスが溜まります。
SteamでダンジョンクロウラーRPGのレビューコメントを見ると、皆サクサク戦闘が好きなようです。
皆せっかちになったのかもしれません。「タイムパフォーマンス」という概念も広く知られるようになり、できる限り短時間で刺激・興奮の強いものを好んでしまいます。
近年はコマンド型のRPGは戦略的な要素をかなり取り入れています。昔のドラクエのような単純な「戦う」「魔法」のダメージだけで敵の体力を削っていくようなものは少なくなり、相手の弱点属性を付いたり、ステータス異常を付加して戦闘を有利に進めるタイプのものが増えているように思います。
ただこれは結構面倒です。ダンジョンクロウラーのRPGでは戦闘をサクサク行いたいのですが、相手の弱点属性をいちいち選択するのが面倒だったりします。
私はプレイしていて「自分は何て面倒臭がりなんだろう」と思いますが、これをもしオートで弱点属性を付く有利な戦闘ができるようにすると、「戦闘がそんなに面倒ならゲームをプレイしなくてもいいんじゃないか」という葛藤も生じます。
最近は「ゲームって答えがあるから面倒だな」と思うことが増えました。どんなジャンルのゲームにしても有利な行動というのが存在します。
RPG、格闘ゲーム、FPS、RTSなど全部のジャンルで、ゲーム中に遭遇する一場面での有利な行動というのは、問題に対する答えの1つです。
ゲームをプレイしていても、お勉強のようにプレイヤーは「問題」を解いて「答え」を出し続けていると見ることもできます。「この場面に最適な攻撃は何?」と。
結局ゲームとはルールへの最適化であって、最適化が済んでしまうと途端につまらなくなります。ゲームは手探り状態の序盤の方が楽しいです。
北米のゲームタイトル認知度ランキングが面白い
さて、話がずれてしまいましたが、3D Investment Partners Pte. Ltd. の資料で特に面白いと思ったものがあるので紹介しておきます。P.65 です。
https://www.3dipartners.com/wp-content/uploads/square-enix-presentation-material-jp-202512.pdf
北米におけるゲームタイトルの認知度です。「ポケモン」がずば抜けています。
「ポケモン」の人気は分かるのですが、意外にも「Warcraft」が2位らしいです。
最近は「Warcraft」という言葉を見かけなくなりましたが、認知度は高いようです。オンラインゲームの「World of Warcraft」をまだプレイしている人もいるかもしれません。
「ドラゴンクエスト」が「Diablo」よりも高いというのも驚きです。
かつて「ドラゴンクエスト」は北米では「Dragon Warrior」という名前で販売されていました。「ファイナルファンタジー」と比べると知名度が全然無いと思っていましたが、こんなに認知度が高いとは…。
「Baldur's Gate」も結構マニアックなゲームのような気がしますが、「モンスターハンター」にやや劣るぐらいのようです。
そして「原神」の認知度がこんなに高いとは知りませんでした。
ページ下部の注釈 [3] に、「真・女神転生はペルソナシリーズを含む」と書かれていて、私は「ペルソナ」シリーズの方が「原神」よりも認知度が高いと思っていたのですが、基本無料プレイの「原神」はプロモーションもされているでしょうし、プレイステーションストアなどでよく目にするのかもしれません。
PCゲーマーやSteamユーザーを狙った調査ではありませんから、全体的には北米ではこのような状態なのでしょう。



















