審査員に鎧塚さんを起用したのが最高。参加者にヒントを与え、たくさん頬張る姿に優しさと信頼を感じる。一方、石川さんからはパンに対する愛を感じない『ベイクオフ・ジャパン』レビュー

2022/04/27

ベイクオフ・ジャパン」。Amazon Prime Video で制作が発表されてから楽しみにしていました。

観てみたら本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」にかなり似ていて、良い番組になっています。

楽しめた度

本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」は司会者(番組ホスト)が無礼すぎる

私は Amazon Prime Video で「ブリティッシュ・ベイクオフ」や「ソーイング・ビー」を観ていました。

ブリティッシュ・ベイクオフ」はパンとかケーキとかを素人の参加者たちが作って競う番組。日本で言うところの「TVチャンピオン」的な番組です。

この番組の良いところは参加者同士が競い合うというよりは、テーマに沿って一番良いものを作った人が勝ち、というような構成になっているところです。参加者同士は仲が良いです。

ソーイング・ビー」は「ブリティッシュ・ベイクオフ」からスピンオフした番組で、こちらはアマチュアたちが服を作る番組です。

実は私は「ソーイング・ビー」はあまり好きではありません。それは参加者たちの生い立ちを長々と語るため。

申し訳ないのですが、私は参加者の生い立ちに興味がありません。それよりは頑張って作っているものを映して欲しい。

ソーイング・ビー」は勉強にもなる番組で、審査員の目が厳しくて、ここが直線では無い、柄がずれている、ダーツが云々とかものすごく細かな指摘をします。審査員同士でも「その指摘は厳しすぎるわ」とか言ったり。

なるほど、プロはそういう所を見ているのかと勉強になります。服の歴史も説明してくれて良い番組だと思うのですが、参加者の生い立ちの語りが本当に邪魔です。

一方「ブリティッシュ・ベイクオフ」は生い立ちの語りは短めで見やすい。パンの歴史も語ってくれて勉強になります。

私が「ブリティッシュ・ベイクオフ」を見ていて気になるのは、パン・お菓子を作る参加者たちが床に手をついているところと、番組司会者(番組ホスト)の女性2人が食材を指でつついたり、勝手に食べたりするところ。

イギリスの番組は日本と違って司会者の主張が強いみたいですね。それは別に構わないのですが、果たして時間内に完成するのかという忙しい場面でも参加者にずけずけと質問していて気になります。

本当にイラッとしたのは、司会者の女性が参加者が調理に使う予定のチョコレートを、会話しながらおつまみを食べるように勝手に食べたシーン。

「それ使う予定だったのに…。まぁ大丈夫よ」と参加者に気を遣わせていました。無礼過ぎます。

イギリスの人は結構いい加減な人が多いようで、参加者が説明通りに作らないといけない課題で「これでいいだろう」と勝手に考えてテキトーにやってしまうからうまくいっていない場面がよくあります。

ソーイング・ビー」の審査員の男性パトリックはとてもキチッとしていて、周りから神経質だという見方をされていますが、私は彼の細かな性格が好きです。

彼はイギリスでは珍しいタイプの人間なのかもしれません。だからこそ成功したのかも。

私がイギリスからネットで物を買ったときも梱包と扱いがかなりいい加減でした(製品をぶつけたらしく、ひびが入っていました。ちなみに10万円以上する音楽機材です)。

その恨みと共に「ブリティッシュ・ベイクオフ」と「ソーイング・ビー」を見るに、私はイギリス人はいい加減な人たちなんだなと思っています。

ベイクオフ・ジャパン」の方が不快感がない。映像も明るくて気分が良い

さて、日本版の「ベイクオフ」である「ベイクオフ・ジャパン」は私には本家よりもかなり見やすい番組になっています。

参加者の生い立ちの語りがかなり短い。

あと、本家と比べ、映像が綺麗で明るいのがすごく良いです。

明るい映像は清潔感があり、見ていると明るい気分になれます。

本家の「ブリティッシュ・ベイクオフ」は映像が暗いというか少しどんよりとした空気感があります。虫が飛んでいそうなところでケーキとかパンとかを作っていますし。

番組司会(番組ホスト)は坂井真紀さんと工藤阿須加(あすか)さんで、本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」と違って控えめで丁寧です。

もう少し前に出て参加者と突っ込んだ会話をしても良いかなと思いますが、不快ではありません。2人とも演技臭さが抜けるともっと良くなります。

審査員に鎧塚さんを起用したのが良い。参加者にヒントを与え、たくさん頬張る様子に信頼を感じる

審査員として有名なパティシエである鎧塚俊彦さんを起用したのがとても良かったと思います。

知識が豊富なので話を聞いていて楽しい。「へぇ、そういうところを気にして作るのか」と。性格も優しく、参加者に個別にヒントを与えたりしています。

ヒントを与えるのは本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」でも男性の審査員が行っていました。「この食材は加熱で水分が出るから、水の分量に気を付けないとね」とかヒントを与えてくれます。優しい場面でとても好きです。

日本版でもこれが引き継がれていて嬉しい。本家よりも鎧塚さんの方がヒントを多くくれます。本家のように裏で「あれは危険だ」と参加者に聞こえないように司会者に伝える場面もないし。

Amazonのレビューコメントで、「鎧塚さんが試食で頬張りすぎて汚い(☆1)」というレビューがあったのですが、私は違う意見です。

鎧塚さんが一口で大きな塊のケーキなどを頬張る姿を見て、私は参加者のケーキの出来を信頼しているのだなと感じました。

少ししか食べないのは不信感がある時でしょう。まずそうだな…とか。

鎧塚さんはバクッと、クリームを口の周りに付けながら食べてくれるので参加者からすると嬉しいと思います。私も見ていて気持ちいい。

「上品ではない」という意見があるのも分かりますが、私は気になりません。上品な番組を見たいわけではありません。

石川芳美さんの話し方が気になる。今も自分でパン作ってる? パンに対する愛を感じない

審査員の鎧塚さんは知識と経験が豊富なのと判断基準をしっかり話しているので信頼できるのですが、女性の審査員である石川芳美さんに不安を感じます。

鎧塚さんの知識量とかなり差があり、鎧塚さんの話を聞いて審査の段階で「へぇ~そうなんですね」とか言っています。

彼女の発言を聞いていると、変にハキハキ話すのですが、そのしゃべり方と裏腹に当たり障りのないことばかり話すため経験と知識量に不安が募ります。

彼女の専門であるパン作りでも、鎧塚さんの方が詳しいのではないかと感じてしまいます。

石川芳美さんって今も自分でパン作ってます? その感じが全くしないのですが…。パンが好きと言うより、パン(商品)を売ってお金を稼ぐのが好きな人に見えます。

私は石川芳美さんの話し方がどうしても気になってしまいます。「パンで大事なのは○○なんですね」「これは○○ですね?」「これはこのようにしたんですね」と、言葉は字面だけを見ると丁寧ですが台詞(機械)っぽく、そこに高圧さが乗っかっています。

「自分は偉い人間だが、人に気遣いもできる」と(間違った)自己認識している人の話し方に近いものを感じます。

他者コントロール欲、冷徹さ、完璧主義が滲み出ています。私はこの話し方をする女性に何人か出会っていますが、反面教師にしています。

本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」でもそうだったのですが、女性よりも男性の審査員の方が知識があって調理もうまいのです。

ただ本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」の方が女性の審査員(料理研究家 メアリー・ベリー)と男性の審査員(シェフ ポール・ハリウッド)の知識量の差が少なく、女性の審査員も「これは○○が原因ね」とか的確に指摘していて、経験と知識があるのを感じられて安心感がありました。

本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」はシーズンの最後に振り返りとして、審査員たちが自ら課題のものを調理するシーンがあります。果たして「ベイクオフ・ジャパン」ではあるのでしょうか。

本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」の男性の審査員ポールは「パイの裏側が焼けていないね」「ほら、パイの裏側の焼きが足りない」「これはパイの裏側がよく焼けている」と、パイの裏側にうるさくて、女性の審査員メアリーに「パイの裏側の審査は彼に任せましょう」と言われていてさすがに笑いました。

こんな感じで「ベイクオフ・ジャパン」でも鎧塚さんと対等に話せるくらいの女性の審査員だと嬉しかったです。

女性でも経験と知識が豊富な人がいると思うのですが、見つけにくいのでしょうか。

お菓子作りが好きで堪らないという人に審査してもらった方が納得できますし、見ていて楽しくなります。鎧塚さんの人選は見事です。

やらせ感の指摘は理解できる。カット編集で時間軸を弄らないようにして欲しい

ベイクオフ・ジャパン」は本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」にかなり似せた番組構成になっています。

私が気になるのは「ベイクオフ・ジャパン」はみんなの話し方が堅いこと。まるで台詞のようです。参加者同士の会話ですら堅い。

Amazonのレビューコメントで「やらせか?」と指摘されているのはこの所為でしょう。番組の司会の2人も役者で、台本の台詞を読み上げるシーンがいくつもあります。

私が自然体だと感じるのは鎧塚さんだけ。

「やらせ感」を感じてしまうのも仕方ないかなと思います。

番組の編集の問題もあり、「ブリティッシュ・ベイクオフ」や「ソーイング・ビー」では、審査を待つときなどに参加者同士がカフェで会話をしているシーンが映ります。あのシーンがあると「参加者同士は仲が良いんだな」と感じられます。

ベイクオフ・ジャパン」では参加者同士の会話のシーンがほとんどないので、「今回家に帰っていただく方は○○さんです」と脱落者を宣言するシーンで、その脱落者がいなくなってしまうのを泣いている人を見ると「えっ、そんなに仲良くなったの?」と驚いてしまいます。

泣くシーンが唐突なので演技かと思ってしまう人もいそうです。調理中と審査の場面だけでなく、他の部分も少しだけ映してもらえると空気感が伝わりやすいかと思います。

あと、私は調理中のカット編集を少なくして欲しいです。どのように調理しているかもう少し手元を見たいです。作る過程をじっくり映していればやらせを感じる人が減ると思います。

他に気になるのは「残り10秒、9、8…」というシーンで毎回、「あっ間に合わない」というカットがいつも入り込みます。

本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」でも「間に合わない」と言いつつ間に合ってますので、そうやって編集した嘘の演出なんだなぁといつもがっかりしています。

カット編集をしても、せめて時間軸はいじらないで欲しいです。

全体的には良い番組。映画やドラマに飽きた人にお勧め

細かなところは気にはなりますが、鎧塚さんの審査やアドバイス、参加者の頑張りや考えを観ていくのは面白いです。現在4話までしか公開されていませんが、今後に期待しています。

本家「ブリティッシュ・ベイクオフ」のように、審査員の鎧塚さんと石川さんが自ら調理しているシーンを是非観たいです。

Amazon Prime Video はアニメ・映画・ドラマばかりでバラエティ番組とかそのあたりが弱いので、こうした番組はとても助かります。

ジャンルは「リアリティーショー」に属していますが、まぁ合っている…のかな?

映画やドラマを観るのは気が重いとき、こうした番組は気楽に観れて良いですね。

今から「ブリティッシュ・ベイクオフ」「ベイクオフ・ジャパン」を観る人は「マジパン」という言葉が説明なしにたくさん出てきますので、Wikipedia などで調べて事前に知っておいた方が良いかもしれません。

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Nomeu

ほとんどのジャンルのゲームが好きです。特に好きなのはRPG。「Xenogears」「クロノトリガー」「ペルソナ3、4」とか。ドラクエは「V」。主人公が「勇者」ではないところが好き。ビジュアルノベルは「STEINS;GATE」「Ever 17」「AIR」が好き。

どこぞの作曲コンクール最優秀賞受賞。好きなゲーム音楽は「愛のテーマ (FF)」「Heartful Cry (ペルソナ)」「夢の卵の孵るところ (Xenogears)」「凍土高原 (Kanon)」「夜の底にて (クロノトリガー)」「Theme of Laura (Silent Hill 2)」「Scarlet (みずいろ)」「bite on the bullet (I've)」など。たくさんありすぎてスペースが足りません。

ゲーム音楽以外だと「Ballet Mecanique (坂本龍一)」「月光 第3楽章 (L.v.Beethoven)」「水のない晴れた海へ (Garnet Crow)」「Angelina (Tommy Emmanuel)」「空へ… ライブ版 (笠原弘子/ロミオの青い空)」「太陽がまた輝くとき (高橋ひろ/幽遊白書)」「スカイレストラン (ハイ・ファイ・セット)」など。

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